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牙裏で動き出す新たな物語

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

「行ってきまーす」



 岐阜県にある牙裏町。一戸建ての家に両親や妹と暮らしている白い帽子を被った小柄な赤髪の少年こと、三好五郎は何時ものように家で朝食を済ませ、家族へと挨拶すれば家を出て学校へと向かう。



 これが五郎の朝のルーティンだ。



 同じ町内に目指す学校はあるので電車通いの必要は無い。その代わり距離は遠いが五郎は朝のランニング代わりになると、前向きに受け止めている。



 朝早く人通りの少ない牙裏町を五郎は走って登校。何時も通りの1日が始まろうとしていた時。




「わっ!?」



「っと!」



 曲がり角の方を通って行くと急に人の姿が見え、五郎はなんとか自分の体にストップをかければその足を止める。



「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」



 五郎は慌ててぶつかりそうになった人物に対し、頭を下げて謝った。



「大丈夫も何も別にぶつかってもいないから平気だって、まあぶつかられたとしてもそっちの方が吹っ飛びそうだけどな」



 すぐに頭を下げた五郎は具体的な相手の顔や格好をまだ見ていない。耳に聞こえてきたのは女性の声で、結構男勝りな感じの話し方だった。



 そこから五郎は頭の方を上げると相手の姿が見える。見えた格好は紺色のセーラー服で、牙裏の女子生徒の服だ。



 更に五郎と比べて結構背が高く、五郎が見上げなければならない程の身長差がある。



 髪は腰まで長く綺麗な金髪であり、顔が見えると気の強そうな感じがした。



「ん?お前、その胸の校章……なんだお前も牙裏学園のもんかい?」



「え?あ、はい」



 女性の方は五郎が着ている黒い学ランの右胸にある校章に気付く。それが牙裏の生徒である証で男子だけでなく、女子の制服の右胸にも同じ校章が付けられている。



「おお、丁度良いな。いやー、曲がり角で学生の男女がぶつかるとかラブコメ展開かよって思ったけど!」



「は、はあ……」



 正確にはぶつかる寸前だったのだが、と思う五郎の前で女性は豪快に笑う。



「あたしは向坂愛奈(さきさか まな)、牙裏に引っ越して今日から学校通うんだよ。良ければ同じ生徒のよしみで案内してくんね?」



「僕で良ければ良いですよ。あ、僕は三好五郎です」



 今日から同じ牙裏学園に通う愛奈へと五郎も笑顔で挨拶をすれば、五郎の案内で2人は学校を目指し歩き始めた。





 学園の正門まで来ると目の前には大きな校舎が見えている。2人が正門を通って校内へと入れば五郎は愛奈へと話す。



「あの校舎は1年が1階、2年が2階、3年が3階になってます。ああ、屋上は立入禁止みたいですから入っちゃ駄目ですよ?」



「なんだー、屋上駄目なのかぁ?学園物っつったら屋上で飯を皆で食ったりして気になる相手呼びつけてコクったり時には喧嘩でやり合うのが結構定番なんだけどなぁ」



「えっと……?」



「ラノベや漫画にアニメの話だ、深く気にすんなって」



 五郎の説明を聞きつつ、そこは創作や二次元の世界と違うんだなぁと愛奈は呟いている。




「あ、じゃあ僕はこれから朝練があるから向坂さん失礼しますー!」



「朝練?お前部活やって……って行っちまった、速いなー」



 五郎は自分の部で行う朝練の為、愛奈へと頭を下げた後に走り去って行った。



 1人その場に残り校舎を前に愛奈はスマホを見ていた。朝の授業開始時間までだいぶ時間がある。



 新しい学校を見ておこうと早めに来たがどう過ごすか、その辺りのベンチに座ってスマホで読みかけのラノベでも見ようか考えもした。



 だが愛奈はそれより小柄な五郎が何の部活をやってるのか気になり、見に行ってみる事にする。



「(しかしまあ広いなぁ。こんな中であのちっさいの探すの結構大変かも)」



 まだ校内全体については転校して間もない身なので愛奈はよく知らない。どうしたもんかと辺りを見回していると、そこに声を出しながら走る集団の姿があった。



 白い道着を身に纏い朝練のランニング。おそらく柔道部辺りだと思われる。



「(分かんないし聞いてみっか)あのー、ちょっとすんませーん!」



 愛奈は白い道着の集団へと声をかける。向こうは愛奈の声に気付いてその足を止めた。



「どうかしたか?(こんな女子生徒いたっけか?気が強そうだけど結構美人だなー)」



 見覚え無い女子、だが男達の目に惹かれる容姿をしていて何人かは見惚れている。



「あー、三好五郎ってこんぐらいちっちゃくて白い帽子被ったのってそっちの部の人ですかね?」



 愛奈は手で表現させつつ五郎の特徴を伝えていく。すると集団の中にいた別の男が声を上げた。



「それならうちの柔道部員じゃないよ、あいつはサッカー部だ」



「サッカー部?そこってどう行けばいいですかね?」



「このまま真っ直ぐ行くとサッカーグラウンドがあって、その近くにある建物がサッカー部の部室だ」



「了解、ありがとうございまーす!」



 柔道部員から場所を教えてもらうと愛奈は礼を言い、サッカー部を目指して再び歩き出す。




「誰だろ今の、女子生徒でいたか?」



「さあ……けど気が強く可愛い系だなぁ。胸とかあれ結構あったんじゃね?ヒップの方も良い感じでスリーサイズ気になるわー」



「お前何処見てたんだよスケベめー!」



「お前ら次の大会近いんだから気を抜くなー!ほら、練習再開だ!!」



 柔道部員が先程の愛奈について、色々話して盛り上がる中で主将の男からの注意が飛び、彼らは再び早朝ランニングを再開する。



「つか彼女、何でサッカー部のチビについて聞いてきたんだ?ひょっとして彼女とか!?いやまさかなぁ……」







「(お、此処だ此処だ。これだよなサッカーグラウンドってのは)」



 少し歩けばそれらしき芝生のフィールドが見えて来る。サッカーには疎い方の愛奈ではあるが、サッカーフィールドがどういう形をしているのかぐらいは知っていた。




 目の前では朝練でサッカーボールをそれぞれ扱う姿がある。愛奈はその中に五郎の姿があるか探すが、それらしき姿は見当たらない。




「(何処だー?あいつ)」



 一際小さいので分かりそうだが意外と見つからないものだ。あの集団にはいないのかと愛奈は辺りを見回してみると、フィールドにあるゴールマウスの方に人の姿が何人か居る事に気付く。




 その中に周囲の長身の者と比べ、大人と子供の差ぐらい小さい彼の姿がそこにあった。



 五郎はキーパーグローブを付けて練習をしている。その顔は先程まで一緒にいた愛奈の前で見せた顔とは違う、一生懸命にして真剣な眼差しと顔だった。




「(おお〜、可愛い系かと思えばそういう顔も出来るんだなぁー)」



 愛奈は五郎の練習する姿を見ようとそちらに注目する。

弥一「えー、舞台が急に東京から岐阜になったり色々な人出て来たけど主人公は僕、神明寺弥一と変わりませんからー♪出番はちょっと減っちゃうかもですけどねー」


優也「弥一、誰に向けて言ってるんだそれは?」


弥一「いきなり視点や舞台変わってなんだこれ!?サイコフットボールだよな!?と戸惑ってるかもしれない人々への説明って事で♪」


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サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。

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