第8話 残酷な選択をするぜ!! 深夜の教会で、頭のイカレタ狂ったテストをやるぜ!! 毒薬を持って猛ダッシュだぜ!! ~この世界、予測不可能だぜ!!~
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべながら、タツヤの反応を見ている。
「『レッドブラッド教団』に入って、この国の王を暗殺する手助けをすれば、ジェシカは本当に殺さないんだな?」
タツヤは確認した。
「そうだ。生かしておいてやる」
デルタは言った。
「何故、そんな取り引きを、俺に持ち掛ける?」
タツヤは聞いた。
「強い忠誠心を持つ、私の側近を探していてな。おまえには、それがありそうだ。殺すには、もったいない。私の側近として、手元に置いておきたくなった」
デルタは答えた。
「でも、断れば、ジェシカを殺して、俺も殺すんだろ?」
タツヤは再び聞いた。
「そうだ。残念だが、仕方ない」
デルタは答えた。
ーどうする? どうする? どうする? クソッ!!
タツヤは迷った。
「さっさと返答を聞かせろ」
デルタは言った。
「俺が『レッドブラッド教団』に入って、この国の王を殺す手助けをすれば、本当に、ジェシカは殺さないんだな? 本当だな?」
タツヤは再び確認した。
「そうだと言ったはずだ。さっさとしろ」
デルタは言った。
「わかった。『レッドブラッド教団』に入って、この国の王を殺す手助けをする…!!」
タツヤは承諾した!!
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべる。
「よし。メンバーテスト集会に行くぞ」
デルタは言った。
「メンバーテスト集会?」
タツヤは聞いた。
「メンバーに入りたい者達が集まって、『レッドブラッド教団』のメンバーにふさわしいか、どうか、テストする集会だ。必ず合格しろ。不合格なら、取り引きはなしだ。ジェシカを殺して、おもえも殺す」
デルタは言った。
タツヤは、デルタと共に、深夜に開催される、『レッドブラッド教団』のメンバーテスト集会へと向かう。
そこは、廃墟となっている教会だった。
そして、そこには、三十人ぐらいの老若男女達が集まっていた!!
ー女もいるのかよっ!?
タツヤは驚く。
祭壇には、剣、斧、槍、弓矢などの武器や、毒薬などの薬品が置かれていた!!
デルタは、祭壇に行き、
「神の導きによって集まった、偉大な信者達よ!! これから、『レッドブラッド教団』のメンバーテストを開催する!!」
と、宣言した。
タツヤと、三十人の老若男女達に、緊張が走る。
「テスト内容は、殺人!! これから、街へ出て、ひとり、誰でもいいから殺して、首を持って、戻って来い!! タイムリミットは、太陽が昇る朝までとする!! できなかった者は、神と『レッドブラッド教団』に対する冒涜と考え、死んでもらう!!」
デルタは言った。
ー何言ってるんだ!? 狂ってる…!! そんなこと、できるわけないだろっ!! 無理だ!! 殺すか、殺されるか、どっちかしかないのかよっ!!
タツヤは、気が動転する!!
三十人の老若男女達も、タツヤと同じようなリアクションを取る!!
「どうした? 『レッドブラッド教団』に入りたくないのか? 『レッドブラッド教団』に入れば、神の導きによって、見える世界が劇的に変化するぞ!! 今の抑圧された、クソみたいな世界から、何でも、好き勝手にできる、やりたい放題の世界へとな!! 自分を解放しろ!! 『レッドブラッド教団』へと入って、新しい世界を、我々と見ようではないかっ!!」
デルタは、熱のこもった演説をした。
ーこうやって、うまいこと、メンバーを増やしていったんだろうなっ…!!
タツヤは、三十人の老若男女達の様子を確認する。
感動して、やる気になってる者、迷ってる者、冷静に考えてる者など、反応は様々であった。
「さぁ、早くしろ!! 時間は、そんなにないぞ!!」
デルタは言った。
「クソッ!! いいさ、やってやる!! やらなきゃ、殺されるんだ。やるしかねぇ」
四十歳ぐらいの商人の格好をした男が、祭壇に行って、剣を手に取る。
それを合図にと言わんばかりに、次から次へと、三十人の老若男女達は、武器を手に取って行く。
ーマジかよっ!?
タツヤは驚く。
デルタは、タツヤの様子を見て、
「おいっ…おまえ、早く動け。モタモタするな」
と、言った。
「人殺しなんて、できるわけないだろっ…!!」
タツヤは言った。
「そうか…じゃあ、テスト不合格だ。ジェシカは殺す。おまえもだ」
デルタは言った。
タツヤは焦って、
「…待て!! わかった」
と、言って、祭壇から、毒薬を手に取る。
ーとりあえず、外に出て、どうするかは、考えよう。
タツヤは、外に出ようと教会の出口の扉へ。
デルタは、
「待て」
と、言って、タツヤを引き留め、
「おまえは、誰よりも早く、一番に戻って来い。一番に戻って来なければ、テスト不合格だ」
と、続けて言った。
「はぁ? 何でだよっ!? 無理だ!!」
タツヤは、驚き、動揺する!!
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべながら、
「一番に戻ってこそ、私の側近にふさわしい。つまり、一番に戻って来なければ、ジェシカは死ぬことになるな。おまえもだが」
と、言った。
「そんなー…!!」
タツヤはひどく困惑する!!
「早く殺しに行け。急げ。おまえには、考えてる時間など、ないぞ」
デルタは言った。
「クソッタレ!!」
タツヤは猛ダッシュで教会を出て行く!!