第15話 やばいぜ!! 逃げろ、ホワイトレミ―!! 俺は、王女の部屋へ行くぜ!! 王女の推理炸裂だぜ!! このままだと、最悪のパターンになりそうだぜ!! ~この世界、予測不可能だぜ!!~
ーここは、退却するしかないわね……!!
ホワイトレミ―は、腕の痛みをこらえながら、赤い業火の剣を、腰に装着していた鞘に戻した。
そして、そのまま、武器と盾を持って、襲い掛かる『レッドブラッド教団』のメンバー数十人相手に、逆方向へ、クルリと背を向けて、走り出す!!
ー上の階は、あの『赤魔導士』がいるだろうし、とりあえず、地下の牢屋から、洞窟へと、逃げるしかなさそうね。
ホワイトレミーは、腕の痛みをこらえながら、廊下を走って、地下の牢屋の部屋へと向かう!!
頑丈な扉があったが、その扉は、デルタが扉を開ける呪文を唱えて、開いたままになっていた。
ー良かった。扉が開いてる……!!
ホワイトレミーは、急いで部屋の中へと入る!!
牢屋に閉じ込められている、罪人達が、苦しそうに目を見開きながら、死体となって、倒れている。
ーあの『赤魔導士』が、やったのね。
ホワイトレミ―は、驚く間もなく、急いで洞窟へと繋がってる頑丈な扉へ!!
その扉も、デルタが扉を開ける呪文を唱えて、開いたままになっていた。
ーここから、潜入したってことね。
ホワイトレミ―は、急いでその扉から洞窟へと入る!!
すぐ後ろから、
「待て!! 逃げるな!!」
「逃がさんぞ!!」
「追え!! 追え!!」
と、追って来る『レッドブラッド教団』のメンバー数十人の声……!!
洞窟の内部は、真っ暗で、何も見えない!!
ホワイトレミーは、構わず、先へと急ぐ!!
ホワイトレミ―は、『フランシス王国騎士団』のメンバーとして、日頃から、いろんな訓練を受けており、このような真っ暗の中を移動することも、訓練として受けていた。
後ろから、『レッドブラッド教団』メンバー数十人の、
「ちくしょう!! 暗くて見えねぇー」
「何処行った!?」
「松明あるか?」
「もう切らしてる。来る時、使っちまった」
と、困惑した様子が伝わってくる……!!
ーどうやら、逃げ切れそうね。
ホワイトレミーは、ホッとする。
ーだけど、あの『赤魔導士』、誰かが止めないと……!! このままだと、まずいわ……!! 深夜は、城の警備が手薄だし……!! 他の(『フランシス王国騎士団』の)メンバーは、まだ街のパトロール中だし……!! 誰か、他にいたかしら?
ホワイトレミーは、考えを巡らせながら、洞窟の内部を急いで進んでいく!!
一方その頃。
デルタに、
「さっさと行け。王女の部屋に!! 今は、警備交代の打ち合わせの時間で、部屋の前に警備がいないはずだ」
と、言われて、階段を上って、王女の部屋へと向かうタツヤ。
あの金髪の女剣士が気になって、階段を上ってる時に、金髪の女剣士とデルタとの会話を、立ち聞きしていたが、あの金髪の女剣士は、『フランシス王国騎士団』のホワイトレミーという名前らしい。
ー美人でカッコ良かったな。っていうか、『フランシス王国騎士団』って、美人ばかりだな。ジェシカ、カロリーネ、クリス、ホワイトレミ―か。全部で六人だから、残りは二人か。その二人も、きっと、美人なんだろうな。
そんなことを思いながら、階段を上って、上の階へ。
ー王女の部屋は、右の突き当りの部屋だったな。
タツヤは、右の突き当りの部屋を確認する。
デルタの言っていた通り、警備はいない。
ー本当に、特殊な制御道具を王女が持っていて、それを使っているのか? 勘だけで、こんな危ない橋を渡るのかよ。
タツヤは、ゆっくりと進む。
ーそれを、ぶっ壊してこいだと……!? 無理な注文だぜ……!! 引き返そうか? もしかしたら、ホワイトレミ―さんが、デルタを倒してるかも。そういう展開になってるといいなぁ。
そんな期待をしながら、右の突き当りの部屋の前に着いた。
ー着いてしまった……!! 王女の部屋に……!!
タツヤは溜め息をつく。
ーどうしよう? えっと、とりあえず、ノックするか?
タツヤは扉をノックする。
部屋の中から、「はーい。どなた?」と尋ねてくる女の声がする。
タツヤの頭の中で、
「どーも。『レッドブラッド教団』です。王女が持って、使っている、特殊な制御道具を、ぶっ壊しに来ましたよ」
と、いう正直な返答が浮かぶ。
ーいや、待て待て待て。それは、まずいだろ? ここは、適当に嘘ついて、ごまかすしかない。
タツヤは、咄嗟に、
「新人警備員として、ご挨拶に来ました」
と、言った。
部屋の扉が開いて、中から、女が出て来た。
女は、落ち着いた雰囲気で、気品が漂っている。
見た目は二十代。
髪色は茶色で、髪型は、ロングヘア(胸の下くらいまでの長さ)で、波のようにウェーブしている。
顔立ちは、ジェシカやホワイトレミ―のように、キリっとしており、中世ヨーロッパの美女を彷彿とさせるが、二人と違って、中世ヨーロッパの上流階級にいそうな美女を彷彿とさせる。
服装は、中世ヨーロッパの上流階級が着そうな、優雅な白のロングドレス。
ー綺麗な人だ。まさしく王女。
タツヤは見とれる。
「よろしくね、新人警備員さん」
上流階級の女は、ニッコリと笑う。
「あっ、はい。よろしくお願いします。」
タツヤは我に返る。
「名は、なんて言うの?」
上流階級の女は聞く。
「タツヤって言います」
タツヤは答える。
「よろしく、タツヤ。ラフレシアよ。ラフレシア王女って、呼ばれるのは、堅苦しいから、ラフレシアって呼んで」
ラフレシアは言った。
ーやっぱり、王女だったのか。そうだよな。
タツヤは納得した。
「とりあえず、中へ入って」
ラフレシアは言った。
「はい。お邪魔します」
タツヤは部屋の中へと入る。
部屋の中は、中世ヨーロッパの優雅な雰囲気を、醸し出していた。
白の大きなベッド。
天井には、白のシャンデリア。
茶色のテーブルと茶色の椅子。
その茶色のテーブルの上に紅茶。
白い壁。
その白い壁に飾ってある、複数の絵画。
隅には、茶色のオルガン。
ラフレシアは、
「眠れなくて、ちょうど、誰かと話をしたかったところなの。座って」
と、言って、椅子に腰かけて、紅茶のカップを手にする。
タツヤは、言われるがまま、椅子に座って、ラフレシアとテーブルで向き合う。
「今夜、『レッドブラッド教団』が、私や、この城の女性達を、レイプしようと襲いに来るって、情報が入ったの。だから、先回りして、城の兵士達を、その『レッドブラッド教団』が集結しているアジトへと向かわせて、一網打尽にしたの。でも、そのせいで、今、この城は警備が手薄なの。スカスカなのよ」
ラフレシアは言った。
ー確かに、深夜とはいえ、警備が手薄だった。そういうことだったのか……!!
タツヤは黙って頷き、納得した。
ラフレシアは、不安そうに、
「これは私の勘だけど、そこを狙って、『レッドブラッド教団』のもうひとつのグループが、襲撃に来るんじゃないかしら? おそらく、目的は、父の命か、私だわ」
と、言った。
「ラフレシアさんを狙う目的は?」
タツヤは聞く。
「人質として、父を脅すために利用するか、私が、この城に仕掛けてる、『魔法制御道具』の破壊ってところね」
ラフレシアは、紅茶を口にする。
ーデルタといい、ラフレシアさんといい、勘がよく当たるな。すごいな。
タツヤは感心する。
「父には、強い側近の兵士もいるし、『フランシス王国騎士団』も、警護に当たっているから、大丈夫だと思うけど、私は……」
ラフレシアは不安そうに、タツヤを見る。
タツヤは、困惑しながら、
「だ、大丈夫ですよ……!! 俺が、しっかり守りますから。それで、王には、『フランシス王国騎士団』の誰が、警護に当たっていますか?」
と、聞く。
「えっと……確か、ジェシカさんだったかしら?」
ラフレシアは答えた。
「えっ!?」
タツヤは驚く。
ー俺が、王の暗殺の手助けをしていて、ジェシカが、その王の警護をしている……!? これって、最悪のパターンなのでは……?




