バー裏葉柳へいらっしゃい☆
あらすじ
緑地公園でウサギを追いかけて迷子になった友紀はナンパされそうになるが、自力で解決してしまった。
一息つける頃には、既にお昼時であった。
公園でウサギ達と戯れるという当初の目的はまた今度の機会にしておく。
何故かって?
マスターに後から行くという内容のメールを送ったら、直後に「寂しいの☆」とか言う全然寂しそうな感じがしないメールが送られてきたからだ。
とはいえ、マスターは客が来なくて暇だろう。
たまにはランチセットでも注文して、喜ばせてやろうじゃないか。
ということで、俺達はバー裏葉柳へと向かうのであった。
念のため、今から行くという内容のメールを送っておく。
30秒後、返信が届く。
「りょ~かい☆今なら貸切だよ☆」
・・・今ならって、いつでも貸切じゃねーか!
それと、何だ?今マスターに☆ブームでも来てんの?
何かこみ上げてくるものがあったが、隣に友紀がいるので何とか抑える。
裏葉柳までたどり着けたのは、お昼過ぎのことであった。
店のドアを開けると真っ先にマスターの大きな声が飛んでくる。
マスター「へ~らっしゃ~い!」
志樹「居酒屋か!ここは!」
マスター「いやいや、ここはバーだよ、志樹。」
置いてあるメニューからしてカフェだろ・・・
友紀「カフェじゃないんですか?」
ここで無垢な少女からの言葉の槍がマスターに突き刺さる!
しかし、マスターは体勢を立て直しながらキザに答える。
マスター「ここはヴァーだよ、友紀ちゃん。間違えちゃいけない。」
・・・正直どちらでもいい。
そこで、俺はこの店には似つかわしくないものを発見する。
なんで、こんなものが、ここに。
志樹「マスター。」
マスター「うん?どうした志樹。」
ああ、恐ろしいがこれは伝えねばなるまい。
壊れてしまったマスターを元に戻せるのは俺しかいない。
どうせなら、思い切り言おう。
志樹「どうして飲み干したコーヒーカップが2つも並んで置いてあるんだ!?」
マスター「客ぐらい来るわ!」
志樹「な、なんだってー!!」
自分で飲んで置いたのじゃないのか・・・
まあ茶番はこの辺にして、二人でカウンター席に座る。
マスター「で、注文は?」
志樹「ラーメンセット。」
マスター「はいよぉ!ラーメンセットォォォ!無いわ!」
誰もいない奥の厨房に叫びながら突っ込まれる。
友紀「じゃあ、私はカルボナーラで。」
マスター「メニューに無いけどいいよ^^」
志樹「いいんかい!なんかその顔腹立つ!」
マスター、モナリザに負けないぐらいの爽やかな笑み。
志樹「まあ、ランチセットで。」
マスター「うちはバーなので、ディナーしか無いなー。」
わざとらしく棒読みしている。
志樹「なら、ランチセットCで。」
マスター「C!?ランチセットすらないのにCと来たか!良かろう作ってやろう!」
やっと注文が通る。
基本的にマスターをやる気にさせなければ、昼ごはんを作ってくれないからな。
マスターが鼻歌を歌いながら奥の厨房へと姿を消す。
すると、隣に座っていた友紀が耳元で囁いてくる。
友紀「マスターって、テンションが高い人だったんですね。」
志樹「ああ、疲れるけど、飽きない。」
マスター「いちゃいちゃしおってからに~!」
何か聞こえるが気にしない。
どうも緋吹 楓です。
読んでいただきありがとうございました。
今回はネタ回です。あんまり恋愛してないです。
ちなみに、二人はマスターこと時和が京慈とが友人である事を知りません。
次回もよろしくおねがいします。