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俺の親が神さまの敵なんだが  作者: トミー
日常を侵食する闇
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20/24

修行の成果

連続更新ふひっ!

「入口はここですね、ほい!」


林の中にいる俺たち、ロキが何も無い地面に手を触れるとそこに魔法陣が展開された。


それと同時に地鳴りがしたかと思うとあたりの景色が歪み始めた。


何を言っているのか分からないと思うが本当に見たそのままの表現だ。


視界に映るものがぐにゃりと法則性を持たず、うねっている。


やがてその中心が黒い穴となった。


行先すらまったく見えない闇だった。


「私が先頭を歩くのでその後ろを思出さん、その次に弘樹さん、一番後ろを雫さんにお任せしますね」


俺達は無言で頷き、指示された隊列に整えた。


まだ迷宮の中に入ってもいない、その入口を見ただけなのに重圧をがのしかかっている。


先が見えないのも不安を煽る要因であろうが、他に何か得体の知れなさを感じた。


ロキが迷宮へ入っていくと俺達も次いでその後ろを歩く。


中に入った途端、周りの景色は一変とした。


木々生い茂る林の中にいた俺達は今は、岩肌に囲まれたいわゆる洞窟内にいた。


当然光がないので全く先が見えない。


「さて、魔剣レーヴァテイン「感覚操作」!」


ロキが、取り出した魔剣を振り上げるとだんだんと目が見えるようになった。


「感覚操作で暗闇でも光を拾えるようにしたので、全員見えてるはずです。さぁ行きましょう!」


確かに足元と少し先までは見えるようになったがどこにトラップが仕掛けられているかわからない状況、自然と不安と恐怖が湧き上がるのを感じた。





5分ほど道なりに歩いていたところ、ロキは停止するよう手で合図した。


「みなさん、魔物を相手にするか、全力で逃げるかどっちがいいですか?」


ロキは俺たちにそう言った。


「それどういうこと?」


質問の意味がよくわからず、聞き返したがロキはニヤニヤと笑ってるだけで答えない。


雫達は


「その二択なら戦うほうかなぁー」


とそれだけ答えた。


「え?一体何を・・・」


と言いかけたその時だった。


「はい!では行ってみましょ!」


ロキが掛け声と同時に地面に剣を突き刺した。


すると、地面に魔法陣が現れたと思うと直ぐにその形は崩れていった。


その代わりに、


「キィヤァァァァ!!」


洞窟の奥の方から甲高い鳴き声が響き渡った。


人ではない何か・・・これは。


「魔物か!?」


コウモリのよう形をした魔物、だが大きさが俺の半分くらいある。


数は視認できるだけでも20匹以上いる。

まだ奥にも・・・。


「一体どゆことだよ!?」


「いやぁ、いわゆる2重トラップみたいなやつですよー。とりあえず鉄球トラップの魔法陣は壊しといたんですけど、その代わり奥の方にいた魔物がこっちに勘づいたってわけですね!」


「弘樹くん、わかってると思うけどここで消耗するわけにはいかない。最小限の力で倒すこと!いいね!」


雫はそう言うと、懐から拳銃を取り出した。

なんの変哲もないモデルガンのような形状、

思出もロキも既に武器を構えていた。


俺もすかさず聖拳から剣を出現させる。


「うぉおおお!!」


俺に向かってくるのは3匹、近づいてよく見たら鋭い牙を持っていた。


それに飛んでるし、動きも早い。


(身体能力強化!)


すぐさま聖拳の加護を全開にする。


「まずは1匹目!」


大きく剣を上に振り上げ、魔物を両断する。


2匹目、3匹目は既に攻撃を避けていた。


1匹は上、もう1匹は俺の足を狙っている。


何となくだが牙に毒でもあるのかもしれないと思った。


最善は攻撃を受けることなく倒すこと。


俺は振り下ろした剣をそのまま地面に突き刺し、剣を軸に体を浮かせた。


そして上から迫ってきていた魔物を強化した蹴りで地面にたたき落とした。


下にいた魔物の攻撃は同時に避けている。


俺はそのまま流れるように着地、そして直線上に魔物が並んでいるのを確認し、再び剣を振り下ろした。


「ギイッ!?」

悲鳴のように聞こえる鳴き声を立てながら、両断された魔物は息絶えた。


損害はなし、まさに準備運動と言ったところだった。


滴り落ちる汗を拭き、俺は3人がいるほうを振り返った。


「なっ・・・?」


眼前では恐ろしい速度で魔物を捌いていく3人の姿が・・・。


「1、2、3、4、5っ次!」


雫が連続で発砲すると全弾命中し、魔物は次々と地面にふしていく。


だが魔物は際限ないと思えるほど襲いかかってくる。


雫はすぐさまカートリッジを抜き、弾が込められたカートリッジを拳銃に差し込む。


そして再び5発発砲、全弾命中したようで再び魔物がボトボトと音を立てて倒れた。


能力を使わずして、この手際である。


思出も同様剣こそ出してはいるが時間操作の能力は一切使わず次々と斬リ伏せていく。


ロキは魔剣の能力「感覚操作」で視覚を操作したようで、方向感覚さえも失った魔物がその場に散らばっていた。


1分もかからず魔物を撃退した俺達。


というか俺はほぼ何もしていない。


「ったく、弾も無限じゃないんだからねー」


魔物討伐数30匹 漆原雫


「全くだ、お前は後ろに下がって弘樹にやらせてれば良かったんだよ」


魔物討伐数24匹 思出守


「まぁでも弘樹さんを前にしても数匹取りこぼすと思いますけどねぇ」


魔物討伐数0(無力化58匹)ロキ


「返す言葉もないわ」


魔物討伐数3匹 大賀弘樹


また実力の差がはっきりと出た結果である。

結局あの後、ロキが魔物をあっさり無力化してしまったので俺の出番が無くなってしまい、最初の3匹しか倒せなかった。


「まぁ体力温存できたですしいいじゃないですか!気を取り直していきましょ!いきましょ!」


ロキにまた励まされ、俺と3人はさらに奥へと足を進めた。


それから15分後である。


途中で複数に道が分かれていたり、トラップがあったりしたものの、ロキが


「あっちの道ですね!」


とか


「ここトラップあるんで踏まないようにお願いします!」


とか言ってくれたので何のトラブルも無く突破できたのであった。


そして今俺達はたどり着いた。


フェンリルの元に。


「てか展開早くね?迷宮っていうくらいだからもう少しトラブルとかあっても良かったんじゃないの?」


「はい、そこ文句言わない。ロキとかいうチートキャラ持ってきた弘樹くんが悪いんでしょー!」


「えっ俺なの?」


実際迷宮に足を入れてから30分くらいしか経ってないのだから驚きである。


それもこれもロキ様神様様々といったところです。


「まぁ迷宮攻略なんて前座よ?本名が今目の前にいるんだから」


俺たちの目の前には固く閉ざされた大きな開扉がある。


ただの扉ではなく、魔力で編んだ特別製でとんでもなく頑丈らしい。


そして中には本命のフェンリルが眠っている。


「中でフェンリルが思出くんから受けた傷を癒しているはず、この扉自体は確かに頑丈だけど開ける方法はある。問題は中に入ってからよ。

扉の先はフェンリルが発している魔力で覆われている空間になっている。私たち人間がそんな濃い魔力の中では活動はできない。最悪死ぬからね」


「じゃあどうする?」


「ここで私が考えた作戦よ、よく聞いて・・・」















「さぁ心の準備は出来た?」


「ああ」


俺は既に剣を構えていた。


雫から伝えられた作戦、その第一段階を成功させなければ俺達はまともに戦うことすら出来ない、そしてその作戦の要を担うのが俺とロキだった。

「私の見立てなら数分かけないと突入できなかったけど、ロキの言葉を信じるならこの作戦の成功あなたにかかってるわ」


無言で頷いた。


俺はこの一週間何もしてこなかった訳では無い。

この聖拳を使いこなすため、ロキに手伝ってもらっていた。


その修行の成果を今出す時だ。


雫が腕を振り上げる。


その腕が振り下ろされた時が作戦決行の合図。


俺は剣を上段に構えた状態で深呼吸をした。


ロキはその後ろで待機している。


その気になる作戦の第一段階の内容とは簡単だだ。



俺の聖剣の最大出力で扉を強行突破、一時的に聖拳の力で魔力の影響が緩和されたその隙にロキが中に入り、魔力中和の魔法陣を展開するといったものだ。


聖拳に宿る魔力は対魔の性質を宿しており、別名神聖力とも呼ばれているらしい。


今までの未熟な俺の力では数分かけてフェンリルの魔力を一時的に払うのがやっとだった。


しかし、1週間で身につけたこの技なら一瞬でいける。


その確信があった。


(剣に意識を・・・力を集中させろ)


剣が光の帯を纏い出す。


剣に聖拳の魔力が溜まっていくのがわかる。


そして・・・


「作戦開始!」


雫の腕が振り下ろされた。


その瞬間、俺は貯めていた魔力を一気に解放した。


「はぁぁぁぁ!!」


剣から凄まじい光が、魔力が溢れ出すのを感じる。


俺は大きく踏み込み、そのまま聖剣を勢いよく振り下ろした。


剣から放たれたのは斬撃、ただの剣の残滓。


しかしそれは魔力によって一瞬にして光の刃になり、巨大なエネルギーの塊になった。


技名「光刃」

斬撃を聖拳の魔力により拡張し、また威力を増大させる。


破壊力は、編み出したときでさえ小山を真っ二つにするほどであった。


唯一の弱点は出力の加減が出来ないことであったが今は関係ない。


巨大な斬撃は地面を削りながら扉に衝突した。


一瞬斬撃が弾き飛ばされたように見えたが、その逆で、光刃は扉を難なく突き破った。


「ロキ!!」


と俺は叫んだ。


既にロキは俺の後ろにはいない。


斬撃とともに走り出していたのだ。


そして中に踏み込んだロキが魔剣を地面に突き刺した。

「魔力中和魔法発動、さぁここからですよ!みなさん!」

魔法陣が展開され、空間に浮いていた霧のようなものが晴れていった。


俺達は扉の中に踏み込んだ。


ドーム状の天井の空間、その真ん中に濃い黒色の霧に包まれる何かがいた、フェンリルだ。



「さぁ!リベンジマッチだぜ・・・フェンリル!!」










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