遠征
あれから1週間。あたし…私達は、正確には私とスピカ、ミシャロとリョウヤは遠征に出ていた。北西方面の戦場がかなりまずいらしく、すでに耳長族の王都は崩壊したというレベルだ。私たちは実践経験があるということで抜擢された。スピカが使える転移魔法でウォーリアという中継都市に飛び、そこからもう一回転移してきて、次が最後の転移だ。術式的にそのまま飛ばないのは、ウォーリアまでじゃないとMPが足りないらしい。…MPって地味に不便だよね。
そして、今はラストの転移準備中…
「完了〜よし、みんな乗り遅れないでね!」
終わったみたい。
…そういえば、私って口調に変えた理由は…公の場に出る時に「あたし」は少しまずいらしい。頑張って矯正していこう…というか未来予知がないのいいね。こういう戦場に行く時とか未来見えたらむしろいやだし。
…けど、無いのも不安になる。ようやく慣れてきたけど。
「飛ぶよー!」
周囲に魔法陣が現れ…周りの風景が変化して行く予定の街…コリーズの周辺に飛ぶと…煙が上がっていた。コリーズと、コリーズから一日ほど王都方面に行ったカラーズは昨日の時点で無事だったはずなんだけど…もうここまで攻めてきたのか。やばいな。
「みんな、いくよ!」
「「「おう!」」」
「私が先行する!スピカ、補助魔法を。リョウヤは敵を殺さなくてもいい!無力化するか味方の援護に徹して!ミシャロは…自由に。」
「「了解!」」
「なんか俺だけ雑じゃね!?」
よし、付与魔法がかかった。
「じゃあね!」
そして、全力を出す。
ーーーーーーーーーー
ガキン、カン、カン、カン、ボキリ
「かはっ」
「ふっ、この程度か。人間とはなんと脆弱なものなのだろうか。これは恐るるに足りん。セカヨト幹部様の第一の部下サヒテ様の登場だ!」
…ふーん。なんか面白くなさそうなやつだな。なんというか…力でゴリ押ししてる?簡単そうだね。よし、まずはあれ片付けるかな。
「ねぇ、そこのあんた。弱そうな筋肉晒して何がしたいの?」
「あぁん?なんだガリヒョロのアマじゃねぇかよぉ。雑魚め。一思いに殺してやんよ!」
そして一直線に突っ込んでくる。…一般人なら反応できずにやられるだろうな〜。常人なら
うーん。せっかくだし初中級魔法だけ倒し縛りするか。
「《ファイア》《ファイアボール》《ウィンド》《ウィンドカッター》《ライトニング》《フラッシュニングボール》《ウォーター》《ウォーターボール》《グラス》《グラスカッター》《バインド》《ダークボール》…【焔 涙命 雷 風 生 死 不朽の真理は朽ち果てん…】《全属性魔法 エタプル・アロー》
肉塊すら残らずに消滅してしまった…初級だけで十分だったのかな?




