魔導?博士?
とりあえず書きました、面白い小説ってどうやって書くんだと疑問に思いながら書きました。良ければ読んでください。
「ウワハハハハーー。見よ、私は空を飛んでるぞーーーー!!」
風の紋章と火の魔導の熱利用の応用、雷の魔導の反発力!私はついに家族試練最後の難関、単独飛行魔導をマスターした。これで後は規定のルートを飛行魔導で半日以内に回れば晴れて魔導博士号取得だ。4男房として半人前から晴れて1人前に成長し独り立ちの許可が降りる!カモン、一人暮らし!!!!
「飛行魔導は風、雷、火、水、土の魔導の集大成となる魔導、この飛行魔導を覚えればたとえワイバーンの群れの中、シルバーフィッシュの群れの中、ケルベロスとの追いかけられ試練であろうと敵でなし!今私は無敵の魔導士となった!!ハァーーッハハハハハハハハ!」
これだ、この万能感。幼い頃祖母に脇に抱えられ飛んでもらった過去、天空をワイバーンよりも早く、高く飛び、稲妻雲の中の
雷も、高高度の天空の凍るような寒さも、ラルート高度より高い場所の低酸素空域も、魔導流体球に守られ傷一つつかない祖母と私、あの恐ろしくもどこまでも行ける高揚感、移動制限も難所もモノともしない機動力と高速飛行、あれを経験してからはや14年たった。
魔導士として生きると祖母に誓い今日まで姉、兄、妹達に遅れに遅れたが、やっと今日飛行魔導を会得した。この私、ロプスル家4男フィフィウスが、今日やっと、最終試練を合格しようとしてるんだ。
「ここからだ、私も姉貴達や妹達にいびられる日々から脱却して20賢人に選ばれる一流の魔導士になるんだ。そう、もう妹達の毎日お昼ご飯作る係にも、毎朝の姉貴達の汚部屋の掃除係にも、2日に1回のトイレ場、お風呂場、実家の床掃除係から解放されて、魔導士として成長するためだけに頑張れる日々が始まるんだ。私の輝かしい人生は今日!これからーーーー」
「バカ兄貴止まれーーーーー」
「お兄ちやーーーーん待ってーーーー」
「兄さん引き返してーーーー」
「兄者ーーストーーップーー」
ん、あれは私を特にこき使い、今月の魔導監督係をしてる妹ーズじゃないか。おかしいな、監督係は遠距離投影魔導で観察するのが飛行魔導のテスト内容だったのに。
まあ問題はないか。今の所飛行魔導に問題無し、予定通りの飛行ルートを通っているから夕飯前にはゴール地点にたどり着く。
妹ーズを待つために止まるよりもこのまま飛び続けていいか。
「さあ、待っていろ今日からの私の自由な魔導研究の日々よ!私は天下に知れ渡る魔導士になるのだ。そうあのフィルナー祖母のように!」
こうして私は妹ーズの呼びかけを無視して第2チェックポイントの稲妻雲目指して空を飛び続けたーーーーーーー
「ハァーーーーー、このバカ兄貴どうする?」
「お腹空いてきたねー」
「どうするもこうするもフィルナーお祖母さんの施した治癒魔導と幻覚魔導の効果が切れるまで見張ってなきゃいけないわよ」
「これも監督係のお仕事ってワケね、そして今日失敗した兄さんの成長を手助け出来なかった私達への注意勧告でもあるのよねぇ」
「兄者は今日もダメダメ失敗マンでした。マルっと」
フィルナーお祖母さんの自宅であり試練挑戦者の一家の者が住む家の3階の救急室、そのベッドで白目を向いて口元をヒクつかせて身体を痙攣させてる兄、フィフィウスを横目に見ながら、3年前に14歳で試練を突破した三式技能魔導士、19女ユピノノ、20女レミー、21女サーム、22女マーハ。
今日の最終試練、飛行魔導を展開させたフィフィウスはいきなり最大加速した上にコントロールを失い高高度へ急上昇、急旋回に急降下を行いレッドアウトとブラックアウト寸前を何回も行き来して飛行開始わずか二十秒で意識を失い、天空で飛行魔導が霧散、その2秒後に妹達に救助され、祖母の治癒魔導とトラウマ回避のための幻覚魔導を施され、実家の救急室に寝かされたというわけだ。
「このバカ兄貴これで8連続の失敗よ、また1ヶ月基礎体力増強トレーニングさせないと試練事態受けさせれないわよ」
19女ユピノノがプンスカ怒りながら言うと、
「お兄ちゃんやる気はあるんだけど色々抜けてるから、しっかり教えて飛行魔導で失神しないように成長させるのがまず第一だよね」
20女レミーが兄のフォローを入れつつ今後のトレーニングについてユピノノに話しかけ、
「そのことでお祖母さんが特別メニュー組んだわ。兄さん要領悪いから3ヶ月は基礎魔導の鍛え直しの後ジュームナ平原で2週間の大地魔導の強化合宿だって」
21女サームが祖母から聞いた今後のトレーニング内容を3人の姉妹に伝え、
「えーそれあたし達も週4で兄者の鍛練の現場監督ローテーションするってことじゃん、4ヶ月後は魔導院の研究会に魔導士交流会に浮遊大地の調査にテリレ沼地帯の一斉薬草採集とかやること山程あるじゃん。どうする?」
面倒くさいのヤダーな雰囲気丸出しの22女マーハが代案を他の姉妹に振り、それにサームが
「特別メニューは2ヶ月に短縮して過密スケジュールにして3ヶ月後に合宿を受けさせましょう。兄さんも20歳になる前には合格したいでしょうし」
というと
「お兄ちゃん体持つかな?」
若干悩むようにレミーが言うと
「持たせるわ、魔法薬とスノモ薬草を煎じた薬水をたくさん飲ませてね」
サームがどこか怖い薄ら笑みを浮かべて
「あースノモ薬草の薬は不味さはアロエジュースより苦くいもんなー。けど兄貴の鍛練も生温いと本人のためにならないからこれからはスパルタに鍛えるのが本人の為かなー。後兄貴の監督係もそろそろ5ヶ月、お守り飽きてきたしなー、ちょうどいいか」
マイペースにマーハが身もふたもないことを言い
「じゃあこれからは二度と兄貴が失神しないように壊れる寸前まで鍛えるってことで決定ね。みんな厳しく監督するわよ」
ユピノノが鬼のような発言をする。
「ーーうん、これもお兄ちゃんの成長のためだから、甘やかさないようにするよ」
レミーが兄を気づかいながらもユピノノを肯定するように頷き
「いい加減不器用なフィフィウス兄さんにはお祖母さんの手を煩わせることのないよう、自分で自分のことを制御できるように成長させましょう。」
サームが冷徹な瞳でダメ人間を観察するような目をしながら喋り
「成長しないと博士号が取れないし、将来魔導士の道断たれたら魔導士だけが生きがいな兄者は落ち込む程度じゃ済まないから不器用な兄者は鍛え上げないとね」
マーハがマイペースに何気に酷い事を言った。
そして自分の悪口と泣き叫ぶような鍛練が決定されたことなど、
幻覚の中空を飛んでると勘違いしてる4男房フィフィウスは、現実では痙攣しながら寝続けていた。
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お読み頂きありがとうございます。
ワサビが続きイマイチ書けないので、別の短編書きました。
お暇な時にお読みください。
読んでくださってありがとうございます。