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第17条 男尊女卑は異世界共通ですか?

 物々しい気配が段々強くなってきた。


 外の異様な雰囲気に気づいたのだろう、イヨも戻って来て私の右腕にしがみつく。

 これは、ただ事ではない。

 

 戸が乱暴に引き開けられ、男たちが家の中に押し寄せてきた。

 昨日、ナシメの後ろにいた男達のようだ。


 瞬く間に私とイヨは男達に取り囲まれてしまった。

 床に座る私達に対して男達は立ったままで見下ろしてくる。

 目つきは険呑で、相変わらず汚い着物姿だ。


「てめえ!」


 男の中の一人が怒声をあげて威嚇してきた。


「謝らせろ!」

「つまみ出せ!」

「村から追放しろ!」


 それにつられたように、他の男達も口々に怒鳴りつけてくる。


 イヨは私の腕に絡みついたまま、顔面蒼白で固まってしまった。


「なんですか急に!」


 昨日とは様子があまりにも違う。

 今にも殺されそうな勢いだが、少しでも対抗しようと男達を睨み返した。


「昨日とずいぶん態度が違うじゃないですか!」


「お前が神の使いだと思ったから俺たちは頭を下げたんだ」

「そうでなきゃ、女なんかに頭を下げるか」

「よくも俺たちをだましたな」

「どうせなにか企んでるんだろう」

「なにかしでかす前に追い出しちまえ」


 また男達が口々にわめく。

 どうやら私が村の役に立たないとわかるや、頭を下げさせられた悔しさが込み上げてきたのだろう。

 それにしても、なんて男尊女卑な言い分だ。


 こんな奴らに絶対謝ってやるもんか、という気持ちが沸き上がってくる。


「そんなのあなた達が勝手にやったんじゃないか! 私は無理やり連れて来られたんだから、私だって被害者だ!」


 負けじと言い返したつもりだったが、男達は全く動じた様子が無い。


「おい、そういえばイヨはどうした」

「どこにもいないな」

「まさか、イヨになにかしたんじゃないだろうな」

「イヨの仇を討て!」


 なにを言ってるんだこいつらは。

 イヨは私の腕に絡みついたまま、顔面蒼白で固まっている。


「イヨちゃんならここにいるけど?」


 指をさす私の言葉に、男達は右腕のあたりを凝視する。


「あ、いた」

「なんだ、また見えなかっただけかよ」

「ほんとにイヨは影が薄いな」

「イヨそいつから離れろ」

「貴様、イヨを人質に取る気か」


 イヨは相変わらず私の傍で石化している。

 どうやら村人達も、彼女のステルス機能を影が薄いだけで片づけるらしい。


 しかし、今はそれどころではない、私はとうとう少女を人質に取る凶悪犯にされつつあるのだ。

 どうやってこの場を乗り切ればいいのか。

 考えてもいい案など浮かんでこなかった。


 私が次の行動を模索しているその時、落雷かと思うような大音声(だいおんじょう)が室内に響いた。

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