第19話 絶体絶命だぜ!! 強烈な一撃で、気絶!? ラフレシア、どうなった!? 最後の騎士カルロス VS 襲撃者!? 王の最期の提案!? 自分の価値と生きる目的!? ~この世界、予測不可能だぜ!!~
タツヤは、急いで『玉座の間』へと入る!!
『玉座』に、中世の王の格好をした、フランシス王と思われる、中年ぐらいの男が座っている。
頭にかぶっている、金色の王冠が目立つ。
服装は、中世ヨーロッパの上流階級が着そうな、高級な白のチュニック(腰から膝ぐらいまでの長さの上着)を着ており、その上を、赤いマントが覆っている。
その王を、屈強な三人の男騎士が、警護している。
三人とも、鋼の兜をかぶり、鋼の鎧を装着している。
その三人の内、剣を背中に装着している者が一人、剣を腰に装着している者が二人。
剣を背中に装着している者は、タツヤを見て、
「何だ? 貴様は?」
と、言った。
タツヤは、焦った様子で、
「側近のカルロスっていう人、いるか!? すぐ来てくれ!!」
と、叫ぶ!!
剣を背中に装着している者は、
「私がカルロスだ。どういうことだ?」
と、不思議そうに聞く。
カルロスは、三十代ぐらいで、頑固で、生真面目そうな、雰囲気があった。
タツヤは、焦った様子で、
「いいから、早く来てくれ!! 早く!! 早くしないと、ラフレシアさんがー!!」
と、急かす!!
カルロスは、フランシス王に視線を向ける。
フランシス王は、黙って、頷く。
カルロスは、
「わかった」
と、言って、王を警護している二人の騎士に、
「王のそばにいろ」
と、指示する。
タツヤは、焦った様子で、
「早く!! 急いで!!」
と、急かす!!
タツヤとカルロスは、急いで出入り口の扉へ!!
その扉から、デルタが現れる!!
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「プレゼントだ」
と、言って、ポイッとゴミを捨てるかのように、ラフレシアを、床へと放り投げた!!
ラフレシアは、床に倒れ込んだまま、動かない!!
タツヤは、
「あぁっ!! そんなっ!! 殺したのかっ!?」
と、ショックを受ける!!
デルタは、
「さぁな。自分で確かめろ」
と、言った。
タツヤは、ラフレシアの生死を確認しようと、ラフレシアのそばへと行く!!
カルロスは、
「行くなっ!! 馬鹿者!! そこは、奴の間合いだ!!」
と、叫ぶ!!
「えっ?」
タツヤは、周囲を確認しようとする。
デルタの強烈な手刀打ちが、タツヤの首筋に入る!!
タツヤは、倒れ込んで、気絶する!!
デルタは、
「……これで、王手まで、あと三人か」
と、言って、カルロス達を見る。
カルロスは、
「この先は通さんぞ!! 命に代えても、王をお守りする!!」
と、言って、背中の鞘から剣を抜いて、手に取る!!
デルタは、カルロスに、
「おまえが、この中のリーダーか?」
と、聞く。
カルロスは、両手で、剣を握り締めながら、
「そうだ!!」
と、答える。
デルタは、カルロスを見ながら、
「おまえ、弱そうだな」
と、言った。
カルロスは、特に気にする様子もなく、
「弱いかどうか、確かめてみろ……!!」
と、言って、デルタの様子を観察する。
王のそばで警護している、二人の騎士も、鞘から剣を抜いて、手に取る!!
デルタは、王のそばで警護している、二人の騎士を指差しながら、
「まずは、そこのザコ二人だ。こんな弱そうな奴らが、王の側近か?」
と、挑発する!!
カルロスは、二人の騎士の方へと振り向き、
「挑発に乗るな……!!」
と、言った。
二人の騎士は、挑発に乗ってしまったかのように、
「なめやがって!!」
「行くぞ!!」
と、言って、デルタの元へと、一直線に斬り掛かる!!
デルタは、最上級即死魔法『デス』を、連続で唱えた!!
二人の騎士は、倒れ込んで、死んだかのように、動かなくなった!!
カルロスは、驚いて、
「最上級即死魔法か!? 馬鹿な!? 何故、使える? 『魔法制御道具』で、使えないはずだ……!!」
と、確認する。
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「その『魔法制御道具』は、破壊された。残念だったな」
と、答えて、
「おまえも死ね」
と、言って、最上級即死魔法『デス』を、唱えようとする!!
カルロスは、
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
と、猪突猛進で、一気にデルタとの間合いを詰める!!
デルタは、
「何!?」
と、驚いて、唱えるのを止める!!
カルロスは、そのまま、上から、横から、下から、勢いよく剣を振り回す!!
デルタは、余裕で、全部かわした!!
ー全部かわすのか!?
カルロスは、驚くと同時に、
「クソッ!!」
と、イラ立つ!!
ブン!! ブン!! ブン!! ブン!!
斬撃の当たらない音だけが、空しく響く。
カルロスは、呼吸を乱しながら、
「ハァ…ハァ…ハァ…当たらない!? 何故だ!?」
と、不思議そうに言った。
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「遅いからだ。『フランシス王国騎士団』の、ビッチどもの攻撃は、もっと速かったぞ」
と、言った。
カルロスは、呼吸を乱しながら、悔しそうに、
「ハァ…ハァ…ハァ…クソッ!! だが、諦めんぞ!! ハァ…ハァ…ハァ…一撃でも入れば、形勢逆転だ!!」
と、言って、ひたすら剣を振る!!
だが、その剣は、デルタに、かすりもしなかった!!
デルタは、
「遅いな。それと、やっぱり、おまえ、弱いな。『フランシス王国騎士団』の、ビッチどもの方が、強い」
と、言って、左手で、カルロスの腕をつかんで、動きを止め、右手を、カルロスの目の前に出し、最上級破壊魔法『ブラインド・ネス』を唱えた!!
カルロスは、
「ぐぁぁぁぁぁー!!」
と、悲鳴を上げて、両目の視力を失った!!
デルタは、右手を、カルロスの体の前に出し、衝撃魔法を唱える!!
カルロスは、壁まで吹き飛んで、背中を強打する!!
カルロスは、
「ぐあっ!!」
と、苦痛の声を出し、両手で、剣を握ったまま、倒れた!!
デルタは、感心した様子で、
「まだ、剣を手放さないとは……。騎士としてのプライドか?」
と、聞く。
カルロスは、呼吸を乱しながら、ヨロヨロと立ち上がり、
「ハァ…ハァ…ハァ…そうだ」
と、答えて、
「……どんな状態になろうと、私は、王をお守りする!! それが、私の使命だからだ!! 私が、この世に生を受けた理由だ!!」
と、言って、両手で剣を握ったまま、デルタの元へと行こうとする!!
しかし、両目の視力を失っており、ウロウロした様子で、見当違いの方角へと、進んでしまう!!
カルロスは、呼吸を乱しながら、
「ハァ…ハァ…ハァ…どこだ? どこだー? そこか!?」
と、言って、剣を振り回す!!
デルタは、
「哀れな騎士だ。見てられん。終わりにしてやる」
と、言って、最上級即死魔法『デス』を唱えようとする!!
その時!!
フランシス王が、玉座から立ち上がり、
「待て!!」
と、口を開く!!
デルタとカルロスは、フランシス王の方へ、視線を向ける。
フランシス王は、デルタに、
「どうか、私の命と引き換えに、カルロスを殺さずに、見逃してくれぬか?」
と、お願いする!!
カルロスは、フランシス王の提案を、
「何を言っているのですか? 敵に、一撃も与えることができず、弱いと馬鹿にされ、両目の視力も奪われた、今の私に、何の価値もありません!! 自分の命と引き換えになど、そんなこと、言わないでください!!」
と、否定する!!
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「……いいだろう。今、この場で、自害しろ」
と、フランシス王に要求する!!
フランシス王は、玉座の後ろの壁に飾ってある、剣を手に取る!!
カルロスは、
「どうか、止めてください!! 絶対、駄目です!! 私は、ここで死んでも、構いませんから!! いや、ここで、王を守る最後の騎士として、死なせてください!! 王が死んでしまったら、私は生きる目的を失います!! お願いですから、止めてください!!」
と、悲痛な叫びを上げる!!
フランシス王は、
「カルロス、今まで、私に忠誠を示し、人生の全てを捧げてくれて、ありがとう。これからは、もう、自由だ。好きに生きなさい。きっと、再び、生きる目的も、できるだろう」
と、笑みを浮かべる。
フランシス王は、意を決して、
「五十八年間、良き人生だった!! 神よ、感謝します!!」
と、言って、鞘から剣を抜き、自分の首に突き刺した!!
いつの間にか、深夜から、再び、早朝へと時間が経過しており、窓から、太陽の光が優しく差し込み始め、倒れ込んでいる、フランシス王を照らすのであった……!!




