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俺の親が神さまの敵なんだが  作者: トミー
日常を侵食する闇
18/24

結束

久しぶりの投稿です、自分の設定に惑わされる

「勝負あったみたいね〜」

雫はそう言い、見えない斬撃にやられた俺は痛みで倒れたまま動けない。


思出は俺を見下ろしている。


右手に携えた剣、それが奴の能力「時操剣」


「こんなものか、まぁ覚醒したてにしては戦えるようだが、まだ使い物にならんな」


そういうと思出が持っていた剣が光り出し、その像は手に収まるほど小さくなっていった。


握られていたのは銀色の懐中時計だった。


「それが…剣になってたのか…」


時計が原型ということはおそらく時間を操る能力?


さっき思出が四方八方に剣を振っていた場所、そこに斬撃が停滞していたということか。


にしても強すぎる…。


文字通り手も足も出なかった。


「…バインダーの連中は全員こんなチート能力持ちなのか?」

「いや、彼が特別なのよ」

「特別?」

記憶形成武器(メモリーズウェポン)、そう呼ばれる能力、人の思いに強く反応し、形を成す。それが彼の能力よ」


思出の力は物の記憶と人の記憶、これを結びつけ力を増大させる、

かなり珍しいケースの能力らしい。


「弘樹くんはそのままじっとしてなさい、思出君よろしく」

「了解」

思出は倒れている俺の体に触れ、「回帰(リープ)」と唱えた。


すると全身から痛みが消えていき、すぐに動けるようになった。


「体の状態だけを巻き戻した、怪我どころか汚れもないだろ?」


「あぁ…すごい能力だな」

俺は立ち上がり、全身を見回したが確かに怪我も汚れもない、確かに戻っていると実感した。




「さて、これでわかったと思うけど現状君の力だけじゃフェンリルに勝てない」


思出が続ける。


「と言っても、俺たちバインダーだけでも被害は避けられない状態だ、とくに現状のフェンリルは神の獣ではない、魔力を吸い続け命を喰らい、魔に身を落とした」



「弘樹君に唯一伝えられる情報ってのはこれ、このまま放置すれば被害はさらに拡大し、フェンリルはさらに手がつけられなくなる」

雫の言葉からフェンリルの危険度は直ぐにわかった。

ではなおさら、


「っ!それなら戦力は少しでも多い方が…!」

俺はそう思った。

少しでも戦える力あるのだから、俺でもと。

しかし、


「死ぬと分かっているやつを連れて行っても意味がない、むしろ邪魔だ。

少し力を手に入れたからって調子に乗るな。

その慢心が一番自分と周りを危険に晒す」


「くっ」

思出の言葉に言い返そうとしたが、言葉が出てこなかった。

分かってる、思出の言いたいことは分かっているが何もせず黙って見ていることなんて出来るわけがない。


自然とこぶしに力が入る。

雫は続ける。


「君の力は、今後のためにも必要だから失うわけにはいかないわ、それより私たちが君に接触した理由はもう一つ」


「そこにいるんでしょ、ロキ。あなたに用があるのよ」

雫が何もないところに呼びかけた。


いや正確には何もないように見えたということなのか。

空間が歪んでいき、そこには制服の少女が現れた。


ロキだ。


「なんだー、バレてたんですねえ。なら早くネタバレしてくれても良かったのに」


「その必要はないのよ、静かに話せるところが良かったからね」


雫とロキが向かいあった。


そして雫が手を差し出した。


「あなたに人間界の代表として協力をお願いしたい」


「えっ?なんで私なんですか???」


ロキはわざとらしくあたふたしているが、雫は気にせず続ける。


「とぼけたことを言わないでください、フェンリルは元々貴女の使い魔、

貴方自身が対処しに人間界に降りてくるのは分かってました」




「神のあんたなら強さは言うまでもない、それに使い魔だったなら無力化できるかもしれないと思ったんだが」


思出も続けてそう言った。


そういえばロキも言っていた、フェンリルは元々使い魔だと。


実際首輪を付けたペットのイメージでいいのか?ならロキがいれば簡単に事態は解決するのでは無いか?と思ったが、


「残念ながらそれは無理ですね、もともと契約で従わせてたので、それを破られた今無力化は無理です。戦うしかありません」


ということであった。

雫は少し残念そうに

「そうですか…」

と答えた。


「ただ方法がないとは言ってません。再契約してしまえば私の管理下に置けます。しかしそのためにはあの肥大化した魔力と体力を削らないことには難しい」



「では協力は…!」

雫は少し声を張り上げていた。


まさに期待に満ちた声色だったが、当のロキは


「お断りします☆」

てへぺろと言わんばかりの笑顔で断ってしまった。


俺も引き受けるだろうとタカをくくっていたので驚き、


「何でだ!?お前とバインダーで手を組めば、これ以上被害が出ることはなくなる!お前もフェンリルをどうにかするために人間界に来たんじゃないのかよ!」

と叫んでしまった。


ロキの真意が分からない。


ロキはそんな俺をじっと見ている。そして


「そうですねぇ、私の目的はそれだけじゃないですけど、でも本当にいいんですか?弘樹さん」


「な、なにがだよ?」



「いま貴方負けっぱなしじゃないですか?悔しくないんですか?」


とロキは痛いところを突いてきた。


俺は心の中で本当にこれでいいのかと自問自答し、「街の平和とみんなの身の安全を守れるのはあいつらだけだ」と勝手に自分が戦うことを諦めてしまっていた。


必要とされているのはロキだ。

俺じゃない。


俺が弱いから。


ロキの瞳は俺が心の奥底に仕舞おうとしていたそんな感情を全て見透かしていた。


悔しい。


力があるのならなぜ戦わない?


弱いなら強くなればいいのでは?


今までもそうだったじゃないのか?




「協力するなら三つ条件があります、一つは決行日は一週間後、二つ目は弘樹さんを参加させること、三つ目は



私と弘樹さんを正式なチームとして貴方方の方で登録してください。

これを飲まないのであれば、私は協力いたしません☆」



「俺とロキがチーム?」


ロキはいつもの笑顔で雫にそう言った。


雫は少し考えたあと、


「…なるほど、バインダーとしての身分を獲得すれば人間界での安全がある程度は保証される。

それは貴女の別の目的にも必要なことなんですね」


ロキは続けて


「私が人間界に居続けるには真っ当な理由と身分が必要、人間界を守るバインダーとしての身分が一番ちょうどいい。

そして弘樹さんの身を守るにもね」


そこでやっと俺はロキの意図に気がついた。

親父と兄ロキのせいで神々から狙われることになった俺、しかし神と人の間に和平を結んでいる、その中心となっているバインダーに入れば、向こうからも簡単に手が出せなくなる。


ロキは俺を守ること、そしてフェンリルを止めること両方を同時に行うつもりだったのか。


「いいでしょう、貴女の条件飲みます。

場所と時間は改めて弘樹君に連絡しましょう」

再び雫は手を差し出した。

ロキはにこりと笑顔を浮かべ、その手を取った。


無事交渉成立といったところか。


お互いしばらく握手し合っていたが、しばらくして雫の方から手を離して、


「ふぅ〜、疲れたぁ〜」


とふらふらしながら奥の社長席に倒れこむように座った。


「いやぁ〜一時はどうなるかと思ったよ〜、良かった良かった〜」


張り詰めた空気が一気に緩み、あまりの代わり様に唖然としたが、今思えば学校の時、ビル前にいた時のことを思い出すと、


「…それがあんたの素かよ」

「えっ?何が〜」



これが雫という人間なのだろう。


「やるときはやるってことだ、こう見えても人間界日本の長だからな。それに能力の代償でもある」


「代償?」

思出から変わって、雫は自分の能力を説明しだした。

「私の能力の名前は「絶対定理(アブソリュートセオリー)」動作の過程を吹っ飛ばして結果だけを発生させる。ほら弘樹君を殴ってみせたのがそれだよ、殴るという動作を吹っ飛ばして、殴った結果だけを残したわけ。まぁそのせいで私はズルした分、活動時間を奪われる。つまり…」


「眠くなるってわけさぁ〜むにゃむにゃ」

そのまま首がへの字に曲がり、雫の意識は彼方に飛んで行った。



「彼女は常に眠気を感じている、だがいつでも寝れるわけじゃない。いつ如何なる時でも雫は動ける状態でなければならないからな。だから無理してもいつも半覚醒状態で仮眠してるんだよ、あぁやってな」


必中の攻撃と時間操作の能力者。


そして日本を守るバインダーという組織、


おれの戦いはまだ始まったばかりだ。


まだ続きます

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