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8魔王様貴方の妹を俺の嫁に頂きます。

タイトル回収

 精霊の花園に行った日の翌日。朝に弱いセシルには珍しく朝早くに目を覚ました。まだカーテンのしまった部屋を見渡しまだ侍女がいない事に気付いた。だが恐らく扉の向こうには騎士が守りに徹しているのだろう。

 起きた事を悟られない様に静かに窓に近ずいてちょこっとカーテンを開ける。眩しい陽光が差し込み朝の寝ぼけた脳を起こしてくれる。

 ぼやぁ…と窓の外を見ていると窓の下の庭園に歩きながら薔薇を見る人影が見えた。こんな早朝に庭師かな?と思い視線を向けるとそれは見知った人影だった。

 まだその背中を見ていたくてジーと眺めているとその人影は素早く私の視線に気づきバッと振り返った。手は剣の柄に触れている。

 だがその警戒も私と目があった事でとけフワリと笑顔を浮かべ手を振っている。手を振り返し窓を開ける。


「エリオット様おはようございます。早いですね、何かあったのですか?」

 そう首をかしげるとエリオットは首を横に振り優しい眼差しでセシルを見つめた。


「セシル嬢に早く会いたくてな、朝食を共にしようと企んで早くに来た。」

 そう無邪気に口説くのに、セシルは頬を染め恥ずかしげに微笑む。

 そして、何となく側に行きたくなったのだ。この最近感じる胸の高鳴りに薄く頬を染め今エリオットの側に行きたかったからセシルは窓から身を乗り出した。


「エリオット様!受け止めてくださいませ!」

 魔法で落下速度は緩めていたけど抱き止めて欲しかったのだ。エリオットは8階から飛び降りてくるセシルに驚いたが愛しさが勝りしっかりと抱きとめた。

 一度抱きとめたらたとえ側にいてもすぐには離したくない。もう少し、と思っていると腕の中にいるセシルが上を向きエリオット様?と呼び顔の近さに照れたのか耳まで真っ赤にして俯くのでエリオットは自分の理性が試されているような気分になった。今すぐ唇を奪いたい本能を抑えて額に軽いキスを落とす。

 その行動にセシルは焦った。エドワードにされても平気なのに、エリオットにされると可笑しくなりそうなくらい胸がなる。

 その鼓動が聞こえて欲しくなくてエリオットの胸を押すと簡単に離してくれた。本当はあと少しだけ強引に抱きしめていて欲しかった…なんて心には気づかないふりをした。だって恥ずかしいから。

 セシルはこの気持ちに気付いていた。セシルは恋愛をしたことはないけど賢いのだ。鈍感でもなく察しもいい方だと思っている。

 だから気付いていたのだ、自分がエリオットに心惹かれていると。

 そうはっきりと思うと自覚すると恥ずかしいもので更に体は暑くなる。

 そんな首まで赤くしたセシルを見てエリオットは焦っていた。そっと自分のジャケットを羽織らせるとセシルは可愛く首をかしげるので困ったものだ。


「薄着では風邪を引いてしまうだろう…と言うのは言い訳で、その…ネグリジェのままあまり男の前に出たらいけない。危険だ。」

 愛しい番の、余りにも肌が出ているネグリジェは理性がきつかったのだ。広く空いた胸元に覗く白い鎖骨に上からだと見える胸の谷間白くしなやかな足首や腕は余りにも刺激が強かった。背中が髪で隠れていたのが唯一の救いだろうか。エリオットが女に慣れていないわけではない番と言うのと絶世の美少女の無防備さが生み出した最強の破壊力だった。恐らく並みの者には耐えられず直ぐに場所も考えず襲ってしまうだろうがここは竜王の強靭な精神力と番の了承なしに襲い、傷つけてしまわないようにという愛で乗り越えたエリオットは只者ではない。

 裏でそんな感情の交わりがあるとは露ほども知らずジャケットをかけてくれた優しさに微笑んだセシルはぎゅっとジャケットを握り言った。


「有難うございます。ですがエリオット様は寒くないでしょうか?」

「大丈夫だ。竜人だからな気温の耐性は強いんだ。」

 そう言いまだセシルの結われていない髪を優しく撫でた。甘い空気が流れる。その空気を二人は心地よく感じる。

 エリオットは突然跪き手を差し伸べた。


「セシル・ジェスレーニア嬢、私は貴方を愛しています。結婚して頂けませんか?」


 セシルは目を見開いた、余りに突然だったからだ。二人の間に優しい風が流れ、セシルの長く柔らかい髪を

 揺らす。セシルは照れながら優しく見つめるエリオットを見つめ返した。


「婚約を飛ばして結婚なんですね。私はこの気持ちに気付いて日も浅いですが…その好きです。そしてこの想いはきっとそう日も経たないうちに愛になるのだと思います。」


 そう言いエリオットの手を取った。

 エリオットは嬉しそうに瞳を潤ませ、セシルを強く抱きしめた。そして少し抱きしめる力を弱くし口づけを落とした。もっと深いのをしたい気持ちを抑えもう一度強く抱きしめた。


「好きだ。大好きだ。愛している。」


 そう耳元で呟いた。幸せな朝に包まれて。



一応完結を押しますが、気まぐれにその後の二人のイチャイチャ、エドワードの暴れっぷり、セシルの嫉妬など書けたらいいなぁと考えております。あ、あとセシルの世界を見て勉強すると言う点で人間国にも視察に出てみたりとかもいいですね。とのちの話をちょこちょこ書いていこうと思っております。ここまで読んでいただいた皆様有難うございました!

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