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先手必勝

「なるほど、そんな奴らが俺たちを探していたなんてな」

「まだこっちには来てなかったんだね。2人とも無事で良かったよ」

「ねぇねぇリュツィって実は結構上位悪魔な感じ? 位は? もしかして"公"以上?」

「ふふっ、秘密です」

「……僕の話聞いてた?」


 真剣に相槌を打つジルの後ろで、シャルはキャッキャとリュツィの姿にはしゃいでいる。真面目な話をしてるのに……


「聞いてたよー、でも姿とか見えなかったんだよね? 声は? 何歳ぐらいとか」

「人数は5人、男が中心でしたがリーダー格は恐らく女。実力は大したことありませんが学生にとっては少し手強いかも知れませんね」

「気配とかは追えないのか?」

「どうやら特殊な神具を持っているようで……時間さえ頂ければ可能かと」


 グラン達は地面に掘られた穴の中に入り情報共有をしていた。入口はリュツィの魔法で隠し、念の為トラップも仕掛けてある。ここに入ればある程度は安全だ。


「奴らの正体がはっきりしていない以上、下手に関わるのも良くないだろう。お題は確保出来たんだ、ここはさっさとクロック蝶を提出して離脱するのが最善だと俺は思う」

「うーん、でもここでボクたちが逃げちゃったら今度はもっと危ない手を使ってくるかもよ?今の内に叩いておいた方がいいんじゃない?」

「それこそなりふり構わなくなるかも……でも情報を吐かせるなら今、かなぁ…?」

「攻めるのも逃げるのも一つの手です。私は皆様に従いますよ」


 4人の間に沈黙が広がる。何が最善なのか、どれを選べば良いのか、全く分からない。

 先生達に協力を求める? だが提出場までに奴らに見つからない保証は? 迎撃する? リュツィが入れば大丈夫かもしれないが、それで後々報復されたら? こちらから攻める? 奴らは恐らくプロだ、そう易々と情報を吐くか?

 堂々巡りとはこの事だ。相手の情報がない分、全てに警戒してしまう。


「……!」


 ふとリュツィが穴の入口を見る。それにつられてグラン達もそちらを見るが、特に異常は無いように見える。

 リュツィが手のひらに水で出来た鏡を創り出す。覗き込めば、それは外の様子を映しているようだった。


「ここにいるのは確実だ」

「ご丁寧にトラップ魔法まではってありますよ〜。ハハッ、これじゃ自分たちがここにいるって言ってるようなもんじゃん」

「上手く誤魔化してはいるが、僅かに精霊とダンピールの魔力が残っている。探せ」


 水鏡を通して声が聞こえる。それは先程聞いた声と同じものだった。

 しかも彼らがいるのはすぐ側ではないか、慌てて外を見るが彼らの姿は見えない。姿隠しの魔法を使っているのか。


「人数は2人、どうしますか? 迎撃か、それともここに隠れているか」


 リュツィがグラン達に問う。


「……捕まえよう」


 そう言い出したのはグランであった。


「悩んでいても仕方ない。人数も少ないし、何より今は夜だ」


 グランはジルとシャルを見る。


「奴らは夜のジルには勝てないって言ってた。そしてシャルも夜の方が手強いって。それはつまり昼になれば2人に勝てる見込みがあるってことだ」

「力で勝っている間に先手を取る、か」

「ボクはそれでいーよ! そっちのが楽しいしね!」

「俺も構わない。元より隠れるより戦う方が性に合ってる」

「では決まりましたね」


 リュツィがニコリと笑って水鏡を消す。そして


「ならば私も少しばかりお手伝いしましょう」


 リュツィが指を鳴らす。それに呼応するように、外で爆発音が響いた。


「トラップは見つけられても、それの効果は分かっていなかったようですね」


 リュツィが仕掛けたのは氷結を含む爆発のトラップ魔法。この魔法は殺傷力こそないものの、周囲を凍てつかせ動きを封じることに特化している。

 どうやら奴らも引っかかったようだ。外から僅かに慌てる声が聞こえる。

 やるなら今だ


「さぁ、行こう!」

「「了解!」」

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