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リュツィの見解

お久しぶりです、連載再開します

(魔眼の譲渡…そう長くは続かないでしょう)


 審判の教員の横で子供たちの試合を見ながら、リュツィは1人考える。

 先程からこちらをチラチラと見る教員はあの時自分を囲んだ1人だ、正体を知っているのだからこの反応も仕方がない。愛想良くにゃあと鳴いて、再び試合に意識を向ける。何やらビクッとしていたがどうしたのだろうか。

 グラン達には分からないだろうが、自分の瞳には壇上で起こっている事が鮮明に見えていた。

 つまり姿隠しで隠れているマリアチームも含めて、本当に全てをだ。


 彼らが使っている姿隠しの魔法は、正確には姿隠しの魔法では無い。消音の魔法、気配希薄の魔法、目眩しの魔法、屈折の魔法等々、一つ一つは簡単な魔法を上手く組み合わせて結果的に姿隠しの魔法としている。

 姿隠しの魔法は高度でその分高コストな魔法だ、それを発動し続けるよりはコストの低い低級魔法を使い続ける方が長続きはするだろう。だがそれはあくまで魔力の話、幾つもの魔法を発動し続ける精神を別に考えて、を前提としている。

 低級魔法を組み合わせる事の利点はもう1つある。それは魔法解析で使っている魔法がバレても、その全てを解除しないといけないと言うことだ。様々な魔法を使われているだけでその解除には酷く手数と集中力を裂かれることになる。


 上手いな、とリュツィは感心する。

 それらの利点を考えて、彼らはあえてこちらの方法を取っているのだろう。流石サポート特化と謳われるだけはある。そしてこれを可能にしている存在、レミー・レンジャー。

 調べた所によると彼は根っからの魔法オタク、自分が強くなる事よりも知識を蓄え様々な魔法で実験を試みる事が好きな研究者気質。

 やはり彼を最初に落とせなかったのは大きな痛手だ。更にここに来てハーウッド・スワッドの魔眼の存在。

 あの魔眼はそこまで強力な力を秘めている訳では無い。恐らくだが彼の魔眼はその目で見た者の弱点を見破るという、非常に限定的な力を宿している。

 だから光の魔法が弱点だとバレた。グランに関しては魔法が使えないことが最大の弱点だ、その分魔法を受けることに関しては無敵と言ってもいいほどなのが幸いか。

 手強い相手だ、現にグラン達は押されてしまっている。

 けれど


「……この試合マスター達の勝ち、ですね」


 強力なアタッカーであるマリアを、巧みな後衛が姿隠しでサポート。そして弱点を見破る魔眼。全てが組み合わさった不落の陣営。

 だがそれには大きな欠点が1つある。

 確かに彼らの連携は非常に優秀だ、学生のレベルとは思えない。きっと沢山鍛錬したのだろう。

 だからこそ


「乱されてしまえば簡単に瓦解する」


 勿論簡単ではない、修練の結果というのは即ち堅実な努力の結晶。

 けれどマスター達にはそれを崩す力がある。

 リュツィはニコリと笑う。優秀な子供たちを誇るように、そして楽しむように。

 マリア達は見誤った、彼女たちがグランたちに対して真剣に、最大のライバルとして警戒し全力を出しているのは事実だ。

 だが残念なことに、彼女たちには知識が足りなかった。"混血"というものがどのような種族なのかを理解していなかった。


「はぁっ!?」


 マリアの焦った声が聞こえる。それはそうだろう、そしてマリアチームの他のメンバーの動揺した姿もこの目には見える。

 当たり前だ、だって


「なんで平気なのよ!!」


 床に敷き詰められたトラップを平気で踏み抜いて戦うなんて、"普通"なら考えられなかったことだから。

 爆発や閃光、幻惑のトラップが発動する中、彼らは進んでいた。トラップの多い方多い方へ、即ち

 隠したいものがあるであろう所へ、方や無傷で、方や血塗れになりながら。

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