第11話 一番に戻るために猛ダッシュだぜ!! 太陽が昇って、テスト終了だぜ!! どうなるか、わからない戦闘開始だぜ!! ~この世界、予測不可能だぜ!!~
「タツヤ、その生首を持って、早く戻った方がいいと思うわ」
『フランシス王国騎士団』のカロリーネは、地面に置かれている、男の生首を指差す。
「そうね。一番に戻るには、もう、こうやって、話してる時間もないわよ」
『フランシス王国騎士団』のクリスは言った。
タツヤは頷いて、
「酒場や民家の人達が、襲われてる。助けてやって欲しい。もう、手遅れかもしれないけど」
と、お願いする。
カロリーネは、
「わかったわ。ジェシカのこと、頼むわね。死なせないでよ」
と、承諾する。
「さぁ、早く行って。街の人達を助けたら、私達も、バレないように、こっそり、その教会へ行くから」
クリスは言った。
タツヤは、大急ぎで、地面に置かれている、男の生首を手に取り、廃墟の教会へとダッシュする!!
廃墟の教会へと着き、入り口の扉を開ける!!
ダッシュで戻ったせいか、タツヤの呼吸は、相当乱れていた。
ー頼む!! どうか、俺を一番に!!
タツヤは、神や仏にすがる気持ちで、教会の内部を見る。
まだ、誰も戻っていない様子であった。
ーやった!! 一番だ!!
タツヤは、祭壇にいる、赤魔導士のデルタの元へと行き、男の生首を置く!!
生首の気持ち悪さには、まだ慣れず、また、嘔吐しそうになる。
「うまく殺せたか?」
デルタは言った。
タツヤは、呼吸を整えながら、
「ハァ…ハァ…ああ。俺が一番か?」
と、確認した。
「おまえが一番だ」
デルタは答えた。
タツヤは、ホッとする。
デルタは、半信半疑な様子で、
「おまえ、本当に殺せたのか?」
と、聞く。
「ハァ…ハァ…あ、ああ。殺せたよ」
タツヤは答えた。
ー嘘がバレないように、慎重に答えないと。
タツヤは、冷や汗をかく!!
「どうやって殺した?」
デルタは聞く。
「ハァ…ハァ…毒薬を飲ませて殺した」
タツヤは答えた。
「その毒薬を見せてみろ」
デルタは言った。
ーまずい!! 毒薬の量を調べられたら、嘘がバレる!! 全然、減ってない!!
タツヤは考えを巡らせる。
「どうした? 早く見せろ」
デルタは言った。
タツヤは、冷や汗をかき続けながら、
「…戻る時、何処かに落とした」
と、言った。
「落とした?」
デルタが不思議そうに聞く。
「ダッシュで戻ったからな。うっかり、何処かに落としてしまったみたい」
タツヤの冷や汗は止まらない!!
「本当か? 嘘だったら、殺すぞ」
デルタは言った。
「嘘じゃねぇよ」
タツヤの冷や汗は止まらない!!
「まぁ、いいだろう。テスト合格にしておいてやる」
デルタは言った。
タツヤは、再び、ホッとする。
テスト参加者達が、続々と戻って来る。
それぞれ、手には、殺した人間の生首が!!
タツヤは、またしても、生首の気持ち悪さで、嘔吐しそうになる。
太陽が昇り、教会の窓から、朝の光が差し込み始める。
デルタは、
「テスト終了だ!!」
と、告げて、殺人を犯し、生首を持って戻って来た、テスト合格者の人数を、確認する。
「二十人か。残りの十人は逃げたか?」
デルタは言った。
テスト合格者の一人が、
「二人の女が現れて、その女達に、何人か、やられてる所を見ました」
と、言った。
「二人の女?」
デルタは聞く。
「はい。すげー強かったです」
テスト合格者の一人は答えた。
ーカロリーネとクリスだな。
タツヤは、ニヤッと笑う。
デルタは、
「気に入らんな。逃げた者を殺すついでに、その女二人も、殺しておこう」
と、言って、続けて、
「とりあえず、これで、テスト終了だ!! 『レッドブラッド教団』のメンバーの証を与える!!」
と、言って、呪文を唱える。
タツヤとテスト合格者達の胸に、赤い血の色をした『バツ印』が、刻まれる!!
デルタは、
「その『バツ印』の下に、『レッドブラッド教団』の活動日と活動場所が、表示される。好きな時に参加しろ」
と、言って、続けて、
「では、解散!!」
と、解散を告げる。
テスト合格者達は、教会の出口へと行き、去って行く。
ー終わった。頭のイカれた殺人テストが。
タツヤは、ホッとしながら、
「これでテストは合格した。次は、王の暗殺の手助けか?」
と、デルタに聞く。
「そうだ」
デルタは答えた。
「それをすれば、ジェシカは殺さないんだな?」
タツヤは確認する。
「そうだ」
デルタは答えた。
「王の暗殺の手助けって、具体的に、何をすればいいんだ?」
タツヤは言った。
「当日、伝える。『バツ印』の下に、実行日と実行場所が表示されるから、それまで待ってろ」
デルタは言った。
「わかった。表示されるまで、待ってればいいんだな? じゃあ、俺、帰っていいのか?」
タツヤは聞いた。
「帰っていいぞ」
デルタは答えた。
タツヤは驚き、
「帰っていいのかよっ!? じゃあ、帰るぜ。待ってる間に、気が変わって、ジェシカを殺すとか、そういうのは、なしだからな?」
と、念を押す。
「わかったから、早く去れ」
デルタは言った。
タツヤは、教会を出て行く。
デルタは、周囲を見渡しながら、
「さっさと出て来い。ビッチども」
と、言った。
カロリーネとクリスが、教会の窓の外側から現れる!!
「ビッチとは何よ!! 頭にくるわね」
カロリーネは言った。
「やっぱり、バレたか」
クリスは溜め息をつく。
「ほぅ。おまえら、『フランシス王国騎士団』のメンバーだな? テストの邪魔をした女二人というのは、おまえらか?」
デルタは言った。
カロリーネは、呆れた様子で、
「何がテストよ。ただの殺戮でしょ」
と、言った。
クリスは、感心した様子で、
「そこまでバレてるのね。そういう所は、感心するわ。やってることは、馬鹿そのものだけど」
と、言った。
デルタは、「クククッ」と不気味な笑みを浮かべながら、
「ちょうどいい。ここで、殺してやる」
と、言った。
カロリーネとクリスは、戦闘態勢をとった。




