2、師匠の説明
魔法陣のど真ん中で、向こう側で来ていた服のままの俺を、マハラが手をとって引き上げてくれる。
座った状態から、視界が一気に広がる。
すると、意外にも背は小さかった。
もしかしたら、予想よりも年齢は若いのじゃないかと思うほどだ。
「それで、ここは一体全体どこなんだ。それに、君らは?」
それに対して、緑のローブの師匠が言った。
「まずはこちらへ」
言われるままに、俺は体が勝手に動く。
ゆっくりと、魔法陣の外へと出た。
すると、魔法陣は消え去り、部屋の本来の明るさへと戻った。
「さて、ではどこから話をするべきなのやら」
そう言いつつ、師匠は近くにある木でできた椅子を俺に勧めてきた。
「この世界は、君から見て夢の世界だが、一方で現実でもある。そこから話を始めよう」
「ちょっと待ってくれよ。どういうことなんだよ。夢だけど現実ってか」
「その通りだ」
それから、俺の横にはマハラが座る。
二人して講義でも聞いているかのような雰囲気だ。
「君らの世界とこの世界は、次元を一部共有している。魔術次元と呼ばれ、M次元と呼ばれることもあるな。この次元は、魂の次元によって繋がっている」
この人は、一体何を言いたいのかが全く分からない。
さて、かなり困ったことになった。
家に帰ることはできないのではないかと思うほどだ。