表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/26

第18条 一応助けたつもりですか?

 家全体が震えるような声に、私や男達は首をすくめて硬直した。

 腰を抜かしたのか、転んで立てなくなった者までいる。


 私は男達と顔を見合わせる。

 ここにいる全員にとっての脅威を感じ、連帯感のような奇妙な空気が生まれた。


 男達は恐る恐る振り返り、それに合わせて私は座ったまま、彼らの間から家の入り口を見ようとする。


 ナシメだ。

 

 全身の筋肉を隆起させ、わななかせ、仁王のような顔をして仁王立ちしている。これはもう、仁王そのものなんじゃないだろうか。

 これほど全身で怒りを表現させる人は初めて見た。

 ただでさえ、他の村人より頭一つ分は身長が高いのに、今はさらに大きく見える。


 さっきのは彼の怒鳴り声だったらしい。

 声が大きすぎてなんて言ったのかはわからないけど。


「お前達、なにをしている?」


 ナシメは男達を睥睨して威圧する。


 どうやら彼の怒りはヤツらに向けられているようだ。


「ナカトミ様の件は俺に任せろと言っただろう」


「でもよぉ、ナシメ」

「よそ者はなにをするかわからんぞ」

「今朝も村をうろついてなにか物色していたそうだ」


「ただのよそ者じゃない、フレイア様の使いなんだから心配いらん」


「本当に神の使いなのか?」

「お前の勘違いじゃないのか」

「こいつは役に立たんぞ」


「どうせお前たちは女に平伏させられたのが悔しいだけだろう?」


 ナシメの言葉に言い返し続けていた男達は、今のたった一言で黙ってしまった。


「我らの神も女神だろうが! いつまでそんな下らんことにこだわってるんだ」


 男達はバツが悪そうにうなだれる。


「それに、ナカトミ様は早朝から神社に行かれ、フレイア様と村の復興計画について話し合っておられた」

 

 え?


「じゃあ、今朝村をうろついていたのも視察のためか?」


「そうだ、ナカトミ様は必ず村の現状を変えて下さる。それまで大人しくしていろ」


 なにか、ナシメが勝手なことを言い出した。


「え? ちょっと、私は……」「ほら! お前ら、とっとと出ていけ!」


 言い終わらないうちに、彼は男達を外に追い出してしまった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ