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第7話(1章4話)「家出」

どちらかというと暗い意味の言葉ばかりをサブタイトルに使ってる……ヤバイわー

 時は、火焚(ひたき) 守流(まもる)が旅を開始しようとしていた時から約3ヶ月前。

 赤髪ツインテールで眠たそうな顔をしている少女、スピサ・ガヴラスが今いるのは、トロキア公国のガヴラス男爵邸の壁の中。スピサは、壁と同化する魔法を使える事が出来るのだが、親族はそれを知らない。

 そんなスピサは、父親と兄の話しを盗み聞きしていた。

「父上、やっぱりスピサを売っちゃいましょうよ。ありゃ如何見ても、奴隷として高く売れるだろ?」

「ならん! 今や、あの娘は、優秀なスパイなんだ。売るとするなら、利用価値が無くなってからだ。いいな?」

「いや、でもよお、まだ12歳なのにあの体型はやべえって!」

「だからこそだ。だからこそ、利用出来る限り利用して、いらなくなったら売ればいい。何せ、スピサはまだ、12歳だ」

 それを聞いたスピサは、家族にバレない様に、ガヴラス男爵邸から家出するのであった。

「そう言えば父上、スピサは何処にいる訳?」

「知らん、恐らくは任務中なのではないか?」

 それからしばらくの間、彼らはスピサが任務中に死んだものと思っていたのだが、それはまた別の話しである。


『そろそろ、この生活にも飽きたなあ……』

 スピサは、家出をしてから約3ヶ月間、貴族や奴隷商人などから、たった1人で、食料や貴重品を盗み出しながら、毎日野宿で生活していた。

 最も、スピサの胸があまりにも育ち過ぎてる所為で、街中を歩いて買い物なんてしていたら、非常に目立ってしまうので、貴重品を盗む意味など無いのだが……

 では何故、スピサが貴重品も盗んでいるのかというと、彼女には、亜空間に無機物を保管出来る魔法が使えるのである。この魔法は、食料も保管出来るので、スピサは非常に重宝しており、貴重品も盗んでいるのは、将来的に使えるかもしれないからである。

『そうだなあ……如何せなら、面白そうな仲間が欲しいなあ……でも、奴隷じゃない女の子がいる一団なんて、無いだろうなあ……』と独り言を言っていると、急にヤバイ気配を感じたのである。

 不思議に思って、辺りを見回してみると、黒髪ロングヘアーの女性を左肩に担いでいる紫色の髪の少年を見つけた。

 すると、周りを囲んでいた奴隷商人達が苦しそうに跪いているではないか。

『これは……重力魔法じゃないか。難易度S級の上級魔法をこの目で見る事になろうとはねえ……重力魔法を使えるって事は、もしかしてあの少年、結構ヤバイ?』と意味深な言葉を口にしたスピサは、しばらく観察する事にしたのであった……

この話しで、なんとなく察した方もいるのでは?

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