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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第7章 夏の合宿は猫と共に

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幼き日の彼と彼女

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

「うわぁっ」


 小学校低学年で周囲と比べて小さい体が、畳の上をコロコロと転がって行く。



 神明寺弥一。小学校1年生で彼はサッカークラブの柳FCに所属するも、相手との競り合いで負けてばかり。それを克服しようと合気道の名門と言われる、神王流の道場の門を叩き入門する。


 だが実際は思うように行かず弥一は軽くいなされ、畳の上に大の字となって倒れていた。



 サッカーで上手く行かなくて、合気道を習得しようとしているがこれも上手く行かない。心で相手がどう来るか分かるが、対応出来る程の技量をこの時の弥一は持っていなくてなすすべが無かったのだ。



 このまま両方駄目だったらどうしよう、そう思ってしまうと弥一の心に暗い影が落ち始めてしまう。



 そんな彼に声をかけたのは、自分より少し背の高い短めな紫髪のボーイッシュな女の子だった。


「合気道は受けて返す物だよ、君は攻め過ぎてるからね」


 そう言うと女の子は弥一に手を差し伸べると引っ張り起こしてくれた。


「攻め過ぎ……?」


「うん、さっきから見てたけど前に前にって力任せに行ってる感じがしたの。だから相手にそれを上手く流されたんだよ」



 言われてみれば弥一は攻めに出ようと、前に突き進んで受けは全然取っていない。女の子は弥一が攻めに偏っている事を見抜いたのだ。


「合気道、僕と一緒にやって行こうよ!」


 弥一へと手を差し伸べて女の子は明るく笑った。それに弥一は手を取ると、同じように笑って2人はこの日から共に合気道の稽古を重ねる。



 最初は悪戦苦闘だった弥一。だが女の子は道場の中でも小学生にも関わらず、見事な体捌きを見せている。年上の相手とも組手で勝利する程の腕を持っていて、彼女との練習で弥一はどんどんと合気道が上達していく。



 そして道場で同い年ぐらいの友達が出来て、弥一にとっては勝也以来の親しい友人だ。




「いやー、輝咲に男の子の友達が出来たか!何時もは女の子の友達が多かったからなぁ、神明寺君。これからも娘と仲良くしてあげてくれよ!」


「うんうん、弥一君みたいな可愛い男の子なら輝咲を任せられそうね♪」


「おいおいおい、母さんそれは気が早過ぎるだろー」


 弥一は家にも招待されて晩御飯をご馳走になった日もあり、その時に両親と出会っている。


 女の子こと輝咲は同年代で身長が高く両親も身長が高い。輝咲の父親も母親も身長が180cm台はあった。


「もうー、お父さんもお母さんも恥ずかしいなぁ。弥一君気にしないでいいからね?」


「あ、うん……」


 恥ずかしそうにしつつも輝咲は弥一と共に、その日の晩御飯であるハヤシライスを美味しく食べたのだった。






 合気道が上手くなると同時にサッカーも日々上達して行くのが感じ、弥一の中でその手応えがある。


 前と比べて動けるようになってボールへの反応や対応も格段に上がった。そして何より声をよく出せるようになっていた。動画サイトで面白いグループを発見し、彼らの動画を見てトークを聞いたりしている内に自分もしゃべれるようになったようだ。



 そして弥一はその日が毎日続くと思い、4年生となって日常となっている合気道の道場へ顔を出す。此処に輝咲が居てくれて一緒に稽古をするのが楽しい。


 今日もそれが始まるかと思えば輝咲は道場にいない、今日は休みなのかと師範に弥一が尋ねると。



「ああ、輝咲さんなら昨日止めたよ?聞いてなかったのかい?お父さんの仕事の都合で引っ越さなければいけなくなってね。此処にも通えなくなるって」



 それは突然の別れだった。




 この日から神明寺弥一、笹川輝咲は出会わなくなり話さなくなったが、2人は数年後の未来で再び出会う事となる。

今回はなろうでしか見れない限定SSとなります。


宜しければ、下にあるブックマークや☆☆☆☆☆による応援をくれると更なるモチベになって嬉しいです。


サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。

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