先が読めない第31話 内緒? 嬉しい? 嬉しくない? この先、意識していく? どのくらいの気持ち? キャー、お互い、一緒だわ? それぞれの反応と予想? 五人どうだった? 話しておきたいことが、あるの?
タツヤは、信じられない様子で、
「両方、幸せになれる? 本当に?」
と、確認する。
エリザオーレは、笑みを浮かべながら、
「本当よ。信じられないのぉー? ひどい」
と、答えた。
タツヤは、
「いや、信じるけどさ。本当に、内緒にするのか?」
と、言って、考える素振りをする。
エリザオーレは、笑みを浮かべながら、
「その方がいいですよぉー。内緒にしましょうよ」
と、言って、続けて、
「ね? そうしましょ」
と、念を押す。
タツヤは、腕を組みながら、
「う~ん……」
と、言って、考える素振りをして、
「確かに、場の空気が、盛り下がるのは、嫌だし、ジェシカも、後に控えてるしな。内緒にしておいた方が、いいかもなぁ……」
と、言った。
エリザオーレは、笑みを浮かべながら、
「そうでしょ? 別に、悪いことでは、ないですよぉー。この場合」
と、肯定するように言って、続けて、
「みんなには、私が、ドジして、カードを落として、無効になったってことで」
と、お願いをする。
タツヤは、これでいいのか、どうか、わからない、複雑な気持ちで、
「……ああ、わかったよ」
と、言った。
エリザオーレは、急に真顔になって、
「……タツヤは、嬉しい? それとも、嬉しくない?」
と、聞く。
タツヤは、不思議そうに、
「何が?」
と、聞き返す。
エリザオーレは、真顔のまま、
「私と相性が良くて、共に幸せになれるってこと」
と、答える。
タツヤは、
「嬉しいよ。でも、なんか信じられなくて」
と、答えて、心配そうに、
「占い魔女が、何度も言ってたけど、相性は、常に変化するらしいから、この先、気持ちも変化して、幸せになれない可能性だってある」
と、言った。
エリザオーレは、黙って、真顔のまま、髪の毛をいじる。
ーまずいこと、言ったかな?
タツヤは、困惑する。
タツヤは、
「エリザオーレは、どうなの? 嬉しい? 嬉しくない?」
と、聞く。
エリザオーレは、笑みを浮かべて、
「さぁ、どっちでしょう?」
と、逆に聞く。
タツヤは、
「また、クイズかよ?」
と、言って、呆れながら、
「じゃあ、嬉しいで」
と、答える。
エリザオーレは、笑みを浮かべながら、
「残念。ハズレでーす」
と、言った。
タツヤは、
「えっ? 嬉しくないの?」
と、聞く。
エリザオーレは、真顔で、
「タツヤが言っていた通りよ。相性は、常に変化するし、気持ちも変化する。今の段階では、相性が良くて、共に幸せになれると、わかって、嬉しくても、この先、どうなるか、わからない。だから、総合的に考えて、嬉しくない」
と、答えた。
タツヤは、同情した様子で、
「まぁ、そうだよな。素直に喜べないよなー」
と、言って、思い出したように、
「そういえば、幸せになるには、気持ちが、相手に、八十パーセント向かないといけないらしいけど、そこは、どうなんだ? 俺、八十パーセントも、向いてないような気が、するんだが」
と、聞く。
エリザオーレは、笑みを浮かべながら、
「大丈夫でーす。これから、気持ちが、向いていきますよぉー。例えば、今、三十パーセントぐらいでも、これから、八十パーセントぐらいまで、膨らんでいきまーす」
と、答える。
タツヤは、
「エリザオーレも?」
と、聞く。
エリザオーレは、笑みを浮かべながら、
「そうでーす」
と、答える。
タツヤは、
「そうか。これからかぁー。お互い、これから、意識していくって、ことなんだな?」
と、確認する。
エリザオーレは、
「ピンポーン。正解」
と、答えて、
「さぁ、戻りましょー」
と、言って、出入り口の扉へ向かおうとする。
タツヤは、
「あっ、ちょっと待って」
と、言って、
「エリザオーレは、今の段階で、どのくらい、俺に、気持ちが向いているの?」
と、聞く。
エリザオーレは、
「えっ!?」
と、言って、困惑する。
タツヤは、エリザオーレをじっと見ながら、
「どうした? もしかして、これも、クイズにするのか?」
と、聞く。
エリザオーレは、モジモジしながら、小さい声で、
「ええと……そうねぇー……五、いや、七十パーセントぐらい……」
と、答える。
タツヤは、
「えっ? 今、なんて言った?」
と、もう一度、確認するように、聞く。
エリザオーレは、恥ずかしそうな様子で、
「……タ、タツヤは、どうなの?」
と、逆に聞く。
タツヤは、
「う~ん……そうだなぁー……」
と、言って、腕を組み、考える素振りをして、
「六十、いや、七十パーセントぐらいかな」
と、答える。
エリザオーレは、
「キャ―、お互い、一緒だわ!!」
と、少女みたいに、はしゃぐ。
タツヤは、特に驚く様子もなく、落ち着いた様子で、
「えっ、じゃあ、七十パーセントか? へぇー、一緒なんだな」
と、言った。
エリザオーレは、楽しそうな様子で、元気よく、
「なんか、この先も、相性がいいままで、共に、幸せになれそうな気が、してきたよぉー!!」
と、言った。
タツヤは、
「そ、そうか……?」
と、呆気にとられながら、
「じゃあ、みんなの所へ戻ろう」
と、言って、出入り口の扉を見る。
エリザオーレは、
「はーい」
と、返事をする。
ーさすが、『フランシス王国騎士団』の六人目。やっぱり、普通の女じゃないな。
タツヤは、再び、感心する。
タツヤとエリザオーレは、出入り口の扉を開けて、外へと出た。
カロリーネが、
「どうだった?」
と、声をかける。
クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ、ジェシカから、結果を早く聞かせろ、という雰囲気が伝わってきた。
エリザオーレは、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ)の時と同じように、占いの結果を、この場にいる全員に、報告した。
カロリーネは、
「えっ!? 無効!?」
と、驚いて、残念そうに、
「エリザとタツヤの組み合わせ、おもしろそうだったのに」
と、言った。
クリスは、
「無効ねぇー……さすがに、それは予想外だわ。もう一回、やってもいいんじゃない?」
と、提案する。
ホワイトレミ―は、クリスに同調するように、
「クリスの意見に賛成。エリザ、もう一回やってきても、いいわよ」
と、言った。
マリアレーヌは、否定するように、
「無効でもいいんじゃない? ドジなエリザが、悪いわけだし、二回やるのは、公平じゃない」
と、言った。
ジェシカは、腕を組んで、考える素振りを見せながら、
「私は、どちらでもいいと思う」
と、言って、続けて、
「エリザ自身が、無効と決めたのなら、それでいいし、クリスやレミ―に言われて、二回目をやるのも、構わない。エリザが、自分で決めればいいわ」
と、言った。
エリザオーレは、はっきりと、
「私は、無効でいい」
と、言った。
クリスは、エリザオーレに、
「本当にいいの?」
と、心配そうに聞く。
ホワイトレミ―も、クリスに同調するように、
「エリザ、遠慮しなくていいわよ」
と、言った。
エリザオーレは、
「大丈夫。私は、無効でいいから」
と、言った。
カロリーネ、クリス、ホワイトレミー、マリアレーヌ、ジェシカは、エリザオーレの意思を尊重して、これ以上、意見を述べようとは、しなかった。
タツヤとエリザオーレの占い結果は、無効となった。
エリザオーレは、黙ったまま、タツヤにウインクする。
タツヤは、やれやれといった様子で、エリザオーレを見返した。
ジェシカが、
「これで、残りは、私だけね?」
と、確認する。
タツヤは、
「そうだな」
と、答えた。
カロリーネが、タツヤとジェシカに、
「今のところ、タツヤとの相性は、ホワイトレミ―が、一番良くて、タツヤが、誰と結ばれたら、幸せになれるかは、マリアレーヌよ」
と、言って、続けて、
「結果を、楽しみにしてるわ」
と、言った。
クリスは、タツヤとジェシカを見て、ニヤニヤしながら、
「この組み合わせが、一番なんじゃない?」
と、予想する。
ホワイトレミ―は、腕を組んで、考える素振りをしながら、
「本当、結果が、一番気になるわ。やっぱり、一番なのかしら?」
と、クリスと同じ予想をする。
マリアレーヌも、クリスやホワイトレミ―に、同調するように、
「たぶん、一番いいと思うわ。この組み合わせなら、両方、幸せもあると思う」
と、同じ予想をする。
エリザオーレは、否定するように、
「そうかなぁー? 私は、一番になるとは、思えないけどなぁー」
と、言った。
ジェシカは、呆れた様子で、
「みんな、好き勝手に、予想しないでほしいわ」
と、言った。
タツヤは、ジェシカに、
「いいじゃん。みんな、楽しんでる証拠だよ。楽しもうぜ」
と、言って、笑みを浮かべる。
ジェシカは、
「まぁ、そうね」
と、言って、タツヤに同意する。
タツヤは、
「さてと、行きますか?」
と、ジェシカを誘う。
ジェシカは、
「そうね」
と、返事をする。
タツヤとジェシカは、『占いの館』の扉を開けて、中へと入る。
中の様子は、前の五人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ、エリザオーレ)の時と、同じであった。
ーこれで、この風景を見るのも、最後か。
タツヤは、周囲を見回す。
薄暗く、天井にピンクの照明。
中央に、巨大な『黒い壺』。
その『黒い壺』の中に、光り輝く水。
その横に、丸い黒色のテーブル。
テーブルの上に、光り輝く『水晶玉』。
そして、『黒い壺』と『水晶玉』を、囲むように、複数の紫のソファー。
ジェシカは、紫のソファーを指差して、
「座らない?」
と、タツヤを誘う。
タツヤは、
「えっ? ああ」
と、不思議そうにしながら、誘いに応じる。
タツヤとジェシカは、紫のソファーに座った。
ジェシカは、
「どうだった? 今までの五人は? ここで、何か話をした?」
と、聞く。
タツヤは、思い出しながら、
「ああ。いろいろと話をしたよ」
と、答えて、続けて、
「それぞれ、個性的というか、まぁ、おもしろかったよ」
と、言った。
ジェシカは、
「へぇー。どんな話をしたか、興味あるわね」
と、言った。
タツヤは、
「そんな大した話は、してないよ。ほとんど、恋愛話」
と、言った。
ジェシカは、
「例えば、私のこと、好きなのとか?」
と、聞く。
タツヤは、
「えっ!?」
と、驚くと同時に、ドキッとする。
ジェシカは、
「……ねぇ、タツヤ、私、あなたに、話しておきたいことが、あるの」
と、言った。




