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3話 新しいご主人様

最後まで何処かの幻獣園と個人のお金持ちが競っていたらしいけど、結果どっかのお金持ちに買われる事になったらしい。

幻獣園ちょっと良さそうだと思ったんだけどな……。


個人の持ち物だと、また何十年後かに売られる事になるじゃん。


「面倒うくさ」


「まあまあそう言わないで、買い手の人は若い実業家でイケメンだそうだよ」


「えー胡散くさ」

結局私はその人に、三千万ちょっとで買われたらしい。

凄い大金らしいけど、ピンと来ない。私が貰える訳じゃないし、ただ金払いが良いところは、飼育環境も良いだろうってことらしい。


若い男って言うところが、ちょっと怖いんだけど……。



それからまた、とんとん拍子で受け渡しが決まった。なんか色々手続きがあったらしいけど、私自身は何もやる事がない。

精々、写真詐欺と言われないよう、急に体型変えたり傷作ったりしないようにするくらい?


そんなこんなで、また同じ輸送用の水槽に入れられて、移動される事になった。



「エレベーターに乗るの?」


「ああ、このビルの上階がペントハウスになっているらしいんよ」


「はぇ~」

中にペット屋しか居なかったので、声をかけたけど隙間から見えるエレベーターもでっかい。確かにお金持ちなんだろうな。

また大きい水槽だと助かるんだけど。


「お待たせいたしました三木本様。ご注文の商品をお持ちしました」


胡散臭いペット屋が、芝居がかった仕草で目隠しの布を取り払った。


「ふんっ」

新しいご主人様は、確かに若い男だった。本当に社長なのって感じの。

ほら、社長ってお爺さんってイメージあったから。まぁそれも全部テレビ知識だけどね。


「遅かったな」


「すみません、色々手順がありまして」


「きちんと管理していたんだろうな」


「それはもう」

うーんイケメンっちゃイケメンだけど、偉そうで嫌な奴っぽい?

日本人だから目も髪も黒いのは一般的だけど、切れ長の目は冷たそうだし、スッと通った鼻梁は鼻持ちならない感じ。

ええ嫌だな~ペット屋も怪しい奴だったけど、これから此奴と暮らすのぉ……。


なんか身体もでかくて怖い、暴力的じゃ無いと良いんだけど。


「ええ~しかも水槽狭いじゃん!」

用意されていたのは、二畳くらいの広さと、高さは180センチくらいかなって感じ。そりゃ移動用とか、お風呂の湯船よりは良いけどさ。

熱帯魚とか飼うなら、大きい水槽だと思うよ、でも私には泳ぐってスペースじゃない。


お金持ちって聞いてたのに、ちょっと期待外れだよ!


「っ! ……今作らせてるから、我慢しろ!」

怒ったのかな?

私を睨むとそう言って、新しいご主人はぷいっとそっぽを向いてしまった。


私は、ペット屋と作業員みたいな人たちに抱え上げられ梯子を登ると、ドボンとその水槽に入れられて、引き渡しは終わり。

失敗したかな、もっと愛想良くするべきだったかな?


ええい、いいや。気に入らなかったら、早めにまた売りに出してくれて良いからね。今ならまだ、幻獣園が買ってくれるかもしれないし。

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