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悪魔の乗りし船  作者: 最勝寺蔵人
本編
24/41

23 (パース)

 パースは くらいあなを すすむ。

 あたまが あたるので、こしを まげて あるく。すぐに せなかが いたくなった。

 パースは りょうてを ついた。いしが いたい。

 せなかは ましになった。でも、ひかるけんを もたないと いけない。

 ひかるけんを ひだりてにもつ。みぎてと ひざを ついて、ゆっくりと すすむ。

 ガランなら、しゃがまなくても いいかも。パースは おもった。

 ガランを おもいだすと、パースは さみしくなった。ガランは いつも パースの さきを あるいていた。

「おまえが まえだと、じゃまで まえがみえん!」

 ガランが いっていた。パースは うれしかった。

 おもいだすと、よけいに さみしくなった。

「つらくなったり、くるしくなったりしたときは、かみに いのるのじゃ」

 ガランがおしえてくれた。

 パースは、ひかるけんを おき、じべたに すわる。りょうてを むねの うえで あわせて、めをとじる。

「ケーオルさま、おちからを おかしください」

 むねが あたたかくなった。パースは げんきがでた。

 ひかるけんを ひろい、また すすむ。いたいのは、がまんできた。

 あなは せまかった。はこや たるが たくさんあった。まんなかだけ あいていたので、すすむ。

 ちの においが どんどん つよくなる。

 まんなかに なにか、みえた。

 ひかるけんを むけると、けんが まぶしくて まえが みえなくなった。けんをもったてを のばしたまま、よこに うごかす。

 やっぱり、なにか おかれていた。ぬのに つつまれた なにか。

 ぬのが すこし、めくれていた。パースは ちかづくと、ひかるけんで もっと ぬのを めくる。

 においが きつくなった。みつかったのは ちまみれの なにか。

「なにか みつけたら、もどってこい」

 アリが いっていた。

 パースは いつも、なにかが なになのか わからなかった。でも、いまは これが なにかだと わかった。

 パースは せまいなか、てをついて むきを かえる。うしろを むいてから、こえを かける。

「おーい、みつかったぞー」

 アリが「もどってこい」というのが きこえた。

 パースは もどろうとして、せをのばして あたまを ぶつけた。

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