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お嬢様、遅刻でございます。

「お嬢様、マイアといったい何があったのですか?仰ってください」


高宮は穏やかに優しい表情でアヤメに語りかけるように聞いた。

だがその顔の裏には何か面白いことが聞けそうという思惑が隠れている。

そんなことに気づきもしないアヤメは泣く素振りを見せながら”高宮~聞いて~”と大きな瞳をうるわせ抱きついた。

その姿を見ていた白鳥家に新しく入ったばかりの見習いフットマンは主であるアヤメが従者である執事の高宮に泣きながら相談をするその姿に自分もいつかこんな存在に成れればっと少しながら感動し微笑む。


っが、その次の瞬間アヤメの発言を聞いて苦笑いに変わった。


「あの女、遅刻すれば罰と言ってバケツに水いれたの持たせて1時間立たせるのよ。幼馴染のユタカを呼び捨てした時なんてアゴを掴まれて『この口でしょうか?メイドの分際で主である四方堂家次期当主、四方堂ユタカ様を呼び捨てにしたのは?』ってゴリラのような怪力でアゴが砕かれるかと思ったわ。こないだなんて男風呂覗こうとしたの見つかったら首をへし折られたわ。あの女は人間じゃない、鬼よ鬼。鬼神よ」


誰が聞いてもアヤメが悪いというレベルの話をアヤメは一切悪びれる素振りもなく続ける。その姿を見ていた見習いフットマンは苦笑いが消え無表情っというか能面のような顔になっていく。かたや高宮はああ、面白い。っと顔に書いてある笑顔を見せている。


「お嬢様・・・」


高宮は何かを言いかけて一瞬戸惑いった素振りを見せて言葉を止めた。


「高宮、気にしないで素直に言って」


アヤメは自分にとって不利な言葉も素直に受け止めるつもりだった。遅刻しているのも事実、働いたことも無い自分が気づかないうちに失礼をしていることもある、だから何を言われてもそれが長年一緒にいる人間の言葉なら受け止められる、っと心の中で覚悟していた。


「分かりました。では・・・。お嬢様、遅刻でございます」

「あ"あ"あ"あ"あ"あああああああ」


アヤメが叫ぶと同時にアヤメを中心に広がるように壁に無数のヒビが入り、数秒の時間差で窓ガラスが割れ、見習いのフットマンは一瞬で意識を失ったが高宮はアヤメが叫ぶ前に耳をふさいでいた。


アヤメがビックリした際にでるオートスキル【ハウンドスクリーム】。その叫びは白鳥家の豪邸の白亜の壁という壁とタカミヤの鼓膜を突き破り、隣の家の四方堂家の隅々まで響いた。

このことは後の高宮作:アヤメ伝説で「遅刻でそれほどまでに恐れられるマイアの叱りとはどういったものだったのか?」っと、記されている。

40話くらいまでは毎日18時に更新予定です。

少しでも面白いと思って頂けましたら星を頂けましたら励みになります。

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