スライムに乗れたっ!
とりあえず見える木の方に向かって歩き出した。
すると、後ろから変な音がする。
"ズルッズルズルッ"
「ん?なんの音だ?」
振り返っても何も変化がない、見渡す限りの草原とスライムソファー
「気のせいか…」とまた歩き出す。鎧は結構歩く時にやかましい。
"ガッシャガッシャ" "ズルッズルズルッ"
やっぱり気のせいじゃないと振り向くも何も変化がない。草原とスライムソファー
「いや!距離が変わらないのがおかしいんだ!このスライム…動いてる…?」
試しに後ろ向きに歩いてみる。
"ガッシャガッシャ" "ズルッズルズルッ"
「やっぱり動いてるっ!生物なのか?」
だが、こちらが動かないと何も動かない。こっちが歩くと付いてくる。それ以外に反応はない。
「なんだこれ…?付いてくるだけ?」
試しに切ってみても剣の動きのままに形が変わって元に戻る。全く効果は無い様だった。
「ふむ…どうせ動くなら乗れたら良いのにな…あのゲームみたいに」
ここに来る直前にガチャをしたゲームを思い出す。あのキャラはかなり乗るのに苦戦してた様だったが…と考えると…
"ふにょんっ"
「おおっ…形が変わった!」
なんか乗りやすそうに凹みができて手で捕まるっぽい突起もできてきてる。明らかに人が乗れる様な形にスライムは変わっていた。
「考えたら形が変わったって事は…もしかして」
"上に伸びろー"と念じると伸びた。トゲトゲの形を想像するとトゲトゲに、綺麗な四角、三角、あまり複雑な形はできなかったが、割と自在に動いてくれた。
「ぐえっ!」
試しに体当たりさせてみたが結構吹っ飛んだ。痛みは全く無かったが、衝撃っぽいものは感じることが出来た。
「痛覚はないっぽいのかな…なのに衝撃は感じるって変な感じだ…」
とりあえずこのスライムはなんかイメージするだけで動いてくれるっぽい。ちなみに、トゲは作れても硬さはスライムだった。
「お前はなんなのかねー?まあ良いや、さっきから分からんことばっかだし」
せっかくだし乗ってみようと念じる。さっきと同じく、凹みと突起が出来た。
「よっこらせっと。おおっ結構快適…よーしっ進めっ!」
"ズルッズルズルッ"と進み出す。
「おおーっ…進んだ…人の歩きくらいのスピードか?楽でいーじゃん、この身体疲れるのか分からんけど…もっとスピード出せるかな?」
速く走る様に念じてみる…すると、少し弾みながら走り出した。
「おっ…ちょーっと難しいけど、慣れたらいけそう…おっとっとっ」
バランスを取るのは少し難しいが自転車くらいのスピードで走れる、小回りも結構効く。これ以上スピードを上げると流石に落ちてしまいそうだ。
「結構スライムってすごいのな…めっちゃ便利、よーしっこのまま、あの木の下まで一直線だ!」
"ばるんっ、ばるんっ"
っと弾みながら無限に続く草原でスライムライドを楽しむのであった。
連続投稿っ!ちなみにここはまだ異世界では有りません。
次回でやっと喋るキャラ登場
やっとお話が動き出します。