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仮面の男

 数分後、僕達は4人で机を囲み座っていた。彼の連れてきたチームメイトはアクタイオンの後ろに、リュツィは僕の後ろに立っている。

 アクタイオンはリュツィの姿を見てギョッとしていたが、彼に進められるがままに椅子に座り、更にいつの間にか用意されたティーカップにお茶を注がれている。流石リュツィ、世話焼きの熟練度が違う。


「いきなり不躾ですまなかった、ただこちらも緊急の用事だったんだ」


 入れられた紅茶を飲みながら彼が話を切り出す。

 その顔にこちらに対する敵対心はなく、一先ず話を聞くことにする。


「この仮面に見覚えは?」

「それは…!!」


 すっと何かが机の上に置かれる。

 見てみれば、それは破壊されているものの見覚えのある仮面であった。ついこの間に戦った、謎の集団がつけていたもの。


「何処でこれを拾った?」

「……ルーチェル、こちらに来い」

「えっ」


 アクタイオンが後ろの集団に声をかけられる。そして現れたのは、これまた見覚えのある少女だった。

 金髪縦ロールのハーフツインに紫の瞳、品のある所作をする彼女はつい先日一戦交えた…確かルーチェル・ディアメント……だったっけ?


「お久しぶりですねグラン様」

「なんで君が…」

「彼女は俺のチームメイトだ。先日は君にしてやられてしまったそうだな!」


 ハッハッハと豪快に笑うアクタイオンに対しグランは苦笑いである。

 ルーチェルもホホホと笑っているがなんだそのノリは。アスレピーカ怖い。


「私、この仮面をつけた男に襲われましたの」

「まぁ直ぐに返り討ち、即どこかへと去っていったらしいがな。この仮面はその時に落としていったらしい」

「いつ襲われたのー?」

「第一試験でグラン様に吹っ飛ばされた後ですわ」

「グランそんなことしてたの!?」


 驚いた顔でジルとシャルがこちらを見る。やめて見ないで、よくやったって顔しないで。褒めないでやめて。


「その時に『違う…』って呟いていましたの、なにが違うのかと思っていたのだけれど第二試験が終わってテントに戻りましたら、この仮面から魔法陣が展開されていて」

「直ぐに俺が壊して事なきを得たのだが……解析したところ、辺りの魔力を吸い取り何処かへと飛ばす魔法陣が仕掛けられていたのが分かった。これがただの吸収魔法なら問題は無い、魔道具にはよくある機能だ。だがそれが辺りの魔力を吸い尽くす程見境のないもの、更にそれを何処かに飛ばすというのは普通ではない」

「それで調べていたところ、貴方達も謎の集団に襲われたとお聞きしまして……もしやあの男の狙いはグラン様だったのではと」

「そうでなくても、君たちからも話が聞きたい。一体彼らは何者なんだ?」


 その言葉に僕達は顔を合わせる。彼らは撃退したと思っていたが、また何かを仕掛けてきていたとは。

 いや、それよりも。

 ルーチェル達の言っていることは正解だ。彼らの狙いは僕、そしてジルとシャル。なのに関係の無い彼らを巻き込んでしまった。ただでさえ迷惑をかけたのに不誠実な事はしたくない。

 彼らも頷く、考えていることは同じだ。


「分かった、全てを話そう」


 ジルが覚悟を決めた顔でそう口を開いた。

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