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7、昼寝
授業中、俺は軽く寝たらしい。
周りを見回すと、あの夢の世界だった。
前回来た時と違い、周りがはっきりと分かるようになっている。
俺がいるのは、どうやら寝室のようだ。
キングサイズとでもいうのだろうか、すぐよこでマハラが優しい寝息を立てている。
それでも、十分なスペースがある。
「おや、起きたかい」
ギィィと軋みを立てて、寝室のドアが開かれる。
「はい……」
寝起きということもあり、まだ頭はぼんやりしている。
それでも、声を挙げた人物が、師匠であるシャドウであることははっきりと認識できた。
「広兼、あまり時間がないようだからさっそく始めよう」
「何をですか…?」
そう俺が言って、ベッドから降りる。
布団はしっかりとマハラへとかぶせておいた。
しばらくは起きてこないだろう。
「この世界を知ってもらわないと。これから長い付き合いになるのだから」
シャドウは俺に、間違いなくそう言った。