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おっさん、魔王の玉座になる -幼女魔王と一緒に座っているだけでレベルMAX!-  作者: 椎名 富比路
第六章 命がけの遠足!?

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第76話 お前がマナになるんだよ!

「そんな、わたくし、マナになっちゃう! ただのマナになって霧散しちゃううう!」


「お前はこの森に大切な蜜を奪い続けた。今度はお前が奪われる番」

 悶えるエンプーサを、チサちゃんは指さす。




 ボクの口が勝手に動く。





「お前がマナになるんだよ!」





 頭に浮かんだ言葉を、そのままエ・ロにぶつけた。




 ビクンッ! と、エンプーサの身体が弓なりにのけぞる。




「あへぇ、逝くぅん……」




 エンプーサの身体が、霧になった。

 霧状のエンプーサが、風で飛ばされていく。



『ミッション、コンプリートッ! 【エンプーサ・ロード】の撃破を確認しました』



 ボクの頭の中で、謎のアナウンスが流れる。【ヱッチ】を撃破したときと同じように。


 エンプーサは、影も形もなくなった。

 跡形もなく消滅している。

 あるのはただ、晴れ渡った迷宮のみ。


 どうやら、戦いに勝ったらしい。

 まったく勝利の実感はないけど。 


「すごい」

 言葉を失い、ボクはただ立ち尽くす。


 見た目に反して、チサちゃんって強かったんだ。

 いくら怒っていたとはいえ。


 あのエンプーサに、ボクは勝てただろうか。

 いや、まともに戦うことすら無理だったろう。

 存在を認識しただけで、足がすくんでいた。

 ボクはまだ、戦闘慣れしていない。


「助かった。チサ」

「すっごいね、さすがチサちゃん!」


 エィハスとオンコが、チサちゃんに抱きつく。


「あの魔力量、魔王の本気を見たのは初めてである」

 何一〇〇年も生きていたエルフですら、魔王の全力は初見だという。


「せっかく、あの大鹿が再生させていた森を、あのL・Oは荒らしていた。許容できない」


 害虫駆除の意味合いも、あったのだろうか。


「すごいのはダイキの方。わたしとずっと離れなかったから、サキュバスであるわたしのマナにも耐えられた。普通はいつわたしに魂を乗っ取られてもおかしくなかったのに」


 


 ボクはずっと、チサちゃんにマナを吸い取られ続けていた。

 それによって、尋常じゃない経験値を得られたのである。

 L・Oを返り討ちにするくらい。




「でも、蜜は残念だったね」


 戦闘で、ビンは割れてしまっている。


「森が息を吹き返せば、また蜜は取れる。今日は帰る」


 鹿に森の安全が確保されたことを報告して、帰ることに。


「森は静かになった。これでいい?」

 チサちゃんが、鹿に挨拶をする。


 鹿は、口にくわえている何かを、チサちゃんにプレゼントした。


「これぞ、まぎれもなく琥珀花である」

 ゼーゼマンが、感嘆の声を上げる。


 これは、さっき蜜をつけていた花だ。


「琥珀花を城の庭に植えたら、沢山育って蜜が取れるらしい。ちゃんとお世話すればだけど」


 素晴らしい贈り物を、鹿はくれた。


 世界にたった一輪しかない花を、鹿はマナを使って複製してくれたらしい。


「ありがと、鹿さん」


 鹿はブルンとうなって、チサちゃんに何かを訴えかけている。


「ごめんなさい」

 なぜか、チサちゃんは謝っていた。


「チサちゃん、鹿さんはなんて言ったの?」





「ぼくはトナカイです、だって」



 あの角は、確かにトナカイだね。

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