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無双の立見サッカー

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 インターハイも残るはベスト4。ここまで勝ち上がったのは立見、八重葉、牙裏、星崎の4校で組み合わせは立見と星崎、八重葉と牙裏というカードだ。




 立見の相手となる星崎は埼玉代表で選手権の時、最神と準々決勝を戦った強豪チーム。攻守共に高いレベルを兼ね備え、今回のインターハイでも安定した戦いで勝ち上がって来ている。



 この試合で立見は氷神兄弟、半蔵、明がスタメンから出場。


 中盤の底は川田と影山の2人で固め、最終ラインは弥一、間宮、田村、翔馬。GKは大門が務める。



 これが今の立見のベストメンバーという顔ぶれが出揃っていた。


 更にベンチには優也、武蔵、三笠、立浪と実力者が控えている。



「相手は埼玉の強豪星崎だ、温存して勝てる相手じゃない。思いっきりぶちかますぞ!」



「立見GO!!」



「「イエー!!」」



 試合開始前の円陣で間宮は相手が強豪という事もあって、何時もより気合い増しの掛け声を行っていた。



 選手権で最神に敗れてるとはいえ彼らも優勝を狙える力を持っており、気は抜けない。




 ピィーーー




 試合が始まり、立ち上がりは互いに様子見か大きな動きは見せず、星崎からのキックオフで始まれば後ろで慎重にパス回しを展開。



 なるべく氷神兄弟の近くでは回さない、彼らの動きに注意している感じだ。



 ある程度時間が経つと星崎の方は急にギアを上げたか、素早く中盤でパスを繋ぎ立見ゴールへ迫る。流石の洗練されたスピード、正確性を兼ね備えた繋ぎを見せていた。



「川田7番行ってー!」



 弥一はボールを持ってない7番に川田を向かわせる。見れば目立たない動きでスルスル上がって来て、最前線に迫っていた。



 前のFWの動きは間宮に田村が見ている。マークされている事は星崎程の強豪なら、既に把握済みか想定済みだろう。



 立見の裏を突く為の7番を弥一は相手キャプテンの思考を読み取り、その狙いに気づいていたようだ。



「っ!?」



 此処で7番を使っていくつもりだった相手の動きが止まる。川田の大きな体によって、彼へのパスコースが塞がれてしまっていた。



 一瞬の迷い、それが命取りとなる。



 相手の死角から影山が迫れば、ボールを奪い取るのに成功。


 シャドウボランチの接近に、相手は全く気付いてなかったようだ。




「カウンター!!」



 間宮がそう叫ぶと立見の前線が一斉に動き出す。明の素早い動き出しに相手の反応が一瞬遅れ、明はフリーの状態になる。



 影山はそれを見逃さず、左足で明の足元へと速いパスを出せば明は正確にトラップ。



 すぐに前を向いて自分に迫る相手選手を速いダブルタッチで躱し、1人抜くと真っ直ぐ星崎ゴールを目指し、ドリブルで直進していく。



「両サイド注意気をつけろー!」



 相手GKの大きな声によるコーチングが飛べば、星崎の両サイドDFがそれぞれ氷神兄弟2人をマークしている。



 得点の多くがサイドに展開というデータがあるので、星崎はそこを警戒していた。



「(サイドに寄りすぎて中央が薄め、このまま行ける!)」



 星崎の今の守備は氷神兄弟を警戒し、サイドの守りを意識し過ぎて中央が薄め。明はこれを見て、そのまま正面から切れ込んで行った。



「寄せろー!」



 突っ込んで来た明、そこにすかさず相手選手の声が響く。



 このまま行かせないと、左から強くチャージするが明はそれをいなして躱す。結果、相手の方がバランスを崩してしまっていた。



 この辺りのいなしは日々の合気道による稽古の成果だ。



 彼の目にはシュートコースが見えた。狙うはゴール右上隅。



 下ではDFに弾かれる恐れがある。上なら最悪浮き過ぎてゴールキックになっても、シュートで終わる事が出来るので悪くない。



 中途半端になって、カウンター返しを食らうより良い。



 明は迷う事なくミドルレンジから左足を振り抜きシュート。


 弓矢から放たれた矢のような勢いでボールは飛ばされ、相手GKはこれに反応して腕を伸ばすが届かない。



 かなり際どいコースでありゴールバーへと迫るが、途中で下へと落ちて行く。バーに当たりながらも、相手ゴールマウスへとボールは入り、主審もゴールを認める。



 明が個の力で強豪星崎から先制。決めた瞬間に氷神兄弟や半蔵、そして弥一ら立見の先輩が駆け寄り明のゴールを手荒に祝福していく。



「明ナイスゴールー♪」



「1人で決めるなんて漫画みたいだなー!」



「すいません、目立ち過ぎました……」



「ゴール決められればいいってそんなのー!」



 スタンドプレーが過ぎたかと明は思ったが、弥一達は気にする様子は無い。チームプレーで取ろうが個人で取ろうが、どちらでも1点に変わりは無いのだ。



「それに今ので明に警戒向くだろうからね」



 点を決められた星崎としては、次から明はより無視出来ない存在となる。それが彼らの中に植え付けられただろうと、弥一は見ていた。




 予想通り個人技が突出した明にマークが厳しくなる。星崎は明に対して2人マークを付けており、徹底して封じる構えだ。



 更に氷神兄弟への注意も怠らない。



 だが、その3人を抑えたからと言って、それで止まる程今の立見は甘くなかった。



 弥一がボールを持つと右サイドへ展開。そこには田村が詩音を追い越して上がっている。



 元々は去年から立見の攻守を支える要。1年達の活躍が目立ち、田村への警戒は弱まっていたのだ。



「田村先輩そのまま走って走ってー!独走行けるよー!」



「(相変わらず先輩を容赦なく使う奴だなぁ!)」



 内心でそんな事思いつつも田村は右サイドを独走。そのまま得意の右足で高いクロスを上げれば、そこに待っていたのは192cmの長身を誇る半蔵。



 相手長身DFとの空中戦で頭一つ抜け、額でボールを捉え得意のヘディング。ゴール右へとボールが飛んで行き、GKは飛び付くが届かない。



 再びゴールネットが揺れて益々盛り上がる立見応援団。それと共に会場の声援も止まらず、ゴールを決めた半蔵やアシストを決めた田村への賞賛の声が飛び交う。




 2点差を付けられた星崎は決死の反撃に出るが、弥一のコーチングで星崎の作戦を次々と破り攻撃失敗が続く。ミドルやロングを撃って行けば、枠を外れるか大門に正面でキャッチされる。



 そして立見の攻撃で川田は持ち前のパワーで、大きく縦へとロングボールを放ればぐんぐん伸びて、星崎ゴール前までボールは運ばれて行った。



 待ち構える半蔵がこれを頭で落とすポストプレーを見せれば、これに迫るのはマークを振り切っていた詩音。



 滑り込んで来たDFのスライディングをトンッ、と左足でボールを浮かせれば自らも飛んで躱す。空中姿勢のまま、右足のジャンピングボレーを豪快にゴール左へと叩き込み、ゴールネットを再び揺らす。



 相手GKは一歩も動けなかった。




 3点目を決めた詩音は玲音と共にカメラの前で、アイドルピースを決めるゴールパフォーマンスを披露。



「星崎でこれか……!」



 記者達は目の前の試合に驚愕していた。



 星崎なら立見と良い試合が出来て、もしかしたら勝てるかもしれない。そう思っていたが蓋を開けてみれば、立見が星崎相手に点差を付けて優位に試合を進める展開。



 守備に関しても未だに失点無し。それも今回に限った事ではない。



「もしかして立見って……俺らの常識を超えたチームじゃないか?」



「最近現実の世界が漫画を超えるとかあるけど、まさかこの立見もそうなる……?」



 何処かで勢いは落ちる、無失点がずっと続く事はあり得ない、そんな記者達の常識的な考えを破壊するかの如く立見は勝ち続け、今回の星崎も圧倒。



 後半に川田のパワーある左足ロングシュートが決まり、ダメ押しの4点目が決まれば勝負あり。立見が4ー0で星崎を下し、インターハイ初の決勝進出を決めたのだった。




 そして時は少し遡り、立見と星崎のキックオフと同時に八重葉と牙裏の試合も始まっていた。





 立見4ー0星崎



 緑山1


 石田1


 詩音1


 川田1

詩音「1年大活躍だねー♪」


玲音「ホントホント、あんな警戒されちゃうなんて僕達も知られてきたよねー♪」


半蔵「けど流石全国の強豪と言うべきか、予選やリーグ戦の時と違い動き出しや速さが上がっている。そう甘い相手ではないと分かったな」


明「それで勝ててるのは……やっぱり後ろの守備がしっかりしてるおかげだ……」


詩音「そうそう神明寺先輩達のおかげだよ!」


玲音「あの人達居てくれるから僕達安心して攻撃出来るからねー」


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