23 とうとうアメリカにやってきました ⅱ
愁との再会
「かんぱーーーい」
『すごい!大広間貸切!・・・』
「笑!乾杯!一緒に来てくれてありがとう」
「ううん。こちらこそ!ありがとう。なんか圧倒されちゃうわ・・・。何も力 になれないけど、怜勇が怜勇らしく落ち着けるように私は一緒にいるから」ニッコリ
「うん さ 食おうぜ!」
笑の笑顔に癒され頷いた。
マルマルモリモリ・・・♪♪
と、笑の携帯の着信音が鳴った。
「怜勇 ちょっとごめん」
と、笑が携帯片手に席をたった。
怜勇は少し訝しげな顔をしたけど
「気をつけろ!ここは日本じゃないから!」
と声をかけて見送ってくれた。
「はい。あーー。久しぶり!うん うん いいよ・・・」
と。五分ぐらいしゃべって、携帯を切って席についた。
「ごめん 長くなちゃった」
「いいけど。遅いからも少しして帰って来なかったら迎えに行くところだったぜ」
と、少し不機嫌そうな顔で答えた。
「ったく!ここはアメリカだぜ!心配なんだよ」と笑に聞こえないだろうと小声で呟いていた。
しかし、ちゃんと笑には聞こえていた。
「怜勇!」ニコニコ
「な なんだよぉ。気持ち割りーなぁ」
マルマルモリモリ・・・♪♪♪
「はい!うん OK」
「怜勇 ちょっと下まで行ってくる!」
『何!』
「待て!」
と言った時には笑は扉を開けて出て行ったところだった。
『くそ!あいつ!何回もココはアメリカだ!って言ったのに』
慌てて追いかけたがエレベーターは下に降りて行っている所だった。次に来たエレベーターに慌てて乗って追いかけた。
ロビーに着いたが笑の姿は見えない。エレベーターを振り返ると上に上がってる機があった。
『クソ』
慌ててエレベーター のボタンを押し、来た機に飛び乗った。
走って大広間に行くと、そこにはアメリカ人と談笑してる笑の姿があった。そばには怜勇のお父さんもいた。
「あ!怜勇ーー!こっちこっち」
怜勇は頭を抱えたくなった。行動力のある所と能天気な所それも笑の好きな所ではあるが、神経をすりへる所でもあるのだった。
「ね。ね。怜勇 誰だかわかる?」と二人を指して言う。
「俺の知り合い?アメリカにはいないけど?」
「本当にそう?」
怜勇は二人をじっと見て考えるが、どう見ても記憶がない。ツアーであったプロゴルファーだろうかとも考えたがそれも違うと思った。
「怜勇 白状なやつだな お前」
銀髪の男が言った。
「何?」
「え?その声 愁?」
「バカが!やっとわかったか!」
「なんだ その髪の色は!」
「お前自分のことばっかで人の事TVでも見ねーから、わかんないんだよ」
「そうだぞ怜勇!父さんはすぐわかったぞ愁君だって。いつもTVで活躍を見てるからな」
「そうだよ。おじさんすぐ しゅうくん! って声かけてくれたんだぞ」
「もう!二人とも!何を言い合ってるの?楽しみましょうよ。せっかく来てくれたのに。あ そうそう怜勇こちらキャロル!ほら前に話ししたでしょ?」
「あ ども はじめまして・・ ペラペラペーーラ」
と英語で話し始めた。
『さすが怜勇・・ふん。でもキャロルは日本語で話すんだから』
と、思いながら二人を見ていた。
ところがこの会話は英語ばっかりの会話で笑は少しふてくされてしまった。しかしそれでめげる笑ではなく、
「キャロル!あっち行こう 美味しい食事に飲み物いっぱいあるよ。行こう」
と腕をひぱって行ってしまった。
「怜勇サンキューな」
「ああ」
「今回マジ優勝狙ってんだわ俺」
「ああ。だから笑連れてきたんだろ?わかるよ!しっかりやれよ!俺もお前の優勝直に見たくてきたんだから」
「ああ。今日は楽しもうぜ!お前 宿は?」
「ああ。キャロルの実家がここの近くなんだ!そこで泊めてもらう」
「って!おまえ・・・。付き合ってるのか?」
「いいや。俺は気に入ってるが・・・。相手が超鈍感で・・・。お前達みたいなもんかな・・・」
「なのに、泊めてもらえんのか?」
「アハハ キャロルが俺のチームのチアガだろ。で、おやっさんが俺らのチームの大ファンなのさ!そういう縁で泊めてくれんだってさ。お前の事も言ってあるんだ!おやっさん結構ミーハーで、日本のスターの友達が REO KAIDOU?って大喜びさ」
「そ-かー。お前、キャロルに勝算は?」
「さぁ? ま とにかくはお前だ! 夢 叶えろよ!そして・・・」
「ああ!わかってるさ!今回はほんと勝負だよ」
二人はたくさん思い出話・近況報告・飲み食いをし、怜勇のスタッフに愁を紹介し、結構日本でも有名な愁はあっと言う間に人気者になり皆で決起会を楽しんだ。
笑とキャロルもすっかり皆に溶け込み楽しんでいた。
「おい!キャロル 笑 外に出るぞ!せっかく今日はおじさんのお許しがでたんだ。街をプラプラしようぜ!」
「よし。今日ぐらいかもしんないから、愁とキャロルに街を案内してもらおうぜ!」
「わーい!」
キャロルと笑は抱き合って喜んだ。
そう女の子はお買い物大好きなんですもの。
「親父ぃ ちょっと行ってくる!」
「ああ!楽しんできなさい!気は着けるんだぞ。か弱い女の子連れてるんだからな!」
四人はその言葉を背中で聞いていた。
「ね。怜勇。いい子でしょキャロル。」
「うん。話しやすい子だな。愁にお似合いだよ。」
「うんうん。日本語上手なんだよ!怜勇は英語で話してたから、わかんないでしょうけど!」プイ
「は?笑。すねてんの?英語話たいの?」
「別に」
「いいよ。今度教えてやるよ」
「ほんと!」
「わーーい」
「あ!笑。くれぐれも言っておくけど、俺は明日からマスターズモードになる。遊びに連れてってやれないと思う!一人で絶対出歩くな!愁とキャロルには笑の事頼むって言っておくけど・・・。わかったな。なるべく・・・いや!いい」
「うん。一人では出歩かないよ!約束ね」ニッコリ
そんな話をしながら二人で歩いていると、愁とキャロルがショーウインドゥを覗いて何か話ししている。
そして、店の中へと入って行った。
怜勇と笑は追いついて、一緒に覗き込んだ。そこは小さなアクセサリーショップであった。
「わー。かわいい。素敵」
素敵なアンティークな指輪があった。
「笑、指にはめてみたら?」
「うん。わ!ぴったり!」
「買ってやろうか?お土産に・・・」
「え?いいよ!指輪は好きな女の子に贈るもんだよ!怜勇。いくら幼馴染でも指輪はダメだよ!」
と、言いながら愁とキャロルの元へと寄って行った。
「ねね。キャロル何買ったの?」
「ブレスレット ヨ。シュウ ガ カッテクレマシタ」
「へー。見せて見せて」
「コレデス。ドーデスカ?」
「わ!かわいい。キャロル似合ってるよ」ニコニコ顔で拍手する笑。
と言いながら三人は店を出た。
そんな笑を見てため息をつく怜勇。
笑が見ていた指輪をじっと見つめるながら・・・・。
そして、怜勇は三人に遅れて店を出た。
「もう!怜勇遅いよ。何してたの?なんか気に入ったのあったの?男物もあったもんね」
と言いながら四人は歩き出した。
四人は買い物や食べ歩きうを堪能して、アメリカの夜のひと時を楽しんだ。
そして
「じゃねキャロル 愁!またね。退屈になったら連絡するぅ」
「愁!またな!お互い頑張ろうぜ!」
「おう!笑またな!怜勇はとにかく今は目の前の事だけ考えろ!応援してっから!」
「エミ レオ マタアイマショー バイバイ」
いよいよツアー開始です




