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俺もこれがファーストなんだよ

あらすじ

友紀が来たいといった海で俺達は手を繋ぐ。

彼女はあの後からできるだけ笑っていた。

俺らしくも無く願い事をする。

いつか、心から笑っていられるように。

俺達はこの街を堪能したあと、夕日が海に沈むまでずっと眺めることにした。

レンガでできた階段に座る。

志樹「また来たかったらいつでも言えよ。連れてきてやるからな。」

友紀「はい・・・」

友紀はこの幻想的な風景に見とれているようだ。

夕日が友紀の髪を撫でていく。

思わず髪に手を伸ばす。

友紀「え?どうかしましたか?」

友紀がこちらを向く。

夕日のせいか顔がとても赤く見える。


友紀の頭に手を当てる。


そのままこちらに引き寄せる。


友紀は何も抵抗しない。


とても近い。


友紀が目を閉じる。


俺も目を閉じる。



心臓の鼓動が聞こえた気がした。



この時間は思ったよりも短いものだった。


唇が熱い。いや、体中が熱い。

友紀は恥ずかしいとばかりに顔を隠す。

俺もものすごく恥ずかしい。

周りに人がいなくて本当に助かった。


夕日も沈み、互いに落ち着いたところで俺達は立ち上がる。

手を繋ぎながら、駅へ向かう。

途中、スマホが鳴る。

友紀「誰ですか?」

志樹「分からん。とりあえず出てみる。」

着信に出る。

??「どうだい?」

京慈さんからだ。

志樹「え、なんで番号知ってんすか。」

京慈「調べておいた。」

怖ぇ。

どうやら、車で迎えに来てくれるらしい。

場所だけ伝えて、電話を切る。


数分後、京慈さんが車で来る。

早過ぎる。どうなってんだ。

俺達二人を乗せると走り出す。

京慈「君の家はどこだね。送っていこう。」

志樹「調べてないんすか。」

京慈「あえてね。」

俺には家と呼べる場所は無い。

あえて言うなら孤児院だが、もう殆ど帰っていない。

マスターが働きついでに奥で寝ててもいいと言ってくれたからだ。

沈黙に耐えかねたのだろうか、友紀が喋る。

友紀「なら、ウチに住んでください!」

志樹「いいのか?」

友紀「いいですよね、お父様。」

京慈「娘の頼みなら、仕方ないな。部屋なら空いている部屋を使うといい。」

幸運の限りだ。女神でもついてるんじゃないか?

志樹「じゃあ、そうさせてもらいます。」

京慈「改めてよろしくだ、志樹君。」

志樹「こちらこそ。」

友紀のお陰だな。

志樹「友紀、ありがとな。」

そう言った時にはもう眠っていた。


車窓から外を眺めながら考える。

窓に映る自分の眼についてだ。

藍子さん曰く、愛と幸運の眼らしいが・・・

本当に女神でも憑いてるんじゃないか?

いや、女神はすぐそこにいるじゃないか。

隣で寝ている友紀の髪を俺はそっと撫でた。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

「お前ら、まだ出会って一日も経ってないんだぞ。」

「なんでそこまでアグレッシブなんだよ。」

と、もう一人の自分が申しておりました。

次回もよろしくおねがいします。

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