古の悪魔と巨人の子
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「図体だけの木偶め!」
「魔法も使えない落ちこぼれの癖になんでここにいるの?」
「悔しかったらやり返してみろよ!」
「え? 殴るの? きゃあ怖い! 私を殺すつもりなのね!」
「お前の馬鹿力で殴ったらオレら死んじゃうなぁ? これだから野蛮人は!」
「バカが」
「醜い」
「死んじゃえ」
「消えろ」
頭上から降ってくる声にじっと耐える。
膝を抱えて、体を丸めて、そうすればこの嵐はどこかに行くから。
頭を踏まれる。水をかけられる。あぁこの服洗うの大変なのになぁなんて、そんな事を考えて思考を紛らわせる。
どうせ誰も助けてくれない、そんなこと分かっている。
だから
「初めまして、古き血を引く少年。──私を召喚したのは貴方ですか?」
復讐の為じゃない。ただ自分のために
召喚陣の前で尻餅をついた僕に、その美しい『悪魔』は手を差し伸べる。
「貴方の望むことをなんでも叶えましょう。お金でも名声でも、そう世界征服だって」
「そんなもの要らない。……本当に、なんでも叶えてくれるの?」
「えぇ勿論。悪魔は約束を守るものですから」
「じゃあ──」
「僕を殺して」