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第12条 神様っていると思いますか?

 森の中は外より暖かかった。木が風を遮っているからだろうか。

 生き物の気配は無く、静かというより無音と言った方が良い雰囲気だ。

 

 昨日は余裕が無くて気がつかなかったが、今まで感じたことが無いほどの神聖な空気に包まれている。

 毎日神社で働いていたのに、こんな感覚は初めてだ。


「あそこにも神様は居たはずなんだけどな」


 祀る人間の違いだろうか。

 ここには間違いなく神がいる。そんな確信が湧いてくる。


 森を進むと、神社は昨日と変わらずそこにあった。

 正面の扉を少し開けて中を窺うが、暗くてなにも見えない。

 

 少しでも外の光を取り込もうと、両開きの扉を全開にした。

 

 御殿の左の方には資料室にあった、棚や本がそのままの形で置かれている。

 どうやら資料室にあった物も私と一緒に移されたらしい。


 奥の扉まで行き、開けようとするが鍵がかかっていて開きそうにない。

 

「ねえ、イヨちゃん鍵はどこに……」


 言いかけて、また彼女がいないことに気がつく。

 また見えていないだけかと思ったが、イヨはまだ入り口の扉の外にいた。


「入っておいでよ」


「女は御殿の中に入っちゃいけないんです」


「私、女だけど」


「ナカトミ様は大丈夫だと思います、だってナカトミ様ですから」


 またナカトミ様か。

 

 まあ、無理強いしても仕方がない。

 中にも入れてもらえないなら鍵のことも知らないだろう。

 鍵が開かないのなら向こうから出てきてもらえばいいんだ。とりあえず大声で呼んでみることにした。


「神様! いますか? 出てきてください!!」


 精いっぱいの大声で呼びかけたが、自分の声が殿内にむなしく響いただけで反応が無い。


 居ないのか出てこないのかわからないが、呼んでも無駄のようなので、ひとまずイヨの所に戻ろうと振り返ると、彼女は扉の外でひれ伏し、これでもかと平べったくなっていた。


「ちょっと、イヨちゃん大丈夫?」


 体調でも悪くなったのかと思い、駆け寄ろうとしたがすぐ足を止めた。

 頭の上にある気配に気づいたからだ。


「ああ、そっちから出てくるんですね」

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