第18話 さらに驚く展開だぜ!! こらえきれない涙!? ここで、倒すしかない!? 仕掛け道具 VS 襲撃者!? ジェシカの意味不明な行動と、その表情の意味は!? ~この世界、予測不可能だぜ!!~
ジェシカは、タツヤの心情を察するかのように、目に涙を浮かべている、タツヤの表情をじっと見る。
ラフレシアは、場の空気を読むかのように、ただ、黙って、様子を見ている。
ジェシカは、
「……私に会いに来たの?」
と、口を開く。
タツヤは、
「ああ、そうだよ……!!」
と、言って、こらえきれずに、涙を流す。
ジェシカは、優しい声で、
「ありがとね……」
と、言った。
タツヤは、泣いてる自分を恥ずかしく感じて、手で涙を拭う。
ジェシカは、黙って、タツヤの様子をじっと見る。
ラフレシアは、ジェシカに、
「……彼はね、本当に、あなたのことを想って、会いたがってたの。だから、連れて来たわ」
と、説明した。
ジェシカは、感動した様子で、
「……ありがとう……!! タツヤ……!!」
と、言った。
タツヤは、再び、目に涙を浮かべながら、
「……パトロールから、帰って来なくて、本当に、心配したんだぞ……!!」
と、言った。
ジェシカは、
「それは……」
と、言って、口を閉ざす。
タツヤは、再び、涙をこらえながら、
「どうしたんだよ……? 言えないことなのかよ……?」
と、言った。
ジェシカは、困惑しながら、
「……今は、勤務中だし、話せない。終わってから、ゆっくり話すわ。待ってて」
と、言った。
タツヤは、『フランシス王国騎士団』として、ホワイトレミ―と同じように、中世ヨーロッパの剣士が着るような、赤の剣士服と緑のマント姿で、警護しているジェシカを、まじまじと見る。
タツヤは、状況を理解したように、
「……わかった」
と、了解して、
「あっ、そうだ。俺も話したいことがあるんだ」
と、思い出す。
ー今までのことや、現在の状況を話さなきゃ……!! ラフレシアさんに、嘘がバレるけど、もう、いいか。嘘をつき続けるのも、嫌だし。とりあえず、デルタにバレなければ、大丈夫だ。全て話すとしたら、今、このタイミングだ……!! そんな気がする……!!
タツヤは、ジェシカとラフレシアを、交互に見ながら、
「ジェシカ、ラフレシアさん、聞いてくれ……!! 大事な話だ……!! 実はー」
と、今までのことや、現在の状況を話そうとする。
その時!!
「おいおい、全部、話す気か? 見損なったぞ」
と、聞き慣れた声がした。
タツヤは、後ろを振り向く。
『赤魔導士』のデルタがいた!!
タツヤは、
「嘘だろっ!? おいっ……!! マジかよ……!!」
と、驚く!!
ラフレシアは、驚くと同時に、
「あなた、『レッドブラッド教団』の幹部、『赤魔導士』のデルタね!?」
と、確認する。
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「そうだ。おまえは、王女のラフレシアか? 部屋にいなかったから、何処にいるかと思ったら、こんな所にいたのか」
と、言った。
ラフレシアは、驚きながら、
「私の部屋に来たの!? 警備のゴンザレスは? 『フランシス王国騎士団』のホワイトレミ―も、警備に当たっていたはず」
と、言った。
デルタは、
「ゴンザレス? 誰だ、それ? とりあえず、部屋の前にいた警備員は、殺したぞ。ホワイトレミーは、私と戦って、両腕にヒビが入って、剣が振れない状態だから、今頃、『レッドブラッド教団』のメンバーの手によって、殺されてるだろうな」
と、言った。
ラフレシアは、
「そんな……!!」
と、ショックを受けて、落ち込む。
タツヤは、覚悟を決めて、ラフレシアに視線を送り、
「大丈夫!! 『魔法制御道具』を仕掛けてあるんですよね!? それなら、デルタは強い魔法を使えないし、ジェシカもいるし、『玉座の間』には、王を守る、強い側近もいるんでしょ!? その人も呼んで、一緒に戦えば、勝てますよ!!」
と、言って、鼓舞する!!
ラフレシアは、奮い立ち、
「……そうね!! 王女として、誇り高く、私も戦うわ!! ジェシカさん、『玉座の間』にいる、父の側近のカルロスを呼んで!!」
と、言って、ジェシカを見る。
タツヤは、ハッと閃いて、
「……そうだ!! ジェシカ、『フランシス王国騎士団』のカロリーネとクリスも呼べるか? 今、何処にいるかは、わからないけど、あの二人もいれば、心強いぜ!!」
と、言って、ジェシカを見る。
ジェシカは、下を向いたまま、じっとしている。
タツヤは、ジェシカに、
「ジェシカ!? どうしたんだよ!? ここで、奴をぶっ倒すぞ!! もう、やるしかない!!」
と、言って、鼓舞する!!
ラフレシアも、ジェシカに、
「ジェシカさん!! タツヤの言ってるとおりよ!! もう、戦うしかないわ!! やりましょう!! ここで、デルタを倒しましょう!!」
と、言って、同じように鼓舞する!!
ジェシカは、下を向いたまま、じっとしている。
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「『魔法制御道具』って、あの『水晶玉』のことか? もう、破壊したぞ」
と、言った。
ラフレシアは、驚き、
「嘘よっ……!!」
と、半信半疑な様子で、言った。
デルタは、
「場所は、この下の階の廊下に取り付けてある、鏡の中だろ? 『魔法制御道具』って、どんな物かと思っていたが、『水晶玉』だったとは」
と、言った。
ラフレシアは、
「嘘!? そんな……当たってる……!! なんで?」
と、驚愕する!!
ラフレシアは、続けて、震える声で、
「で、でも、所有者以外は、破壊できないわ……!! 所有者以外、触ることすらできない……!! 触ると、大ダメージを受けるし」
と、言った。
デルタは、
「そうだ。確かに、所有者以外、触ることすらできない。だから、トランス魔法で、所有者のおまえの姿に化けて、破壊した」
と、言った。
ラフレシアは、驚きながら、
「ただのトランス魔法で化けても、『水晶玉』が、本人と認識しないわ。最上級トランス魔法じゃなきゃ、『水晶玉』が、本人と認識しないわよ……!! でも、最上級トランス魔法は、制御されて、使えないはずよ……!!」
と、言った。
デルタは、
「私のような、熟練した魔導士のレベルになれば、ただのトランス魔法でも、一般の魔導士が唱える、最上級トランス魔法と同じくらいの効果を、発揮する。だから、問題なく、『水晶玉』が本人と認識した」
と、言った。
ラフレシアは、
「あぁ、そんな……!! そんな……!! どうして? どうして、場所がわかったの……?」
と、がっくりとうなだれる。
タツヤは、ラフレシアに、かける言葉が見つからず、ただ、黙って、様子を見ることしかできなかった。
タツヤは、デルタに、
「なんで、場所がわかった?」
と、ラフレシアと同じ質問をする。
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべて、
「その女が教えてくれたのさ」
と、ジェシカを指差した!!
タツヤとラフレシアは、驚愕しながら、ジェシカを見る!!
ジェシカは、まだ、下を向いたまま、じっとしている。
タツヤは、気が動転しながら、
「う、嘘つくなっ!! ジェシカが、そんなことするかよっ……!!」
と、言った。
ラフレシアも、気が動転しながら、
「そ、そうよっ……!! ジェシカさんは、人一倍、『レッドブラッド教団』を恨んでいるのよっ!! 場所を知っていても、教えるわけないじゃないっ!!」
と、言った。
ジェシカは、下を向いたまま、申し訳なさそうに、
「ごめんなさい……本当なの……私……『魔法制御道具』の場所、教えちゃった」
と、言った。
タツヤとラフレシアは、気が動転したまま、
「は? 嘘だろ……!? なんで……!?」
「ジェシカさん、何、言ってるの?」
と、言った。
デルタは、ジェシカに、
「ご苦労だったな。道を開けろ」
と、命令する。
ジェシカは、顔を上げて、デルタに、
「約束は守ってよ」
と、言って、道を譲る。
デルタは、
「ああ、守る」
と、言って、その道を通ろうとする。
ラフレシアは、立ち塞がって、
「このまま、父の所へは、行かせないわよっ!! タツヤ、急いで『玉座の間』にいる、父の側近のカルロスを呼んで!!」
と、指示する!!
タツヤは、
「わかった!!」
と、言って、ダッシュで『玉座の間』の扉へ!!
ラフレシアは、懐から、鍵を取り出し、
「鍵よっ!!」
と、言って、タツヤへ向けて、鍵を投げた!!
タツヤは、鍵を受け取り、その鍵で、急いで『玉座の間』の扉を開ける!!
そのまま、中へと入る瞬間、ジェシカと目が合った!!
ジェシカは、寂しく、悲しそうな表情を浮かべながら、タツヤへ向けて、何かを言いたそうだった……!!




