表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/44

合流、そして対面

「ちっ、どいつもこいつも…」


 ライドネは逃げ出した先で1人悪態をつく。

 アーウィンもシッドもさっさと逃げるとは情けない。リナともはぐれてしまった。

 男2人はどうでもいいが、リナは保護しなければ。

 そう思って探しているがどこにも見当たらない。

 もしや学園の外に出たのかとも考えたが、扉も窓も外へ繋がるものは何一つ開かない。

 完全に閉じ込められた。さらに先程の猫、間違いなく何かしらの魔法が作用している。


「舐めやがって」


 犯人がどこのどいつか知らないが、必ず見つけ出して殺してやる。

 怒りのままに壁を殴るがビクともしない。舌打ちをしながら廊下を進んだ先で、ライドネは見覚えのない扉を見つけた。

 本来なら行き止まりのはずのそこに、真っ黒な扉が出現している。

 間違いない、この魔法に関係している何かだ。

 扉へと足を進める。罠の可能性も考えたが、どっちにしろぶっ飛ばすだけだ。結果は変わらない。


「オラ出てこい腰抜け野郎! 今なら半殺しで済ませてやるよ!!」


 扉を蹴り開ける。

 しかし何も起こらない。中には4つの椅子と、同じく4つの人影が存在してるだけであった。


「お、お前ら……!!」


 内3人はよく知ってる顔だ。

 部屋に並べられた椅子に括り付けられアーウィンとシッドは猿轡を噛まされ、リナはうっとりとした顔で唯一見覚えのない男にしなだれかかっている。


「おや、遅かったですね。お待ちしておりましたよライドネ様」


 赤い髪の男がにこやかに話しかけてくる。

 細められた金の瞳に赤の髪。先程の猫はこいつの仕業かと拳を握り締める。


「さっきの猫もこの校舎もお前の仕業かぁ? 舐めたまねしてくれやがってよぉ!!」

「おや口が悪いですね。品性というものをご存知ですか?」

「そーそー、この方の言う通りよぉ」


 リナが甘えた声で男に賛同する。その目はもはやライドネを見ておらず、目の前の美しい男に夢中だ。


「おいリナ!! お前そいつにつくのか!?」

「だってぇ、この人強いし優しいし? 何より顔がめちゃくちゃタイプ! アンタも強いから媚び売ってたけどさ? しょーじきそのイキった態度キツかったしぃ?」

「ふざけんな…!!」


 リナに抱き着かれおやおやと笑う男に目の前が真っ赤になる。惚れた女に裏切られた怒りなのか、それともこの男に対する怒りなのか、もはやライドネ自身にも判断がつかない。

 ただハッキリしているのは、目の前の男は必ず殺すということ。


「ぶっ殺してやる…!!」

「やれやれ、血気盛んですねぇ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ