第4話 タイムループして、やり直すぜ!! でも、こんな結末は、予想してなかったぜ!! ~この世界、予測不可能だぜ!!~
「ジェシカ、嘘だろ!? 本当に死んだのか? なぁ、おいっ!?」
突然の急展開に、タツヤは混乱していた。
ジェシカは、変わらず、死んだかのように、ピクリとも動かない。
『赤魔導士』は、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべる。
「おまえ、誰だよ!? ジェシカに何をやった!?」
タツヤは言った。
「私か? 私の名はデルタ。この金髪の小娘は、もう死んだ。次はおまえだ」
『赤魔導士』のデルタはそう言って、最上級即死魔法『デス』を唱えようとする。
タツヤは焦りながら、
「ちょ、ちょっと待てよ!! もう少し話そうぜ!! おまえ、『レッドブラッド教団』か? ジェシカは本当に死んだのか?」
と、言った。
「そうだ。『レッドブラッド教団』だ。金髪の小娘は死んだ。では、おまえも死ね」
デルタはそう言って、最上級即死魔法『デス』を唱えた!!
「うぐっ」
タツヤは、急激な心臓発作を起こして、倒れ込む。
ー何なんだよ…これで…俺…終わりかよ。嫌だ…こんな終わりかた…もう一度…やり直したい…。
タツヤは、意識を失った。
タツヤのポケットが、眩しいほどに光り輝いて、青い光がタツヤを包み込んでいく。
タツヤは、この場から姿を消した。
その光景を見ていたデルタは、
「まさか、あのガキ、『時間魔術の指輪』を持っているのか?」
と、驚いていた。
【現在のタイムトラベル回数1回】
『異世界滅亡』から、
滅亡する前の過去へタイムループ
生存者 0人
死亡者 タツヤ、ジェシカ
※※※※※※※※※※
【タイムトラベル2回目スタート】
『フランシス王国』の宿屋の部屋から、
過去ランダムで、〇〇へタイムループ
タツヤは、ハッと目を覚ます。
そこは、『フランシス王国』の宿屋で、タツヤは白い椅子に座っている。
ジェシカは、部屋の扉の前に立ち、
「それじゃ、私、パトロールがあるから。宿代は払ってあるから、ゆっくり休むといいわ」
と、言って、扉を開けようとする。
「ちょ、ちょっと待った!!」
タツヤは焦って叫ぶ。
「どうしたの?」
ジェシカの動きが止まる。
タツヤは立ち上がって、
「扉を開けちゃ駄目だ。『レッドブラッド教団』のデルタとかいう奴が、待ち構えているぞ」
と、言った。
「えっ…!?」
ジェシカは困惑した。
「早く、逃げよう!! 殺される…!!」
タツヤは焦る。
ジェシカは動かず、何か考えてる様子だった。
「ジェシカ!! どうした!? 早く逃げないと…!!」
タツヤはさらに焦る。
「ねぇ、タツヤ。何で、あなた、扉を開けたら、『レッドブラッド教団』がいるって知ってるの? それにデルタって、確か幹部の一人の名前だったはず。何で、あなたが、そこまで知ってるの? 私、幹部の名前まで、言った覚えがないけど」
ジェシカは言った。
タツヤは混乱した様子で、
「それは…俺にも、よくわからないんだよ。とりあえず、ループしたとしか考えられないんだ。でも、見たんだよ!! ジェシカが殺されるのを!! 俺も殺される!!」
と、言った。
「何言ってるの? あなた…やっぱり、『レッドブラッド教団』のメンバーなの?」
ジェシカは、タツヤを警戒し始める。
「だから、違うって…!! 信じてくれよ!! とにかく、ここは危険なんだよ!!」
タツヤはイラ立ち始める。
ジェシカは、感情的になって、
「信じたいわよ…!! でも、あなたの言ってることが、『レッドブラッド教団』のメンバーだと思えることばかりなのよ…!! ねぇ、本当のこと言って…!! 『レッドブラッド教団』のメンバーなの? デルタに命令されたの?」
と、攻撃的になる。
タツヤも感情的になって、
「だから、違うって言ってるだろ!!」
と、怒る。
「そう。もういいわ。信じた私が馬鹿だった…」
ジェシカは、懐から、再び暗殺用ナイフを取り出す。
「お、おいっ!? 冗談だろ…!?」
タツヤは驚く。
ジェシカは、暗殺用ナイフを握って、
「今度は、急所を外したり、回復させたりしない。ここで、しっかり終わらせる!!」
と、言って、攻撃態勢をとる。
タツヤはゾッとしながら、
「お、おいっ…待てよ…!! エスカレートしすぎだろ…!! 冷静になろうぜ…なぁ」
と、両手で制止のジェスチャーをする。
ジェシカは、
「待つわけないでしょ、バカ。もう騙されないわ」
と、言って、タツヤに斬り掛かる!!
「おいっ!! マジかよ!! 何でこうなるんだよ!! バカ野郎!!」
タツヤは、悲痛な叫びを上げる。
ジェシカは、お構いなしに、素早い動きで、タツヤの首と腹を斬った!!
「ぐあっ!!」
タツヤの首と腹から、血が辺り一面に飛び散る。
タツヤは倒れ込んだ。
タツヤの首と腹から、多量の血が床に流れ落ちる。
ジェシカは、倒れているタツヤを見下ろして、
「急所を斬ったから、今度は助からない。まぁ、手当てする気なんてないけど」
と、言った。
ジェシカは続けて、
「さてと、次は、扉の前で、待ち構えてるデルタね。その報告は、嘘じゃないわよね?」
と、言って、扉の前へと向かう。
タツヤは、意識を失いかけていた。
ーこんな結果になるなんて…また、やり直したいぜ…できるかな…ループ…頼む…また…ループしてくれ。
意識を失う直前に、デルタの最上級即死魔法『デス』を唱える声と、ジェシカの「うっ!!」という苦しそうな声が聞こえてきた。
ーまた、ジェシカは殺されたんだろう。
ー結局、何も変わらず、終わってしまった。
タツヤは、意識を失った。
タツヤのポケットが、眩しいほどに光り輝いて、青い光がタツヤを包み込んでいく。
タツヤは、この場から姿を消した。
【現在のタイムトラベル回数2回】
①『異世界滅亡』から、
滅亡する前の過去へタイムループ
生存者 0人
死亡者 タツヤ、ジェシカ
②『フランシス王国』の宿屋の部屋から、
ジェシカが、部屋の扉を開ける前の過去へタイムループ
生存者 0人
死亡者 タツヤ、ジェシカ
※※※※※※※※※※