第14条 つくす女の子は好きですか?
私とイヨは村への道を引き返していた。
これからのことを考えて頭を抱える私を支えるように、イヨが横を歩いてくれている。
結局、神社まで行ってもたいした成果は得られなかった。
わかったのは女神の名前はフレイアという、どうでもいい情報だけ。
やはり最初にナシメが言っていたように、私がこの村で生きていくためには神と人との仲介者として、村や神社のために働かなければならないようだ。
まあ、見知らぬ世界に一人で放り出されるよりはましと考えるべきだろうか。
生きる場所を与えられたのは神の慈悲と思えなくもない。
「あのぉ、ナカトミ様」
イヨが気づかわしげなまなざしでこちらを見上げている。
「とにかく、私の家に帰りましょう」
あの家はイヨの家だったのか、家主に思いっきり世話をさせてしまった。
「朝ごはん作りますから、お腹がいっぱいになったらきっと元気出ますよ」
そういえば朝食も食べずに出て来たんだった。
朝から私に連れまわされたうえ、朝ごはんも食べられていないのに、イヨは文句も言わず私のことを気遣ってくれている。
なんだか散々あせりまくったあげく、勝手に落ち込んでいる自分が急に恥ずかしくなってきた。
「ごめんねイヨちゃん、朝っぱらから連れまわしたあげく、無駄になっちゃって」
「そんな! 私はナカトミ様のお世話を任されているので、何も気になさらないで下さい」
本当に健気な子だ。
年下の彼女に散々気を使わせていることに自己嫌悪を覚えながら、手を引かれるように彼女の家に帰って来た。




