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全国準決勝 立見VS最神

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

『選手権もいよいよ準決勝!この国立で優勝候補の一角、昨年八重葉に敗れ準決勝の最神第一とインターハイから続く無失点記録を此処まで継続中、驚異のダークホース立見がぶつかります!一体どちらのチームが決勝戦へと進むのか!?』



『どちらも面白いチームですからね、優勝候補が新鋭の勢いを此処で止めるのか勢いで優勝候補をも飲み込んでしまうのか注目ですよ』




 両チームがユニフォーム姿となって、国立のフィールドへと審判団を先頭に姿を見せる。



 立見のキャプテン成海と最神の1年キャプテン想真が代表し、コイントスで先攻後攻を決めて結果は立見が先攻を取る。そこで両キャプテンは握手を交わす。



「あの時と違って今回はガチ勝負や、負けて泣かしても恨まんといてな」



「こっちの台詞だ、負ける気は無いよ」



 勝気な笑みと共に想真は成海にそう言った後、自陣へと小走りで向かって行き、成海はその背中を少し見てから、こちらもイレブンの待つ自陣へ向かう。







「最神のやる事はただ一つ!」



「「勝利するのみー!!」」




 想真の掛け声にチームメイトもそれに続き士気を高める。彼らの試合前の儀式は終わりフィールドへそれぞれ散って行く。





「絶対決勝進出!立見GO!!」



「「イエー!!」」



 立見も成海の掛け声にチームメイトが続き、こちらも何時もの儀式をしてから各自がポジションへと向かう。





 ダークブルーのユニフォームの立見、GKは紫。



 桃色を基調としたユニフォームの最神、GKは赤。




 立見高等学校  フォーメーション 4-5-1



          豪山


          9


          成海


 鈴木       10       岡本


  8                7


      影山     川田


      14      16


 水島   神明寺    間宮   田村


 21     24     3     2


         大門 


         22



 最神第一高等学校 フォーメーション 5-3-2



      駒田    幹本


       9     11


        三津谷   


         10


      柿田   山崎


       8    16


角岡  守谷  八神  高田  西


 7   5    6   3  2


        洞山 


         1 




 どちらも両守備陣が今大会無失点と、鉄壁の守備力を誇るチーム同士の試合。周囲の予想では1点勝負を予想する者がいれば、勢い乗って立見がまだ5点入れてしまうのではないかという声や、意外と点の取り合いになって最神が最終的に勝つ等、色々な予想が飛び交っていた。



 この試合の結末はどうなるか、フィールドへと観客達が注目する中で、センターサークルに立つ成海と豪山がキックオフの時を待つ。





 ピィーーー




 立見のキックオフで国立にて準決勝の試合が開始。豪山が軽くボールを蹴り出して成海が後ろの川田へとボールを預ける。



 そこに素早く最神の選手、駒田がスピードを活かして川田へ瞬く間に距離を詰めていた。



「っ!」



 川田は駒田に取られないようにキープし、右サイドに岡本の姿が見えるとそちらへパスを出す。



 これを読んでいたのか前へと出ていた左SDF角岡が、このボールをインターセプト。




『左の角岡いきなりのボールカット!開始早々、果敢に上がって行く!』




「9番注意!11番フリーなってる!」



 大門は真っ先に最神2トップの動きを確認し、素早く指示を出した。



「草太ディレイー!」



 相手の速攻をどうにか止めようと、間宮は相手の長身FW幹本をマークしながら田村に声をかけ、なんとか攻撃を遅らせるよう伝える。




 田村が角岡を止めに向かえば、角岡は突破を狙わず中央の光輝を狙ってパス。これに迫るのは影山。光輝の後ろから行っており、ボールを受け取る彼に前を向かせないという狙いだ。



 だが光輝は来たボールを右足で軽く蹴り上げ、自分と影山の頭上を越すと同時に、そのボールに気を取られてる影山の一瞬の隙を突き、スルっとターンで躱し、浮かしたボールへと前を向いていた。




「ヤバい!三津谷来る!」



 ベンチから叫ぶような摩央の声。影山を一瞬で躱された事により光輝はフリーの状態。




 このまま浮かしたボールをトラップする、かと思えばそうではなかった。



 落ちて来る前に光輝の左足がボールを捉え、その瞬間に加速が付いてゴールの方向へ飛んで行く。




 弥一はボールに反応していたが、これを触らず見送る。



 方向には向かっている。ただゴールマウスは捉えきれていない。良いボレーシュートではあったが、左上へ外れてゴールキックだ。



『1年の三津谷光輝、来たボールを浮かして華麗なターンで影山を躱しての左足のボレー!惜しくもこれはゴールを外れるが開始早々得点の予感がするプレーを見せてくれました!』



『後ろにも目が付いてるかのような個人技でしたね。立見としてはヒヤッとしたシーンでしょう』




「(アカン、もうちょい抑えるんやった。前の試合のボールやフィールドの感覚まだちょっと残っとるわ)」



 内心で今のプレーを反省しつつ光輝は位置へと戻る。準々決勝の試合での感覚だったら捉えていたシュート。だが些細な違いが彼のシュートを狂わせてしまい、枠を捉える事が出来なかった。



 次のチャンスまで感覚のズレを修正し、虎視眈々とその時を狙う。




「落ち着いて行こうー」



 大門は全体へと声をかけると、ゴールキックで弥一へとボールを送る。




 前線のFWがゴール前の弥一に猛然と迫る気配は今の所無く、川田や翔馬といった1年のDF陣へ付いている。



 彼らは分かっている、経験が浅くミスを誘発しそうな穴を。先程川田がパスミスしたように、無失点を誇る守備陣とて完璧という訳ではない。



 大舞台による重圧。こういった大きな試合で力を何時もより発揮出来る選手がいれば、緊張でミスをしてしまう選手もいる。その狙いを最神はつけたという訳だ。



「(やらしいねー……)」



 ボールをキープする弥一には下手に突っ込まず、他の選手達はその動きを見ている。おそらく最神のベンチに座る石神が、立見のDF陣について研究して指示したのかもしれない。



 影山へパスを出そうかと視線をそちらに向ければ、影山にも厄介な光輝のマークが付いている。




 だったらドリブルでこのまま進み、弥一は上がって行く。



 だがハーフウェーラインへと迫れば好きにドリブルはさせんと、そこまで最神も弥一を放置せず、此処で止めようと山崎が向かう。



 此処で弥一はようやくパスを出そうと、左の鈴木を見て右足を軽く振り上げる。




「(サイドへパス……違う、フェイク!見せかけて成海へのパスやろ!)」



 山崎は弥一の鈴木へのパスはただのフェイク。鈴木の動きもデコイだと判断し、成海へのパスコースを塞ごうと素早く移動する。




 弥一の右足がボールに当たり、球が動き出す。山崎の読み通り鈴木の居るサイドへは飛んでいない。



 それと同時に成海のパスを阻止しようと、コースに立つ山崎にもボールは来ておらず、どちらにも飛んでいなかった。




 弥一は軽く前にちょん、と蹴り出してボールと共に前へと進み山崎を躱すと共に、ハーフラインを超えて最神陣内へと入って行く。




 このまま弥一の個人技で単独突破、最神のDF陣をかき回しにかかる。



 場内の期待が大きくなった時。




「(こっからは通行止めや!)」



「!」



 弥一が蹴り出したボールに追いつく前に、彼の視界の右から迫る影が見えたと思えばボールは蹴り出され、タッチラインを割っていた。



 立ち塞がった弥一と同じリベロの想真。弥一が単独で大胆にドリブル突破を仕掛けたように、彼も前に飛び出して行く大胆な守備で単独突破を阻止。




 流れを食い止めて、笑みを浮かべる想真と弥一は目が合う。



「(一番やらしいのはこいつかぁ)」

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