社会人編 ③
もう1話UPできました。よかったですぅ
<かんぱーーーーい>
カチン カチン と
急なお食事会もとりあえずビールからはじまり、乾杯が終わりました。
「くーーーっ ウマい」
「で、なんに乾杯なんだろ?」
などと、好き放題話し、好きなだけ飲み・食べ、昼間聞いた怜勇の熱愛報道の事を一瞬忘れて、笑は楽しいひと時を過ごしました。
「ね、星野さんの笑顔はとても素敵ですね」ニコッ
「はい?え?そうですか?でも、友達とかにも笑は、いつも笑顔でいてね。とか、笑顔に癒される~とかは良く言われますね。ふふふ。両親も笑顔は人を幸せにするから!って笑ってつけたんだけど、本当に名前の通り、笑は、いい笑顔を持ってるね。神様に感謝しなきゃな って言われます。でも、翠川さんの笑顔も素敵ですよ。藤見さんも。月星TVの二大新人ですもんね。うふふふ」
「アハハ。ありがとうございます。」
「あの・・。星野さん。間違ってたらすみません。星野さんて何年か前にスクープされませんでしたか?高校のゴルフ大会、如月高校男女ペア戦で海藤怜勇とペア組んで優勝して後ろから海藤怜勇に抱かれてる所・・・。似てるような気がして・・・。もう四年程たってるから僕の記憶違いかも知れませんが・・」
ドキッ『え?』
「すごい。二人のプレーが生き生き楽しそうで。しかもその女の子の笑顔が印象的だったんです。似てる気がしてて・・・」
『ど・どうしよ。嘘をつく?いつかばれるかも知れないのに?今まではただ、誰にも言ってなかっただけだけど・・・。どうする?嘘をついてでも隠す必要があるのだろうか・・・ただの幼馴染なだけなのに・・』
「星野さん!星野さん!」
「え? あ ああ はい」
「あの・・・。別に知られたからってどうって事ないんだけど、あまり人に言わないと約束してくれますか?」
「藤見にも?桜木さんにも?」
「え? あ はい。怜勇 結構ファン多くて、あのゴルフしない子でもファンだったりしてるじゃないですか?注目株だし・・・。私がマスコミ関係の仕事してなかったら、気にしないでいいんだけど、このことを利用されて怜勇に近づいて話題を作ったりが嫌なんです。会社の為に・・・って。なんか、怜勇にも迷惑かかるかもだし、なんか違う気がして・・・。聞かれたりした時はきっちり言おうと思ってますが、わざわざ言う事でもないような気がして・・すみません。だから、愁・・山村愁月とも幼馴染なんですがそれも誰にも言ってないんです。」
「やっぱそうかぁ。初めて社内で君を見た時そうじゃないかと思ったんだ。あの写真で、僕は君に密かに憧れてたから。アハハ。写真だけで決めたんじゃないよ。実は僕もあの大会出てたんだ。あの日は回ってないからギャラリーとして、君達のプレーを見てたんだ。二人の雰囲気がすごく良くて、纏ってて、うわ。こいつらには勝てねーなって思ったよ。そん時。で、合コンで近づいて聞きたかったんだよ。内緒だろ。分ってるよ。僕も一応ゴルフをたしなむ紳士だから約束は守るよ うん。でも凄い二人の幼馴染をもったもんだね。」
「ありがと。そうなのよ。凄いことでしょ?ふふふ。そっかぁあの時、いたんだ翠川さんも。でも私、ゴルフクラブでもないし、怜勇に迷惑かけないようにするだけで必死だったんですよ。優勝なんて・・・。怜勇ごめんなさい って感じで。でもやっぱ怜勇ですよね。すごい気迫でカバーしてくれて。結果、あーなっちゃったんです」
「あはは。じゃ 久しぶりに今度の日曜、ゴルフ行かない?」
「えーー。無理ですよ。もうしばらくクラブ握ってないし。」
「じゃ、2 3回練習一緒に行ってラウンドしよう。 ね? 取引しないでも内緒にするけど、さらに強硬な口止め料をプラスするとして。どう?」
「ふーー。はい。分りました。いいですよ。私もゴルフ嫌いじゃないし。でも練習は一人でします。退社時間や都合合わすの大変でしょうし、月星TVのプリンスは顔がさしますから。ふふふ」
「OK。それで妥協しよう。じゃ 今度の日曜日」
約束をさせられ他愛もない会話をしながら、時間が過ぎていき、急に行われた食事会はお開きとなった。
翌日、怜勇は帰国した。案の定マスコミに取り囲まれレポーターにもみくちゃにされてる、画像がその日のTVをにぎわした。そして、会見ではツアーの事を聞かれた後、熱愛のことについて答えていた。
ただ一緒に食事をしただけです。恋愛感情はないです。いい友達です。と言い切っていた。
ほんの少し ホッと安心した私がいた。
その夜今度の日曜日の為に、近所の練習場に足を運んだ。
『あの試合前の練習以来かな?』なんて、車から道具をおろした。
『あの頃は怜勇と二人自転車でここまで来てたのに。クス。』
ゲッ!『な・なんだぁ?あの写真は・・・。しかも、それには怜勇のサインらしきものが書いてある』
そうです。昨日翠川さんとの話に出てきた、高校時代のあの例の写真の切り抜きに怜勇のサインが書かれているうえに、額に入って受付カウンターの壁に掛かっていたのです。
しかもご丁寧に、こうなるまでに二人が一生懸命練習したのはこの練習場です。今でも時々海藤選手は練習に来ることがあります。って横に説明が書かれていた。
私は それを見たとたんクルッと踵を返して帰ろうとしたが、運悪く近所のおじさんに気づかれ
「笑ちゃん ひさしぶりだねぇ。練習かい?」
「アハ はい。」
「OLになったから、接待ゴルフでも行かなきゃいけなくなったのかい?笑ちゃんの噂はそこそこ知られてるだろうから、白羽の矢があたったかぁ?」とケラケラ笑っている。
「白羽の矢って事は全くないんですが、ま そんなとこです。おじさんも相変わらず練習毎日来てるんですか・」
「そうだな。健康の為にな。ま。わしはこれで帰るけどしっかり練習して帰んな」
「はーーい。さよなら」
「お そうだ。 おーい 笑ちゃん。あの写真の頃懐かしいだろ。あのショットは本当にいい写真だよ」
と、大きな声で先ほど私が見つけて帰ろうと思った額を指差していた。
そして言いたことだけ言って、手を振りながらさっさとおじさんは帰って行った。
『あの写真。みんな いい。と思ってくれてるんだろうか・・・。』
私と怜勇はあの写真を撮ったカメラマンさんから青春の思い出にどうぞ!と大きく引き伸ばしてくれた写真をいただいたのだ。そして、私の部屋には今でも額に入れて大事に飾られているのでした。
次回のお話は日曜の為に練習していた笑。ある日練習にきた怜勇にばったり会います。そして、打ち合わせで怜勇にあった笑。特番に二つ返事で「出る!」と言ってくれた怜勇の何かありそうな微笑に疑問を抱く笑です。