第4話(1章1話)「金欠」
1章始まりました!
楽しんで頂けると幸いです!
尚、1章の題名の命名につきましては、少々時間がかかるかも?
火焚 守流は、火野宮 灯に助けらてから2年間、魔法の自主練習に取り組んでいた。
守流の魔力はあまりにも高く、コントロールするのが困難であった為、時間を要したのだ。
魔法に慣れるまでの間、ひたすら海面に魔法を撃ち続け、時には海を割り、また、時には津波を誘発し、そして、試しに空に打ち上げてみたら、大雨が降り大洪水に見舞われたりと散々だったが、漸く、高過ぎる魔力をコントロールする事に慣れてきたので、そろそろ冒険を開始しようとしていた。
だが、問題があった。
守流は、所持金を一切持っていないのだ。
「お金、如何しよう」と言うや否や、後ろから足音が聞こえてきた。
「ん?」
守流は、不思議そうな顔のまま、後ろを振り返ると、そこにはいかにも貴族っぽい服装の灯がいた。
『2年ぶりね。如何かした? 何か困った事でもあったの?』
「え? あっ、はい。実はお金が無くて……如何やったら稼げるんですか?」
灯は、怪しげに笑みを浮かべると、何かに気付いた様に表情を変え、上機嫌気味に言った。
『一番手っ取り早いのは、傭兵ね! 私のオススメは、アースディア帝国! この国は今、救世主を欲しているわ!』
その言葉に、守流は動揺しながらも、疑問を問いかけた。
「へ? ちょっと灯さん? 何か企んでません?」
灯は、完全に守流の言葉を無視し、1枚の写真を見せびらかして、問いかけた。
『この写真に写ってる女の子、守流君は、可愛いと思うかしら?』
写真に写っている女の子は、守流の好みだったのか、顔がもの凄く赤らんでいる。
「可愛い……って、無視しないでくださいよ! もしかして、本当に何か、企んでるんですか?」
灯は、怪しげに微笑むと、守流の問いかけを完全に無視して、話しを進めた。
『あらあ? 照れてるの? んじゃ、決まりね。私が今から、アースディア帝国に連れてってあげるわ』
その言葉に、守流は慌てて反論した。
「ちょっと! 勝手に決められたら、困りますってば!」
『あら? まだ、守流君は、命の恩人の頼み事を聞いてないじゃない? だったら今、その借りを返して頂戴』
「確かにまだ、何もしてないですけど、それとこれとは……って、何してるんですか!?」
守流の足元には、守流を中心に白く輝く丸い円状の魔法が展開されていた。
如何いう事なのかを確認しようと灯の顔を見ると、灯は、笑顔で微笑んで言った。
『また、逢いましょ』
その後、守流の体が光ったかと思うと、守流は一瞬にして、その場から跡形も無く消え去ってしまった。魔法の痕跡も一切残さずに。
守流が消え去ったのを確認した灯は、怪しげに微笑んで言った。
『さーて、リーダーとしての素質があるか如何か、試させてもらうわよ。守流君』
今日から4日間、仕事の都合により、投稿が遅れる可能性があります。
御了承くださいm(_ _)m