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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第16章 アジアをぶっ壊せ!Uー20アジアカップ
416/658

決勝トーナメント前の気分転換

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 決勝トーナメントへと進出した日本の1回戦となる相手。バーレーンと決まりヨルダンに続き、中東勢との2連戦だ。



「次の試合のスタメンを発表します」



 前日のミーティングでマッテオは選手達の前にて、バーレーン戦のメンバーを発表する。




 GK藤堂



 DF神明寺 仙道(佐) 青山



 MF緑山 月城 白羽 八神 天宮



 FW源田 室




 ヨルダン戦で負傷した辰羅川は当然外れ、照皇も大事を取ってベンチに控える。



 両チーム通じて5人もの重軽傷者を出した試合。チームの雰囲気としてはあまり良くない。



「(これはアカンなぁ、流れ変える為にもいっちょやるしかないやろ)」



 これを感じ取った想真は栄養士の所へと走り何やら話している。彼が何をしようとしているのか。



 分かったのは相談された栄養士と心が読める弥一ぐらいだった。






「ちゅー訳やから、今日はお好み焼きパーティーと行こうや♪」



「いや、何がちゅー訳だからって急過ぎて意味分からん」



 食堂にて集まる日本のメンバー達。此処で食事の時間を何時も通り迎えるかと思えば、想真からお好み焼きをやろうと言われて大半が「え?」という感じだ。



「空気がめっちゃ重い!タツさんの離脱はショックや、けど引き摺ったままやと勝てるもんも勝てんわ!だから気分転換のこれって訳や!」



「な、なるほど……?」



「いや押し切られんなし」



 熱弁する想真に対して明は納得し、その彼に月城がツッコむ。



「そもそもアスリートなら普段からお好み焼き食うべきやねん。お好み焼きは5大栄養素が摂れるスーパーフードなんやからな」



「そうなのか?関西のソウルフードってイメージしか無かった」



「アカン、そら勉強足らんわブラジル君!」



 ブラジル暮らしが長く、お好み焼きを食べる機会が日本に居た時と比べて皆無な光明に、想真は更に語りまくる。



「生地や麺からは体のエネルギーとなる炭水化物、豚バラ肉からは体を作るたんぱく質や脂質、キャベツからはビタミンやミネラルをたっぷりと補える。しかも美味い、最高しかないやん?」



「地元愛だけじゃなくちゃんと体の事も考えてるんだねー」



「当たり前やろ、自分の体全く考えんで好き放題バクバク食ってたらアスリートとして終わりやで」




「あはは〜」



「……」



 白羽との会話の中であった想真の言葉に対して弥一は笑って誤魔化し、大門はバツが悪そうだった。



 それぞれ美味しいものに目が無い、大食いな立見の2人にとって耳が痛い言葉だ。




「日本から取り寄せていた材料確認でお好み焼き出来るのが揃っとったからホンマにラッキーや、ほなグダグダ説明するより実際作って食うで!」




 食堂に置かれたホットプレート、あらかじめ熱をもっており油を引いてある。そこに想真は用意された生地を流し込む。



 お好み焼きを作る彼の目は、サッカーの時を思わせる真剣な目つき。タイミングが来ると2つのヘラを器用に操り、綺麗にお好み焼きをひっくり返し、反対側の生地も焼いていった。



 焼き上がればお好み焼きソース、青のりをかけて完成だ。


 食堂にソース纏うお好み焼きの香り、腹を空かせた食べ盛り男子の食欲を刺激させてくる。



「ほら、お前食ってみぃや」



「いいの?じゃ遠慮なくいただきまーす」



 自分の焼いたお好み焼きを想真は光明へと振る舞い、食べたそうな弥一をよそに光明は箸で一口ソースのかかってる部分を食す。



「……マジ美味いねこれ」



 想真が焼いたお好み焼きは店レベルで上手く焼かれていた。生地や豚肉にキャベツのポテンシャルを引き出し、旨味として現れ、光明は美味いとしっかり感じてもう一口食していく。



「ほな、それぞれ自分で作ってなー」



 そこから各テーブルで各自、お好み焼きを作る作業がスタート。



「想真があんな上手く作れるって事は光輝も行けるのか?」



「あー……俺は父ちゃんと母ちゃんが作ったの見てばっかやったけど、見様見真似で作った事はあるから」



 室から同じ関西人なら光輝も上手く作れるかと期待されるが、そこまで上手くは無理と言いながら光輝はお好み焼きを作り始める。



「室、そこのコテ取ってー」



「コテ?」



「だからそこにあるヤツやー!」



「あ、これ?ヘラじゃないのか」



 お好み焼きをひっくり返す道具、それには色々名がついており人によって呼び方が違い、コテやヘラと言うだけでなくテコとも呼ばれている。




「ち……」



「案外上手く行かないもんだね」



 想真のように上手くは焼けず、春樹や狼騎は不格好なお好み焼きが出来てしまう。



「僕上手く焼けました!」



 牙裏勢で唯一五郎が綺麗にお好み焼きを焼けて、意外な才能を発揮。この調子で焼きそばの方も作っていく。




「よっと」



「おー、藤堂さん上手いっすね」



「俺元々広島出身だから、弟や妹に昔よく作ってやったもんだ」



 自分の分と冬夜の分を手早く作っていく藤堂。広島に居た時に家で弟や妹へと振る舞ったなぁと、昔の記憶が蘇る。


 妹は高校2年、弟はこの春から高校入学の1年で両方とも兄と同じく、サッカーをしている。




「俺がお好み焼きの方作るから政宗、焼きそばの方頼むな」



「了解ー」



「美味いなぁー!」



 佐助、政宗の兄弟2人はそれぞれ分担して、効率よく質の良いお好み焼き、焼きそばを完成させる。


 彼らの作るお好み焼きを番はじっくりと味わう。



「む……美味い……!」



 実は初めて食べるお好み焼き初挑戦の照皇。その美味しさに感動した事に加えて、5大栄養素が含まれるスーパーフードと聞けば、自分のこれからの食事に取り入れようと決めていた。




「影山先輩焼くの上手いですね」



「中学時代に友達とよくお好み焼き屋行ったからさ、懐かしいね」



 優也のと比べて上手に作れている影山のお好み焼き。過去に間宮達と店に行って主に自分で焼いていた経験が、此処で活きていく。





「うーん、自分で作るご飯も美味しいね〜♡」



「久しぶりに食べるとこんな美味いんだなぁ」



 そして美味しい物が好きな弥一と大食いな大門。立見の凸凹コンビは自分でお好み焼きと焼きそばを作れば、それぞれ美味しく好きに食べていた。




 これから挑む決勝トーナメントに備えて各自は英気を養う。

想真「結局お前ら好き放題食ってるやないか」


弥一「だって美味しかったからー」


大門「一応抑えたつもりだけどなぁ……」


優也「それでも大門があの中で一番食ってたぞ」


弥一「まあまあ、食べた分働きますからー。僕失点しないので」


想真「何処ぞの医者ネタ此処で入れんなや!」


宜しければ、下にあるブックマークや☆☆☆☆☆による応援をくれると更なるモチベになって嬉しいです。


サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。


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