みんな大好きな三点リーダーの話をしようか
まずは「三点リーダー」であって「三点リーダ」ではないことに気付いていただきたい。
最後のオンビキのあるなしだよなぁ。
「オンビキ(音引き)」わかるよね?
「ー」
音を伸ばす記号。
紛らわしいのにダッシュというのがあって「―」ゴチック系のフォントだと見分けにくいことこの上ない。
明朝体系なら一目瞭然なんだけど……おっと、話がそれた。
気を取り直して、実はJIS規格では最後のオンビキはつけないというルールがあるので、規格にのっとれば「三点リーダ」になるわけ。
他にもあるよ。
コンピュータとコンピューターとか。
最後にオンビキをわざわざ付けてるあたりで「規格なんて知るか」という不穏な匂いがしてこない?
そう、これからする話は三点リーダーにまつわる、極めていい加減な雑学なので、間違ってもためになるなんて思わないように。
まず、三点リーダーは輸入品です。
英語なら、ellipsis。
意味するところは、省略または無音。
ピリオドを3つ続けたもので、どこに空白を入れるか入れないかややこしい議論があるが、略。
知りたい人は調べてくださいね。
で、ココがわからないところなんだけど、どっちも「…」を1個で使ってる。2個じゃないんだよなぁ。
ちな、リーダーというのもあって、これは2つの要素の間をつなぐのに用いられる。
例えば、
ゴミの分別…………………………………36ページ
とかね。
これも、三点リーダーと呼ばれることがあるので覚えておこう。
ちな、ellipsisを重ねたものを英語でリーダーと呼ぶ例を私は知らない。
あったら教えて下さい。
で、日本語に輸入された段階で、「…」に大きな変化が起きる。
そう、日本語は縦書きなので、「…」は、慣れ親しんだベースラインを離れ、行の中央に並ぶようになったのです。
この変化は、日本語が横書きになっても新たなるルールとして残り「欧文ベースライン、和文センター」という、使い分けの原則ができました。
まぁ、これは、横書きが一般的になってきた現在、ほとんど問題にされません。どっちになるかは選ぶフォントに依存するそうです。
学生時代「欧文ベースライン、和文センター」を叩き込まれた自分には納得いかない現状ですが、仕方ありますまい。
ところで、うるさく言われる「三点リーダーは偶数使う」ですが、これ、どこから来たのか、わかりません。
えっと、笑い話のようになって申し訳ないのですが、昔、活字を拾っていた時代に「…」と「ミ」を区別しやすくするため、という説をご紹介しておきます。
縦書き、行の中央に3つ並ぶ点。
達筆の文豪。
「2つ連続してるな、おっしゃ、三点リーダーや」と判別した──利益が薄く、誤植刷り直しとなれば赤字、著者には連絡を取りづらい──そんな印刷工場勤務の経験から、とっても納得できる説なのです。
じゃぁ、3個でも4個でもいいじゃあないかと思われる方、ごもっともです。
ただ、まあ、2つ繋がっていれば十分なのじゃないですか?
おっと、忘れるところでした。
省略を表すellipsisは、横書き日本語の中で「…」のまま、ご健在です。
ツイッターにもしょっちゅう出てきますので気になる方は気にしてみてください。
あとよく三点リーダー代わりに使われる「・・・」これは、中黒とか点とか呼ばれる別の記号を3つ続けたものです。
もとの意味と使い方も覚えておいてあげましょう。
基本的に単語や語句を並列して並べるときの区切りに使います。
夏の風物詩は、スイカ・プール・怪談だよなぁ。
といった具合です。
も1つ、外人さんの名前を書くとき。
ジョン・スミス
──で良かったよなぁ。
もっと詳しく知りたい方はググってください。
おっと、忘れるところでした。ナカグロを中点と呼ぶと、数学用語になって線分を二等分する点を指し、別の警察が現れますので気をつけましょう。
私は、三点リーダー非偶数使いや「・・・」、「。。。」にはさほど嫌悪を感じません。
あくまで、一般的なルールであり、守ったほうが世間に受け入れられやすいもの、そんな認識です。
じゃあ、結局どうすれば良いの?
私なりの結論は「我流でもいいから、1つの作品中では統一されたルールで使いましょう」
これだけです。
既存のルールに囚われない、前衛的な作品にしてやるんだ!
その意気や良し!
ただ、使い方がデタラメでは、説得力が薄くなります。
そこのところだけヨロシク。
はい、おしまいです。
思い違いや補足があったら感想で教えて下さいね。
ただお豆腐メンタルなので御手柔らかにお願い申し上げます。