謎の来訪者
「でも、どうしてネウロータくんに直接会いに行かなかったんだろう?」
あれだけ好きなんだ。行動に移すだろう。
「パパに背いたから、ネウロータの世界を出禁にされたの! 腹いせに、パパの力の一部を奪っていったわ!」
その後、海底神殿に身を潜めていたらしい。
「どうして、隠れた先がチサちゃんの世界だったの?」
「あんたたちの世界が一番、他の魔王との争いがなくてユルいわ! だから、潜伏先にちょうどよかったみたい!」
あまりうれしい理由じゃないね。
「ネウロータの妹スキュラってのはあなたね! あなたは、ネウロータに隠れて、海のカードを独占していたそうね! そんなことをするから、LOになるのよ!」
「うるさいもん! お兄ちゃんが真の魔王になればいいもん! お兄ちゃん以外の魔王なんていらないもん!」
イソギンチャクの口が、大きく開いた。
「邪魔をするなら、くらうもん!」
特大の魔力弾が来る。ボクは直感した。
「みんなはボクの後ろに隠れて! 黒龍鱗、最大出力!」
ボクは、今までレベルアップした分のスキルポイント全てを、黒龍拳に振る。
絶対に助けるんだ。
この世界も、キュラちゃんのことだって。
イソギンチャクの胴体が激しく揺れ、黄金の色をした魔力弾が吐き出された。
「わああああ!」
黒龍鱗に、大きくヒビが入る。
「任せて! ケイス!」
「承知!」
魔法障壁を、ケイスさんが作り上げた。
ボクのウロコ並に強い。
後ろにマミちゃんとネウロータくんがいて、ボクとケイスさんに、自分の魔力を流し込んできた。
チサちゃんとネウロータくん、マミちゃんの力を借りて、ボクはどうにか魔力弾を弾き飛ばす。
「はあ、はあ!」
ボクは、脂汗をかいていた。
消耗が激しい。
もし、同じことをやれと言われたら、できないかも。
「どうして? どうしてみんなは邪魔をするもん? みんな消えちゃえばいいもん!」
またも、キュラちゃんが砲台を展開した。
「もう一発来る」
持つのか?
でも、やるしかない!
ボクはみんなの前に立って、ネウロータくんをかばう。
「もうどけダイキ! コイツはぼくたちの問題だ!」
「どかない!」
逃げるわけには、いかないんだ。二人のためにも。
キュラちゃんの砲台から、ビームが発射される。
しかし、攻撃はボクの背後から撃たれた一筋の光によって阻まれた。ビームが相殺し、消滅する。
衝撃波で吹っ飛ばされそうになったのを、ボクはこらえた。
「なぜ邪魔をするのかですって? それはあなたが、ワガママすぎるからです」
意外な人物が、この戦場に乱入する。
「セイさん!」
キュラちゃんの攻撃を弾き飛ばしたのは、なんとセイさんだった。




