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竜と呪いの千回紀  作者: 稲荷竜
二章 変貌の時代
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13話 むかしむかし2

「『かかわりたくない』などと言ってはみたものの、始祖竜(オリジン)同士が直接かかわることは、まずありません。


 なぜなら、一柱(ひとはしら)の始祖竜が起きている時、他の始祖竜は眠りに就いているのが普通だからです。


 けれど、我々は記憶を継承します。


 同じファイルを始祖竜クラウドで共有している感じ、と言うと伝わりやすいでしょうか。


 つまるところ、かかわりたくないというのは、『こいつの記憶は共有したくないなあ』という意味であり……


【変貌】はとにかく、その内心を知り、我が事のように行動を認識するのは、とても恥ずかしい、そういう子だったのです」



 酔っ払った君の『【変貌】と長女の性格が似ている』発言がどうにも引っかかってしまい、長女に対してひどい言いようだよなあ、という気持ちがなかなかぬぐえないのですが。



「だって、あまりにもいい子(・・・)すぎて」



 やべぇ、超わかってしまった……


 いい子はな……

 そりゃ、いい子は素晴らしい。我が子がいい子なのは誇らしいし、もしも教育理念を各家庭でそれぞれ打ち立てて発表しろと言われれば、もっとも使われる単語は『いい子』なのではないかという気さえする。


 だけれど記憶の共有がつらいレベルのいい子に自分がなりたいかと言われると、言葉に詰まるよな……



「そういうわけで、【変貌】はもっとも人との距離が近く、もっとも社交的な始祖竜なのでした。


 だからこれはまあ……やっぱり、呪いの物語なのでしょう。


 竜を愛した人の末路は哀れなものですが、人を愛した竜の末路もまた、同じようなものです。


 特に、彼女の場合は、手酷い裏切りに遭ったのですから、なおさらでしょう」

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