第16話 やばいぜ!! ラフレシアに、扉は開けさせないぜ!! 襲撃犯なのか? ゴンザレスなのか? 推理勝負だぜ!! やっぱり、このままだと、最悪のパターンになるのか? ~この世界、予測不可能だぜ!!~
「どうしたの?」
ラフレシアは、不思議そうに聞く。
ーどうする? このままじゃ、最悪のパターンになってしまう!! いっそのこと、全て話してしまおうか? でも、それがデルタにバレたら、おそらく、裏切ったことになって、ジェシカは、殺される……!! 俺もだ……!! バレなければ、いいか? いや、あいつ、勘が鋭いし、何かバレそうだ……。
タツヤは、考えを巡らせる。
ラフレシアは、タツヤの様子をじっと観察している。
ーやはり、言われた通り、『魔法制御道具』を、ぶっ壊して、戻るか? でも、どうやって? あぁー、クソッ!! どうすればいいんだよ?
タツヤは、困惑する。
「何か、隠してるわね? 話して」
ラフレシアは言った。
ー鋭いな、さすが王女。
タツヤは、感心する。
ーで、どうする? 話すか? 話さないで、任務を遂行するか?
タツヤは、決断に迷う。
その時、扉をノックする音が聞こえた。
「はーい、どなた?」
ラフレシアは聞く。
扉の向こう側から、
「警備の交代時間なので、来ました」
と、返事をする男の声がした。
ーあぁ、まずい!! 嘘がバレる!!
タツヤは慌てる!!
ラフレシアは、扉を開けようとする。
タツヤは、慌てながら、
「ラフレシアさん、ちょっと待って!!」
と、ラフレシアを引き留める。
ラフレシアは、振り向く。
ーこうなりゃ、ヤケクソだ!!
タツヤは咄嗟に、
「『レッドブラッド教団』の襲撃犯かもしれない……!! だから、開けないで」
と、言った。
「えっ!?」
ラフレシアは驚く。
「ほら、言ってたでしょ? 人質として、王を脅すために利用するか、この城に仕掛けてある、『魔法制御道具』の破壊のために、ラフレシアさんを狙って来るって……!!」
タツヤは、冷や汗をかく。
「そうだけど……」
ラフレシアは困惑する。
再び、扉をノックする音が聞こえて、扉の向こう側から、
「どうかしましたか?」
と、心配そうにしている男の声が聞こえる。
ラフレシアは、考える素振りを見せて、
「ちょっと待って」
と、返事をする。
ラフレシアは、タツヤに、
「襲撃犯の可能性もあるけど……でも、この声は、いつも傍で警備している、ゴンザレスの声だわ。新人でも、知ってるでしょ? ゴンザレスよ、これ」
と、確認するように言った。
ーゴンザレスって誰だよ?
タツヤは、冷や汗をかきながら、
「いや、化けてるかもしれない、そういう魔法あるでしょ? よく知ってる人物に化けて、油断させる手ですよ」
と、言った。
ラフレシアは、
「トランス系魔法のこと? でも、ここまで、声を似せることができるのは、トランス系の最上級魔法だけよ。それは、仕掛けてある『魔法制御道具』で、できないはず」
と、否定するように言った。
タツヤは、冷や汗をかき続けながら、
「その『魔法制御道具』が破壊されているとしたら?」
と、聞く。
ラフレシアは、
「ありえないわ。仕掛けてある『魔法制御道具』は、所有者の本人以外は、触ることすら、できないの。触ると、大ダメージを負うから」
と、また否定するように答える。
ーそんな物を、俺に破壊させようとしていたのかよ。あの野郎……!! っていうか、破壊なんて無理だろ……!!
タツヤは、デルタに腹を立てる。
また、扉をノックする音が聞こえて、
「もう、よろしいですか?」
と、心配そうにしている男の声が聞こえる。
ラフレシアは、
「やっぱり、ゴンザレス本人よ。警戒するのも、大事だけど、開けるわ。タツヤって、用心深いのね。いい警備員だわ」
と、言って、扉を開けようとする。
ーまずい、まずい、まずい!!
タツヤは、冷や汗をかき続けながら、
「もし、脅されているとしたら? その可能性もある。ゴンザレスさんは、脅されているのかも。扉を開けたら、ゴンザレスさんの後ろから、襲撃犯が、襲い掛かって来るかも」
と、言った。
ラフレシアは、笑みを浮かべて、観念したように、
「想像力豊かね。確かに、その可能性もあるわ。いいわ。そこまで言うなら、扉を開けないでおく。それでいい?」
と、言った。
タツヤは、ホッとして、
「はい。そうしてください」
と、お願いした。
ラフレシアは、扉の向こう側にいる男へ向けて、
「ごめん。今、一人でいたい気分なの。一人にしてくれる?」
と、言った。
扉の向こう側にいる男は、
「わかりました。部屋の外で待機していますから、何かあったら、声をお掛けください」
と、言った。
「うん。ありがとう」
ラフレシアは言った。
タツヤは、再びホッとして、
「それで、その『魔法制御道具』って、何処に仕掛けてあるんですか?」
と、聞く。
ラフレシアは、笑みを浮かべて、
「それは言えないわ。秘密よ」
と、答える。
ーそりゃ、そうだよな。教えてくれるわけないか。
タツヤは、がっかりした様子で、
「そうですよね。俺になんか、教えてくれるわけないですよね……そんな大事なこと」
と、言った。
ラフレシアは、申し訳なさそうに、
「ごめんなさいね。城を守る大事な物だから、父と母以外の人には、教えてないの」
と、言った。
ラフレシアは、続けて、
「……あっ、でも、今日は、『レッドブラッド教団』の襲撃のこともあって、仕掛けてある場所が、バレてないか心配で、うっかり、喋ってしまったわ……!!」
と、思い出したかのように言った。
「誰にですか?」
タツヤは聞く。
「『フランシス王国騎士団』のジェシカさんよ」
ラフレシアは答えた。
「ええっ!?」
タツヤは驚く。
「まぁ、場所を知っていたとしても、所有者以外は、破壊できないわよ。たぶん……」
ラフレシアは言った。
「たぶんって……」
タツヤは心配する。
ー俺が、王の暗殺の手助けをしていて、ジェシカが、その王の警護をしていて、仕掛けてある『魔法制御道具』の場所も知ってる……!! 場所さえわかれば、所有者以外の人間でも、破壊できるかもしれない……!! 破壊されたら、王もラフレシアさんも、デルタの即死魔法によって、おしまいか……?
タツヤは考えを巡らせる。
ーこれって、ますます最悪のパターンになってきているんじゃ? いや、それとも……とにかく、ジェシカに会いたいぜ……!! 今の状況を説明したいし、パトロールから、戻って来なかった理由も知りたい。
タツヤは、物思いにふける。
ラフレシアは、そんなタツヤの様子を観察しながら、
「タツヤって、ジェシカさんと知り合いなの? ジェシカさんのことになると、やけに大きく反応するけど」
と、聞く。
タツヤは、
「えっ、まぁ、はい。知り合いです」
と、答える。
ラフレシアは、ニヤニヤしながら、
「ジェシカさんのことが気になる? 会いたい?」
と、聞く。
タツヤは、素直に、
「はい。会いたいです」
と、答える。
「なら、ジェシカさんの所へ行きましょう」
ラフレシアは言った。




