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良きライバル

更新遅くなってごめんなさい

「…負けました。完敗だわ」

「無理に立つな」

「大丈夫よ、私はそんなにヤワじゃないの」


 ジルヴァラの手をそっと跳ね除け、マリアはよろけながらなんとか立ち上がる。

 負けた、負けてしまった。

 油断も手抜きもしていなかった。ただ純粋な実力で負けた。

 顔を上げ、真っ直ぐに自分たちを負かしたチームを見る。まったく、本当に良いチームだ。


「次は私たちが勝つわ」

「あぁ、また戦おう」


 リーダー同士、マリアとジルヴァラが握手をする。とても良い顔をしているが、後ろに控えるマリアのチームメイトの顔は暗い。無理もない、1回戦で負けてしまったのだから。しかも落ちこぼれと名高いヴァイオテールに。


「わ、私達も負けないから!」


 だが、1人の少女がパッと顔を上げそう宣言する。


「次はもっと難しい魔術を編んでみせる」

「俺も俺も、魔眼なめんなよ〜?」


 少年たちもそれを見て、振り切れたように顔を上げ言葉を発する。


「むむ、そう簡単に負けてあげないよ!」

「そうだね、僕も負けられないかな」


 グランとシャリアルが顔を見合わせ、そして笑ってそう答える。それになにをと言い返すマリアのチームもすっかりいい笑顔だ。


「応援しているわ、私たちに勝ったのに直ぐに負けたら許さないんだから」

「肝に銘じておく」


 苦笑するジルヴァラに笑みを一つ零して、マリアたちは去っていった。


「……うん、頑張らないとね!」

「そうだな」

「1位に、ならないとね」


 そうポツリと零したグランをジルヴァラとシャリアルが驚いた顔で見る。

 そしてグランも今己が言ったことに驚き思わず口を押えた。


「…えっ、僕今…」

「うんうんそうだよね目指すは1位だよね!」

「珍しいな、グランがそんなこと言うの」

「違うまって忘れてそんなつもりじゃ…!」

「そうと決まれば祝勝会だー!!」


 慌てて撤回しようとするがシャリアルはパーッとリュツィの所へと走り去っていってしまった。

 縋るようにジルヴァラを見るが、彼はふっと静かに笑いそのまま猛スピードでシャリアルの後に続く。撤回などさせないつもりなのだ。

 なんて奴らだ、そんな大それたこと無理に決まってるじゃないか。


「……でも」


 ふと先程のことを思い出す。僕たちに負けて、それでも真っ直ぐにこちらを見るマリア達を。

 マリア達のあの顔

 気丈に笑ってはいたが、その奥に見えるのは悔しさと悲しみだった。

 それを思うと、無意識にさっきの言葉が出てきたのだ。彼女達の為にも負けてはいけないと、そう思ったのだ。


「グランー! はやくー!」

「リュツィが腕によりをかけてくれるそうだ、早くテントに戻ろう」

「…うん! 直ぐに行く!」


 そうだ、嘘じゃない

 撤回などしない。それは彼女達の為でもあり、そしてなにより大切な友達と頑張りたいから。

 少し先で手を振るシャルを、こっちを見ているジルを、笑って待っているリュツィを見る。

 目立つのは嫌だ。でも、きっとこの試験で頑張ったことによる目立ち方は良い目立ち方なのだろう。

 だから、自分に出来ることはなんでもやろう。

 そう決意し、グランは仲間たちの元へと走り出した。

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