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27 マスターズ 決勝ラウンドへⅱ

怜勇に不運な雲行きが・・・

原因は?

ハアハアハアハア・・・


『もうこんなとこまで進んでるんだ・・・』

スコアボードを見て息が詰まった・・・。

思わず手を引かれてここまで来た愁はまだ手を離さないでいてくれてる。

その手を思わず、ギュッと握ってしまった。愁も力強く握り返してきた。愁を見上げると愁がこっちを見ていた。


愁の目が力強く

『怜勇をみててやれ!怜勇のそばで!早く怜勇がお前に気づくところへ行け!』

って言ってくれている。

笑は大きく頷いて、人垣を押しのけ前に進んだ


『怜勇!』

笑は胸元の怜勇とお揃いのディオールのネックレスを力強く握った。

第三打をなんとかグリーンに乗せた怜勇が笑の前を横切った。

笑は、怜勇と叫んだが、周りの歓声にかき消せれてしまった。

しかし、怜勇には笑の声が聞こえた。

さっと横を見ると不安そうに見つめている笑がいた。


『えみ・・・』

その後方に愁が大きく頷き親指をたてて笑っていた。

『ふっ!わかたっよ!愁!サンキュー』


「笑ちゃん?」

「笑!」

「オー エミ ドコ イマシタカ」

怜勇のお母さんと凛とキャロルが声を掛けてきた

エミはニッコリ微笑むだけでじっと怜勇を見ていた。


怜勇はすぐさまグリーンの方を向き険しい表情でスタスタ歩いていった。

長いバーディトライが残っている。

ここからバーディーラッシュで挽回なるか・・・

『怜勇がんんばって!』

大きく深呼吸して怜勇と呼吸を合わせた・・・


コロン


ワーッ ワーッ ピュー ピュー!


と大拍手が怜勇をたたえた。

そこから、怜勇はチャージを掛け、スタート時と同じ13位タイまで戻し、その日を終えた。


「笑ちゃん帰るわよ」

「いえ。あの怜勇待っててもいいですか?」

「ま!いいけど怜勇きっとまた練習して帰ると思うから、だいぶ待たないとダメだと思うけど?」

「はい。いいんです」

「わかったわ。じゃぁ気をつけてね」


「ばいばーい!笑ネエ!後でねーー」

「爽快!バイバイ」


暖かいココアを飲みながら縁石に座ってまっていると、怜勇を筆頭におじさんやスタッフの人達がやって来た。いち早く笑がそこに座っているのに気付いた怜勇は、スタッフと別れて笑のそばにやってきた。


「何やってんの?」

「・・・怜勇・・・・」

ポロリ一粒涙がこぼれた


「怜勇 ごめん・・・一緒に戦いたかったのに・・・。だから早くHOTEL出たのに・・」

ポロリまた涙がこぼれた

「笑 泣くな・・・もういいから」

怜勇はやさしく腕を差し出した。笑は顔を上げて怜勇を見つめた。

やさしい笑顔で笑が怜勇の手を握るのを待っていた。笑は怜勇の手を借りて立ち上がった。


もう人気のないゴルフ場。スタッフ達は先に移動バスでHOTELに戻っている。怜勇は笑の手を離さず歩き出した。

小さな頃から大好きだった怜勇の手。でもいつからか手を繋ぐ事もなくなった大きな暖かい手。今日はしっかり繋がれている。

無言でゆっくりした足取りで怜勇に手を引かれながら後をついていく。


そして立ち止まり怜勇は笑に言った

「明日からの決勝ラウンドはしっかり俺だけ見てろ!いいな?」

「う  ん」

「俺!決めるから」

そう言って怜勇はタクシーを呼び止めた




いよいよ決勝ラウンド!

決めてやる宣言の怜勇・・・

さてさて 結末は?

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