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サイキッカーDFは人気者

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 2年の教室で悪戦苦闘しながらも、勉強を続ける弥一と勉強を見てあげている摩央。



「弥一!インターハイ優勝凄かったじゃんかー!」



「現地行けなかったけどネットで見たよー!」



 そんな彼らを同級生達は放っておかない。同じ校舎に凄い者が居るとなって皆が弥一へ近づき、勉強中に関わらず話しかけていく。




「ねぇねぇ、あの子がサッカーめちゃめちゃ上手い弥一君?」



「そうだよー、何時もはお昼にパンとかお弁当美味しそうに食べる可愛い子なんだけどサッカーの試合になると凄いんだから!」



 その幼い外見もあって女子生徒(主に上級生)からの人気も高く、サッカーを知らない者も弥一に関心を持って近づいたりしていた。




「あははー、どうもどうもー♪」



 勉強から逃れるチャンスと見たか、弥一は同級生達と試合について話し始めている。



「ちょ、今勉強中だからそういうの後にして……!」



 摩央が今は駄目だと主張しようとするが、小柄な彼は学生達の波に押されてしまう。気づけば多くの者達が弥一を取り囲む事態になって、勉強どころではなくなっていた。



「DFってあんな凄いんだな!今度サッカーの授業あったらDFやろうかなー」



「ゴールを決めるの格好良いけどそれを止めるのも格好良いよね!」



「弥一の場合はFKとか蹴ったりもするし、たまに蹴ってしっかり決めるとか渋いだろ!」



 周囲の学生達の弥一との会話だけでなく、弥一の活躍で話しが盛り上がる。





「神明寺弥一……同じ学校に居るからこれは活用しないとねー」



 その中で多くの輪から離れ様子を見ている、地味な雰囲気の眼鏡をかけた1人の女子生徒。



 眼鏡の奥にある瞳が怪しく輝いていた。




「ああもう、このままじゃ勉強出来なくて下校時間なるし……!」



 摩央が教室にある備え付け時計の方を見れば、下校時間は迫って来ているが人の波が去る気配は無い。




「あのクルッと回るドリブルとかどうやってるの?」



「フランスはどうだった!?」



「ベルギーのアドルフと仲良いの!?」



 その間にも止まらない学生からの質問の嵐。その中には弥一の交友関係についての質問まで含まれていた。



「わー、結構いっぺんに質問来るねー!?とりあえず1人ずつ来てくれると助かるかなー?」



 流石に弥一もこの嵐を1度には捌ききれない、1人1人の質問に絞ろうと声をかけた時だった。




「そこまで!!」



 パンパンと大きく手を叩く音が鳴ると共に、凛とした声が教室に響き渡る。



 皆が一斉に振り返るとそこには輝咲の姿があり、弥一を取り囲む者達へと近づいて行く。




「ああ、すまない。ちょっと通してもらえるかな?」



「は、はい……!」



 輝咲の王子のようなスマイルを前に、近距離でそれを見た女子生徒の顔は赤くなり、輝咲に言われて道を開けていった。



「皆、弥一君は過酷なスケジュールの合間を縫って勉強中だ。色々聞きたいという溢れる探究心は分かるが、彼が勉強不足で赤点を取って部活に出られず試合にも出られなくなってしまう」



 輝咲は弥一の側まで来ると、学生達へ向かって言葉を述べていく。



「そうなってしまったら弥一君が活躍する姿を見る事が出来ない、諸君はそれでいいのかな?」



「……」



 輝咲に言われて学生達は黙ってしまう。盛り上がっていたが、それは弥一の勉強の邪魔をしていると気付いたようだ。




「弥一君、帰ろう。此処まで注目されては勉強どころじゃない」



「あ、うん」



 そう言うと輝咲は弥一を連れて、教室の出口へと向かって歩き出す。



「杉原君、後は僕に任せて君は部活へ向かうといい。主務無しでは困るだろう」



「は、はい……」



 勉強を見る係は自分が引き受けたと輝咲が伝えれば、摩央は部活の方に向かって行った。




 弥一は薫から部活禁止を言い渡されているので、参加する事は出来ない。よってこのまま輝咲と共に下校しても問題無い。




「いやー、凄い人集まっちゃったなぁ〜」



「当然だと思うよ、同じ学校でそんな凄い人が居たら皆興味を持って近づくはず。中には良からぬ考えを持って近づく者も居るかもしれないから、そこも気を付けた方が良い」



「あはは、気を付けるよー♪」



 正門を通り抜けて学校外へと出て来た弥一と輝咲。人気者なのは良い事だが、そこも気を付けるべきと輝咲は注意していた。



 最もそういう考えを持つ者は、心が読める弥一の前だと一発でバレるので心配無用だ。



「結構早い時間の下校になっちゃったなぁ、輝咲ちゃん喫茶店か何処かでお茶しよっか?」



 スマホで時間を確認すれば帰るにはまだ早い時間。それなら少しの時間を彼女とのデートに使おうかと、弥一は喫茶店に行く事を提案。



「いや、そっちよりもさ。良い場所あると思うんだ」




 輝咲は首を横に振ると弥一の顔をじっと見たまま告げる。




「僕の家……来ない?」



「え……」




 輝咲の家への誘い、それを聞いて弥一の胸はドキッと高鳴ったのだった。

摩央「弥一の人気の高さは知ってたけど、あ〜凄かった!人の波が……!」


大門「はは……摩央お疲れ様」


優也「確かに何かとすぐ近寄って来たりするな、あれこれ贈り物して来るのは嬉しい事だが多過ぎて持ちきれない時があって困る」


摩央「そういやお前も女子人気結構高いんだったわ」


田村「はっはー!モテる男ってのは大変だよなぁ優也!分かる分かる、そういう時は1人の大切な彼女を作ると良いもんだぞー!」


優也「はあ……参考にしておきます」


大門「田村先輩彼女出来てから変わったなぁ」


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