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先が読めない第30話 勘と内緒の話? エリザオーレの印象? タツヤの印象? ここで、クイズ? 反応なし? どうして、そんなことを? ここで、クイズ(2回目)? 驚きの真実? みんなには、内緒にしてね?

 中の様子は、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ)の時と、同じであった。


 ーこれで、五回目か。さすがに、見慣(みな)れたな。


 タツヤは、周囲を見回す。

 

 薄暗く、天井にピンクの照明。


 中央に、巨大な『黒い(つぼ)』。


 その『黒い壺』の中に、光り輝く水。


 その横に、丸い黒色のテーブル。


 テーブルの上に、光り輝く『水晶玉(すいしょうだま)』。


 そして、『黒い壺』と『水晶玉』を、囲むように、複数の紫のソファー。


 エリザオーレは、いきなり、

「えっと……タツヤって、彼女さんとか、いるんですかぁー?」

 と、聞く。


 タツヤは、戸惑(とまど)いながら、

「えっ……!? いや、いないけど」

 と、答える。


 エリザオーレは、

「それじゃ、好きな人は?」

 と、聞く。


 タツヤは、戸惑いながら、

「えっ!? いや、えっと、いないかなー」

 と、答える。


 エリザオーレは、

「ジェシカのこと、好きって聞いたんですけど、本当ですかぁー?」

 と、聞く。


 タツヤは、戸惑いながら、

「ええっ……!? いや、う~ん……どうなんだろう……? 自分でも、よくわからないんだ。俺、そういう好きとか愛とか、恋愛ごとが、苦手でさ」

 と、答える。


 エリザオーレは、

「へぇー。そうなんですかぁー」

 と、言って、笑みを浮かべる。


 タツヤは、不思議そうに、

「誰から、聞いたの?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、

「カロリー、クリス、レミ―、マリアから」

 と、答える。


 タツヤは、

「ジェシカ以外の全員じゃねぇか」

 と、言って、呆気(あっけ)にとられる。


 エリザオーレは、「キャハハッ」と笑って、

「実は、私も、そう思ってました」

 と、言った。


 タツヤは、

「さっき、初めて会ったのに、俺が、ジェシカのことを好きだと、思ったの?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、

「はい。女の(かん)ですよぉー」

 と、答える。


 タツヤは、

「女の勘か……」

 と、言って、再び、呆気にとられながら、

「エリザオーレは、いないの? 彼氏とか好きな人とか?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、こういう話が大好きなのか、楽しそうに、

「気になります? 気になっちゃいます? どっちだと思います?」

 と、逆に聞く。


 タツヤは、

「う~ん……そうだなぁー……いないんじゃない?」

 と、予想する。


 エリザオーレは、

「どうして、そう思ったんですかぁー?」

 と、聞く。


 タツヤは、

「男の勘だよ」

 と、答える。


 エリザオーレは、

「キャー、かっこいい!!」

 と、少女みたいに、はしゃぐ。


 タツヤは、照れながら、

「それで、いるの?」

 と、再び、聞く。


 エリザオーレは、自分の唇に、右手の人差し指をくっつけて、内緒話(ないしょばなし)をするように、

「ここだけの話ですよ。実は、私、彼氏も好きな人も、いないんですっ……!!」

 と、答える。


 タツヤは、

「いないんだったら、そんな、内緒にする必要ないんじゃない? てっきり、いるのかと思っちゃったよ」

 と、言った。


 エリザオーレは、楽しそうに、

「エヘヘッ。秘密ですよぉー」

 と、言った。


 ーおもしろい子だな。


 タツヤは、笑みを浮かべる。


 エリザオーレは、

「どうですかぁー?」

 と、聞く。


 タツヤは、

「どうですかって、何が?」

 と、聞き返す。


 エリザオーレは、

「それ、女の子の口から、言わせるんですかぁー?」

 と、聞く。


 タツヤは、

「はぁ!? だから、何が?」

 と、聞き返す。


 エリザオーレは、

「タツヤ、かっこわるい」

 と、言った。


 タツヤは、

「ええっ!? 一体何だよ?」

 と、言って、呆気にとられる。


 エリザオーレは、

「もう、いいです。行きましょ」

 と、言って、『黒い壺』の所へ行こうとする。


 タツヤは、ハッと気がついて、

「あっ、わかった!! 俺が、エリザオーレのこと、どう思うか、聞こうとしたんだな?」

 と、確認する。


 エリザオーレは、振り向いて、

「そうですよぉー。こういうこと、聞くのって、すごく勇気がいるんだから……!!」

 と、言って、続けて、

「でも、もういいです。行きましょ」

 と、言って、背を向ける。


 タツヤは、

「そうか。すまなかったな」

 と、言って、反省した様子で、

「明るくて、おもしろい子だなって、思ったよ」

 と、言った。


 エリザオーレは、立ち止まって、背を向けたまま、

「明るい? おもしろい? 私、いつも、そういう印象しか持たれない……!!」

 と、言った。


 タツヤは、不思議そうに、

「別に悪くないだろ? むしろ、明るくて、おもしろいって、好印象だと思うけど」

 と、言った。


 エリザオーレは、再び、振り向いて、はっきりと、

「私のタツヤの印象、教えてあげる。人に好かれようとして、好きとか嫌いとか、はっきり言えない人。相手に合わせてばかりで、自分がない人。本音を言えない人」

 と、言った。


 タツヤは、

「そんなことないぜ。っていうか、ズバズバ言うんだな」

 と、言って、驚く。


 エリザオーレは、

「私、そういう女だから。結局、みんな、好きだから、どの子が一番好きとか、決められないでしょ? そうやって、優柔不断(ゆうじゅうふだん)な態度でいると、みんな、うんざりして、離れていくよ」

 と、言った。


 ーこの子、とぼけたフリして、ちゃんと見てるな。こっちが本性(ほんしょう)か? さすが、『フランシス王国騎士団』の六人目。普通の女じゃないな。


 タツヤは、感心して、エリザオーレの様子を観察する。


 エリザオーレは、

「……なーんてね。エへへッ、気分、悪くした? ごめんなさい」

 と、言って、舌をペロリと出し、

「タツヤは、優しくて、思いやりがある、いい人だと思う。モテるでしょうね。みんな、心を開いてるのも、納得だわ。さぁ、行きましょー」

 と、言って、『黒い壺』の所へと行く。


 タツヤは、

「いや、マリアレーヌには、嫌われてるけど。俺には、心を開かないとか、言ってたし。それに、エリザオーレも、心を開いてるのか、わからない」

 と、言った。


 エリザオーレは、ニヤニヤしながら、

「ここで、クイズでーす。エリザオーレは、ジェシカ、カロリーネ、クリス、レミ―と同じように、タツヤに心を開いているのか? それとも、マリアみたいに、心を開いていないのか? さぁ、どっちだぁー?」

 と、言って、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ)の時と同じように、『黒い壺』の光り輝く水の中に、手を突っ込む。


 タツヤは、

「何だよ、そのクイズ。わかんねー」

 と、苦笑する。


 エリザオーレは、急に真顔(まがお)になり、

「答えて」

 と、聞く。


 タツヤは、困惑しながら、

「ええっ!? ……じゃあ、心を開いてないで」

 と、答える。


 エリザオーレは、黙ったまま、光り輝く水を眺めている。


 タツヤは、

「えっ!? 正解は?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、声を出さずに、唇だけ動かして、答えを言う動きをする。


 タツヤは、

「それじゃ、わかんねーよ。声を出して」

 と、お願いをする。


 エリザオーレは、笑みを浮かべながら、

「もう、答えは言いましたぁー」

 と、言って、続けて、

「フォーチュン・テリング(占い)」

 と、言った。 


 部屋全体が、真っ白な空間へと変わって、占い魔女が現れる!!


 占い魔女は、

「次は、エリザオーレかい。久し振りだねぇ」

 と、言った。


 エリザオーレは、

「久し振りね、占い魔女さん。元気? 調子はどう?」

 と、言った。


 占い魔女は、両手を叩く!!


 子供のレッドドラゴンが現れて、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ)の時と同じように、白いテーブル、白い椅子、お菓子を、セットする。


 占い魔女は、

「座りなさい」

 と、言った。


 タツヤとエリザオーレは、椅子に座る。


 占い魔女は、

「何で占うんだい?」

 と、聞く。


 タツヤは、横に座っている、エリザオーレを見る。


 エリザオーレは、タツヤに、

「みんな、何で占ってたの? タロットカード?」

 と、確認する。


 タツヤは、

「タロットカードだよ」

 と、答える。


 エリザオーレは、

「やっぱり、タロットカードかぁー。定番の占いで、つまんなーい」

 と、言って、不満そうにしながら、占い魔女に、

「タロットカードで、お願いしまーす」

 と、言った。


 占い魔女は、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミー、マリアレーヌ)の時と同じように、呪文を唱えて、手から、タロットカードを出す!!


 占い魔女は、

「タツヤは、カードをめくって、読んでいくところまで、やり終えてるから、エリザオーレだけね? いいかい?」

 と、確認する。


 エリザオーレは、

「はい。いいですよぉー」

 と、承諾(しょうだく)する。


 占い魔女は、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ)の時と同じように、エリザオーレに、タロットカードを、シャッフルさせて、テーブルに、三枚並べさせるところまで、やらせた。


 占い魔女は、エリザオーレが並べた、三枚のカードをめくる。


 占い魔女は、しばらく、考える素振(そぶ)りをして、

「カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌにも言ったけど、相性は常に変化するからね。断言はできないわよ。いいね?」

 と、前置きをして、

「今の段階では、あなた達の相性は、いいわね」

 と、伝える。


 タツヤは、

「そうか。良かった。この前の、マリアレーヌの時には、最悪の相性って、言われてたからなー」

 と、言って、安心する。


 エリザオーレは、特にリアクションをせず、下を向いて、黙っている。


 タツヤは、不思議そうに、

「エリザオーレ?」

 と、言って、エリザオーレを観察する。

 

 占い魔女は、エリザオーレを見ながら、

「いいかしら?」

 と、言って、結果を告げようとする。


 タツヤは、エリザオーレを、代弁(だいべん)するかのように、

「どうぞ」

 と、言って、続けて、

「結ばれたら、俺とエリザオーレは、幸せになれるか、どうかですよね?」

 と、確認する。


 占い魔女は、

「そうよ」

 と、答えて、

「それで、結ばれたらー」

 と、告げようとする。


 エリザオーレは、

「あっ、ごめんなさい。床にカード、一枚、落としていたみたい」

 と、口を(はさ)む。

 

 タツヤは、

「マジかよ!?」

 と、言って、驚く。


 占い魔女は、

「おや? それじゃ、無効(むこう)になってしまうね」

 と、言って、困惑する。


 エリザオーレは、落ちたタロットカードを、テーブルに置いて、申し訳なさそうに、

「ごめんなさい。私、ドジで、時々(ときどき)、こういうヘマをしてしまうの」

 と、頭を下げる。


 占い魔女は、

「どうする? もう一回するかい? 料金は、おまけで、なしにしてあげるけど」

 と、聞く。


 タツヤは、エリザオーレを見ながら、

「どうする?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、

「私達は、無効でいいです。みんな、一回だけなのに、私だけが、二回目をやったら、公平じゃなくなる」

 と、言った。


 占い魔女は、

「そうかい。それなら、これで終わりで、いいかい?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、

「はい。いいですよぉー」

 と、答えて、席を立つ。


 タツヤも、席を立つ。


 占い魔女は、両手を叩く!!


 子供のレッドドラゴンが現れて、前の四人(カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―、マリアレーヌ)の時と同じように、出口へと案内する。


 タツヤとエリザオーレは、真っ白な空間の部屋から、出る。


 タツヤは、残念そうに、

「あーあ、結果、知りたかったなぁー」

 と、言った。


 エリザオーレは、

「結果なら、知ってる」

 と、言った。


 タツヤは、

「えっ!?」

 と、言って、驚く。


 エリザオーレは、

「私、親が占い師で、占い師になるために、小さい頃から、親がする占いを見たり、勉強をしたりしてきたの。だから、占い魔女がめくった、カードの意味と、そこから(みちび)き出す答えは、告げられなくても、見れば、わかる」

 と、言った。


 タツヤは、

「でも、カードを、床に落としたんだろ? 結果が、わかっていたとしても、無効じゃん」

 と、言った。


 エリザオーレは、(ふところ)から、落としたと思われる、タロットカードを出して、

「床に落としてないわ。これは、私がお守り代わりとして、常に持っている、タロットカードよ。これを落としたことにして、テーブルに置いたの」

 と、言った。


 タツヤは、驚きながら、

「どうして、そんなことを?」

 と、聞く。


 エリザオーレは、

「無効にしないと、つまんなくなるから」

 と、答えた。


 タツヤは、

「は? 意味わかんねー」

 と、言って、混乱する。


 エリザオーレは、

「じゃあ、ここでクイズでーす」

 と、言って、

「私とタツヤの相性が、良くて、しかも、両方、幸せになれるって、聞いたら、みんな、どう思うでしょう? 特に、この後、控えてる、ジェシカは、どう思うでしょう?」

 と、言った。


 タツヤは、

「まぁ、気分は盛り下がるよな。えっ……ってことは」

 と、言って、エリザオーレをじっと見る。


 エリザオーレは、嬉しそうに、

「そうよ。タツヤと私、両方、幸せになれるの……!!」

 と、言って、自分の唇に、右手の人差し指をくっつけて、内緒話をするように、

「でも、それは、みんなには、内緒にしてね……!!」

 と、言った。

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