漆黒の翼
にわか英語ですみません
幻影の一撃、雫の放った攻撃はまさにそれだった。
現に弘樹は何の反応もできず倒れた。
見ることも感知することも不可能、絶対的な攻撃。
雫が残す結果は誰にも覆せない。
「絶対的定理」
彼女の行動は結果のみが反映される。
例えば、弘樹の腹を殴るといった過程、
近づく→構える→打つ。
それらすべてを省略し、殴ったという結果だけを残した。
神を思わせる時間操作の能力の類、一体彼女の正体とは……?
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「ちょっと強く殴りすぎましたかねぇ〜」
雫は俺の顔を覗くように首をかしげる。
「一体何しやがった……?」
突然襲われた痛みのせいで、倒れたまま俺は言った。
「殴った、それも本気で。まぁ時間飛ばしの能力とでも思っててください」
能力……?
しかも時間飛ばしって、まじかよ……。
能力を持つ人間がいるということはロキから聞いていたが、こんなチートじみた能力もあるのか……。
「……能力者ってことか……あんた何もんだよ」
俺はおもむろに立ち上がり、そう言った。
彼女は少し面倒な顔をしたが、おもむろに口を開く。
「何者だと言われますと、いろいろと説明が面倒くさいですが、まぁ端的にいえば能力者を束ねるリーダーです〜」
「リーダー?能力者を束ねているだと?」
「えぇ、『バインダー』というグループの日本支部リーダーですよ」
能力者のグループ、
日本支部ということは、かなり大きなグループのようだ。
ということは世界中に能力者はいるようだな。
そして、これで一つの謎が解けた。
彼女がフェンリルを知っていたこと、能力者を束ねているのなら、そういう異変を感じ取れる能力者がいてもおかしくない、と考えた。
それに多分、こいつらの目的は……。
「……治安維持か。お前達の活動は……」
「あらぁ〜察しが良くて助かりますねぇ〜。そうですよ、私たちは主に治安維持のために動くグループです」
彼女はグループについてできるだけ簡単に語り出した。
世界中の国一つづつ支部があり、能力者の保護、そして治安維持を目的としている。
国によって、能力者は神のように崇められたり、死神、悪魔、魔女と呼ばれ、迫害されることもあるらしい。
なので保護し、監視するのが重要だと。
もう一つ、治安維持とは……。
すべての能力者がバインダーに所属している訳では無い。
中には能力を悪事に使うものも少なくないらしい。
そういったヤツらを拘束、始末することを任されるのがバインダーだそうだ。
「まぁ相手が人間だけってわけじゃないよ?そこにいる神様が少しでも私たちに危害を加えれば、即刻始末の対象です〜」
他には妖怪、魔物の類、悪魔の始末などを請け負うらしい。
「……ってことはあんたらフェンリルを……」
「えぇ、ヤツは危険でねぇ〜あんな強大な魔力を持つ魔物に居座られると軽く地獄化しちゃうよねぇ〜」
ロキの言っていた迷宮化か……。
「……じゃあなおさら諦めがつかないな。あいつを逃がしたのは俺だ」
「はぁ……あなた、半殺しにされたって聞いたけど〜?」
「……前みたいにはいかない、絶対にだ」
そうだ、今の俺には武器がある。
戦える力があるんだ。
「……はぁ、懲りないねぇ〜まぁ私からはちょっとした情報だけ教えてあげる。でも私はあなたに戦って欲しくない、ということで仮に居場所がわかっても教えない」
「はぁ!?それじゃあ意味ねぇよ!!」
「少なくとも今から話す情報は意味なくない、聞くの?聞かないの?」
俺は彼女の目を見た。
まぶたは半分落ちているが、その瞳の奥には強い光が宿っていた。
本気で俺を止めているようだった。
俺の方も説得しても無駄なようだなと思った。
「はいはい、わかったよ。話してくれ、フェンリルの情報」
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ある森林公園で木々生い茂るその中にどす黒いオーラを放つ洞穴があった。
迷宮化、その穴の中は深くそして肌寒い。
いくつものトラップ、入り組んだ道を抜けると、
「……グルルルゥゥ」
最深部に潜む大きな影、凄まじい量の魔力を吸い、巨大化したフェンリルだ。
そしてその目の前には謎の男が立っていた。
黒く長い髪、尖った耳、二メートルを超えるであろう巨体、
「さぁ、始まりだ……」
暗きその空間で漆黒の翼が広げられる。
堕天使、その名の通り、堕ちた天使。
私欲に飲まれ、翼を黒く焦がした彼らは天界にも冥界にも居場所がない。
しかし彼らは何一つ後悔などしていない。
何一つ劣っていない。
天使本来の圧倒的魔力量とその能力、神らと同等の実力を持つ彼らは標的を人間界に定めた。
そう、これが長きに渡る戦いの始まりでもあった。
早く戦わせたいのに、進まないんご




