ー【影】ー
(照斗の奴も、大変そうだったなぁ、、、。俺も、言った通り頑張らないと、、、、、。そういえば、あいつの顔、どこか寂しげだったような。、、、?)
「!、、、誰だ?」
この日、日常的な生活の幕を閉じることになった。
「こいつは、、、【影】!?」
(どうしてだ!?ここら一帯は【影】の出現する場所では無いはず、、、!!!)
「まさか、、、【侵食】か、、、?」
今、この地球は人の住む場所と【影】の住む場所がある。
人の住む場所は日に日に今もどこかで【影】に【侵食】されている。
【侵食】を食い止めることはできるが、逆に人が【影】の住む場所を侵食し確保することは極めて難しい。
【侵食】された場所にいる【影】の強さは異次元だ。能力の成長に限界を迎えた者、最高地点達が数日かけてなんとか少し土地を確保することができる。
「でも、俺の能力ではあいつらに太刀打ち出来ない、、、」
逃げながら観察していると人影があった。誰かが【影】に襲われていた。危ない!
(クソッ、考えてる暇はない!)
「こっちだ!【影】ども!」
(クソッ。なんで俺はこんな時に、、、自分が危険になるとわかっているのに、、、)
「でも、こうしてしまった限り、最低限でも抵抗はさせてもらう!」
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空真は空気を操る能力を十分に使えていなかった。いや、使える機会がなかった。
本来、空気を操るということは下手をすれば世界レベルで強くなることができる。
だが、それは空真に問題があった。
「空気を操るって下手したらすごく強いんじゃ?」
「ちょっと、大変申し上げ難いが、、、」
「はい?」
「超能力の適性がほとんどないんだよ君。」
超能力を全く操れなかったのである。
使っても扇風機の弱くらいの風を発生させる程度。
それでも空真は何回も必死に超能力を使い続けた。
だが、超能力が成長する気配は全くなかった。
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「"空波"!ッ全く効かないか、、、」
空真が今使った空波は、スポンジの玉をちょっと強く投げたくらいの威力しかなかった。
技とは呼べない。
「"追い風"ッ!」
空真の勇逸技と呼べる技。 追い風。
それは追い風を発生させ、素早さを上げる技である。
しかし、この状況では焼け石に水。逃げても獣型の【影】が迫ってきている。
「グッ、、、!!!」
横腹を噛まれた。
血が噛まれた場所から流れている。
一瞬目に浮かんだのは 死。
「ここ、、、まで、、か、、、」
その瞬間、獣型の【影】は消えた。
、、、、、
「おい!大丈夫か!」