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26 マスターズ 決勝ラウンドへⅰ

予選通過なるか怜勇!笑の応援は届くのか・・・

予選1日目を終え、HOTELに戻った怜勇軍団!

怜勇は緊張感が顔に出ている。


「笑!」

怜勇は上階にいるであろう笑を呼んだ。

・・・・・

返事がない

「!」

怜勇は慌てて階段を駆け上がって部屋ノブを回した。


ガチャ

ドアは開いた。


「! え  み・・・」


スースー うーーん


笑は無邪気な顔してベッドに丸まってぐっすり寝ていた。

手には何かネックレスらしきものを握っているのだろうか、チェーンの部分が手の握られてる部分からはみ出していた。

怜勇は起こさないようにそっと部屋に足を踏み入れ、少しずつ笑に近かずきかけて、ふと飲みかけのジュースと食べかけの袋の開いたポテトチップスの置いてあるテーブルに目をやった。


『まったく・・・これだけ寝る前に食べてよくもまぁ、あの体系を維持してるもんだな・・・』

と思って見てみると、なにやらかわいい手帳を発見した。

怜勇はテーブルの方に近づいた。

手帳には、仕事などでは絶対に使わない笑文字で書かれていた。

笑は、プライベートで書く手紙や日記等には、解読するには多少時間のかかるまるで暗号のような文字|(それを笑文字という)を使って書くことを幼馴染や親友と呼ばれる者達は知っていて、もちろん間単に解読もできる。

怜勇は真っ赤なのハート型の手帳を手にとって見た。

そこにはtuittaかと突っ込みたくなるように140文字程度でつぶやきメモが書いてあった。


 怜勇ー!ナイス!かっこいい!13位ばんざい!?明日も応援するぞ!怜勇と一緒に戦うのだ!おやすみぃ by-EMI


と書かれていた。

それを見た怜勇は、今までの硬く張ってあった緊張の糸をふーーっと解放すように顔に優しい笑みを浮かべ、また笑の方へ近寄っていった。


笑のすぐそばまで来た怜勇は、ベッドのそばでひざを突いてしゃがみ込み、めくれている掛布団を肩のところまで戻してやり髪をそっと撫ぜた。

『笑と来て良かったよ。頑張る気持ちは大事だけど、俺は気負い過ぎてたようだな。やっぱり笑効果は絶大だよ。ありがと。明日も一緒に戦ってくれんだよな・・・』

怜勇はふっと笑って笑の部屋を後にした。


バタン


『うん? 怜勇?』

夢か現実か?

笑は薄暗い部屋の中で怜勇の背中を見た気がした。

しかし、すぐに深い眠りに落ちていった。


予選ラウンド2日目

やはり、目覚めた笑は一階へ降りて苦笑いをした。

『今日こそ怜勇と会って見送ろうと思っていたのに・・・今日も寝坊しちゃった・・・』


「あら、おはよ笑ちゃん。」

「おはようございます。怜勇行ったんですね?おばさんは朝会ったんですか?」

「ええ。いい顔で出掛けて行ったわよ」

「そうですか・・・」

「後一時間半ぐらいしたら出ようと思うんだけど、笑ちゃんも一緒に行くわよね?」


「えと、私もう出ます。」

「じゃ、行って来まーす」

「ちょ、ちょっと笑ちゃん・・・まだ早いわ  よ  って。相変わらず・・・ね?」

爽快達も目を擦りながら起きてきて、快が

「今出て行ったのは 笑ねえ?」

「そ。早く行くんだって。早すぎるのにね?ささ、あなた達は顔を洗ってご飯にしましょ」

爽ははっきりしない頭でじっと笑の出て行った扉を見つめていた。


笑はゴルフ場につた笑は、キョロキョロと怜勇の姿を探していた。

すると、なにやら年頃が同じような青年が笑に声をかけてきた

「ハーイ!ユア キュートガール」

と肩に手をかけてきた。

『え?ええ?何 何』

「えと、あの・・困ります・・って  どう言ったらいいの・・」

なぜか、その青年は笑の肩を抱いたまま歩き出した。

笑は、抵抗をして見せるも全くその事に気づかず青年は、相変わらず一人で一方的にしゃべり続けている。


その状況を遠くから怜勇が見ていた。

自分がどうすることも出来ず、イライラが募ってきた。

ずっと視線はそれを追っている。

『くそ。笑 何やってんだよ!』


いよいよ 怜勇がスタート地点にたった。


カキーン!


「あーーあーー あ」

「オウノー」

などさまざまの声があがった。大きく右にそれたのだ。


「クッ!」

怜勇がクラブで地面をたたきかけたが、そこは何とか踏みとどまった。

『えみ!どこだ!』

怜勇は笑の事で冷静さをなくしている。


「ねぇ。おかあさん。怜勇ニイどうしたの?なんか変だよぉ」

「そうねぇ。サーヤ。笑ちゃんは?見なかった?」

「うん。笑も探してるんだけど・・・」

そんな会話をしていると、

「おはようございます。怜勇どうしたんすかね?」

「あら、愁くん」

と後ろを振り向いた。

「笑の姿も見えないんだけど?」

「そうなのよ!朝早く一人で出掛けて行って、ゴルフ場につきました。ってメールが来たからココにはいるんだろうけど・・・」

「そうすか・・・」

と行って、その場を離れた。


『笑!どこだ?』

「キャロル!俺ちょっと笑探しに行くわ!あいつ、結構危なっかしいから・・・」

「OK!シュウ。ワタシ レオママサン ト イマス キヲ ツケテ! メールシテネ」

『シュウハ ヤハリ エミ ノ コトニナルト ヒッシデス・・・ネ』

フフフと笑って見送った。


『笑!どこにいるんだ!』

人の波に逆らって、人混みを掻き分けて、彼方此方と探しまわった。もうすでに汗だくだ!

帽子とサングラスをとって人々に聞きまくって探したいが、愁もNBLで活躍しているだけにここで目立って騒ぎを越したくない事は充分心得ている。

一時間くらいたったころだろうか、フードブースに楽しげに手振りそぶりで話すアメリカ人とソワソワしている日本人が座っている。

『!笑だ!何やってんだ!』

怒りにわななきながら、ズカズカとその場所に歩いて行った


「笑!何してんの?」

愁の冷ややかな問いにビクッと笑が振り向いた

「しゅう・・・」

愁は、そばにいる青年に

「悪いな!俺の連れだから!」

とそつなく英語で話しサングラスを外した。

そしてニッコリと青年に微笑んでその場を後にした。

後に残された青年はポカンと口を開けたままその場に立ち竦んで二人を見送った形になった。

腕をつかまれドンドン引っ張られて行く笑は、愁の放つ冷気に気づいて何も声を掛ける事が出来ず、必死で愁の足にこけそうになりながら、ついて行っていた。すると、急に立ち止まった愁の背中にぶつかる形で、笑も止まった。


「笑!お前何やってんの?なんで怜勇のから離れてんの?」

「・・・」

「なんで?なんで?しっかり怜勇のそばにいないんだ?何のために誰の為に俺・・・俺は・・・」

「愁?」

「・・・」

「探してたんだ。怜勇の事。早く行って練習中から見ていようって。そしたらさっきのあの人に、なんか英語で話しかけられて・・・それで・・・わかんなくて・・・」

「はーーーー。お前・・・。」

「ごめんなさい・・・」

「まぁいい。早く怜勇の応援行ってやれ!笑、怜勇と一緒に戦うんだろ?」

とやさしく笑に言った。

すると、笑は満面の笑で

「うん!」

と元気よく答えて、二人は急いで怜勇の元に駆けつけた。







怜勇!予選通過危うし!急げ笑!

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